『まとめノート』というものがありますが、みなさんご存知ですか。文系の人、特に歴史選択の人は、作ったことがあるという人も少なくないはずです。
この『まとめノート』、記憶するという観点からは非常に優れものですが、費やした時間に対する効果を考えると果たして本当に優れているのでしょうか。今回は『まとめノート』の是非について、メリット・デメリットの双方を挙げて考えたいと思います。
勉強編
★メリット★ ・見やすい 教科書に書いてあることや先生が言ったことを自分で工夫してまとめられるため、「どの箇所が重要で、どんな因果関係の元でその事象が存在するのかなど」整然としています。 上手にまとめられれば、自分にとっての最上の教科書になります。
・記憶に定着しやすい 文字のみでまとめた教科書と違って、図や記号などの工夫を「自ら」施してまとめるため、知識が整理されて定着しやすいです。複雑な事象も工夫を凝らすことで綺麗に頭に入ります。また、一度習ったことを再度自分の中で整理してまとめるので、良い復習になります。
★デメリット★ ・時間がかかる 『まとめノート』を作ったことがある人はわかると思いますが、作るのに非常に時間がかかります。授業で先生が言ったこと、教科書に書いてあること、資料集に載っていること、これらを統合して整理してわかりやすいように色付きでまとめます。時間がかかるのは当然ですね。
・『まとめノート』を作って満足してしまう あまりに時間がかかるため、多くの人がまとめることで満足してそこで終わってしまいます。確かにまとめるだけでもある程度の復習になりますが、それだけでは全てを覚えきれません。また、作成時間が長いだけに勉強した気になってしまい、ノート作り自体が目的になり満足してしまいます。
メリット・デメリットの双方を挙げてみましたがいかがでしょうか。『まとめノート』の効果は非常に大きいですが、それに費やす時間も膨大です。そのため僕の結論としては、『まとめノート』は作らない方が賢明です。では、どうにか「まとめノートづくり」のメリットだけを抽出する方法はないのでしょうか。
★既存の物をアレンジ★ 『まとめノート』の目的は、わかりにくい部分をわかりやすくまとめて、知識として定着させることです。分かっている部分までまとめているのは時間の無駄です。そのため、既存の物、例えば教科書などを『まとめノート』としての機能を持たせて、色々な説明を書き込んではいかがでしょうか。わざわざ基本的な事からまとめる手間は省け、その一冊に全てが集約されます。
★苦手な分野だけ『まとめノート』を作る★ 『まとめノート』を作ると非常に時間がかかりますが、苦手な分野だけに絞ればそこまで時間は取りません。苦手な分野をまとめることにより、前述したメリットにある通り、わかりやすく学ぶことが出来ます。
仕事編
それでは仕事ではどうでしょうか? 日頃の会議や商談先でのヒアリング、上司からのアドバイス等を書き留めるノートは誰でも持っているでしょう。しかし、書記のようにひたすら書き続けることが多いと思うので、殴り書きだったり後から見ると「?」な部分が多いのではないでしょうか。そこで登場するのが「まとめノート」です。
日頃の上司の会話や一見くだらない会議、打ち合わせのヒアリングの中にもきっと一つ位は、「他の場面でも使える、社会人としてのポイント」が隠れているはず。そういった大事な言葉、内容だけをシンプルにまとめるノートをぜひ作りましょう。何年も経ってそのノートが一冊埋まる頃、あなたはノートの最初の頃と比べて遥かに成長した自分を実感出来るはずです。