いまもっとも重視される能力のひとつ、コミュニケーション能力。「コミュ力(こみゅ・りょく)」と略されたりもしますね。
初対面で他人とコミュニケーションをとるのがなかなか難しいという方もいるかと思います。 コミュニケーション、と聞くと上手にお話をすることを意識してしまいがちですが、実は良い関係を築くには、話すよりも聴くことのほうが大切なんです。
必要なのは「傾聴」という力。 今回は傾聴と、その一つのやり方について紹介したいと思います。
傾聴とは
傾聴はもともとカウンセリングにおける手法の一つです。英語では「アクティブリスニング」と呼ばれます。積極的かつ注意深く相手の話を聞くことで相手の気持ち、考え等について理解を深めることが目的です。最終的には相手とのコミュニケーションをとりやすくして、信頼関係を築くことにつながります。 傾聴の「聴」という漢字は相手の話を耳だけでなく、目や心まで使ってきくということを意味しています。そのため、傾聴はただ相手の話を聞けばいいということを意味しません。傾聴は「聞く」というよりも「反応する」という行為を必要とするんです。 私たちは反応しなければ、聴いているということを相手に示すことができません。 例えば、極端な例ですが自分の話に対して相手が無反応、無表情でいたら、話を続けないほうがいいのではないかと思いますよね。たとえ相手が「真剣に聞いていたんだ」なんて言っても、信じられません。 つまり、傾聴するときは反応を示すことが大切なんです。
相槌を打つこと
傾聴するときに大切なのは反応すること。その反応の一種が相槌です。 海外で行われた実験に、「ある決まった相槌しか打たないロボットに対して被験者が悩みを相談する」というものがあるそう。その結果は驚くべきことに、被験者の半数以上が涙を流しながら悩みを打ち明け、実験後にはロボットであることを忘れていたそうなんです。 ただただ相槌を打つロボットは否定も肯定もせず、話を最後まで促します。それだけの行為が驚くほどの結果をもたらすようです。 ただ、話を聞いている人が「へえ」、「うん」などといった言葉のみをしゃべっていたら、先ほど示した例とさほど変わりませんよね。そのため、傾聴のテクニックとしての相槌は少しだけ高度です。そんな相槌の技術が、次の3つです。
1:ペーシング 2:オウム返し 3:パラフレーズ(言い換え)
引用元:コンラボ|相手との距離を縮め信頼を得る正しい『傾聴』のスキルと本質
一つ目のペーシングとは相手の話のテンションと自分のテンションを合わせるということです。楽しいことを無表情で喜ばれたりしても、全く喜ばれた気がしませんよね。メラビアンの法則によると、相手の言語と表情、声音等が矛盾しているとき、人間は表情>声>言語の順に優先されます。心の中で喜んでいても顔が笑っていなければ相手に伝わらず、もったいないです。 二つ目のオウム返しはそのままの意味で、相手の言葉をそのまま復唱するというものです。話し手は自身が話したことと全く同じことを相手から聞けるので、相手は理解してくれたと思い安心して先の話を続けられます。 三つ目のパラフレーズも意味そのままで、相手の言葉を言い換えて話すというものです。話し手の意図と自分の意図が同じであるかどうかの確認ができます。話し手に対して自分の誤解をなくすことで、より深く相手を理解することができるのです。
傾聴で一番大切なのは相手のことを理解しようとする気持ちです。相槌は相手を理解するための手段にすぎませんが、きっとよいコミュニケーションの手助けになると思います。コミュニケーションに悩んでいる人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
参考サイト コンラボ|相手との距離を縮め信頼を得る正しい『傾聴』のスキルと本質 ☆心のコニュミケーションルーム☆|傾聴の効果♪ ~ロボット実験から~ 幸せを呼ぶコミュニケーション|人の話を傾聴できると信頼関係がつくれるのはなぜ HRD INSTITUTE|メラビアンの法則・誤解と事実