会社で昇進したい、起業したい……。誰しも、達成したい目標があるかと思います。しかし、勉強したい資格があっても、読みたいビジネス書があっても、自分のために使える時間が無ければどうしようもありません。
そこで注目されているのが「朝活」。今回は、筆者が実際に行っている朝活の方法も交えながら、朝活を挫折せずに続ける方法をご紹介します。
成功者は、朝活を取り入れている
ライフネット生命が20歳~39歳のビジネスパーソン1,000名を対象に行った調査によると、年収600万円未満の朝活率が39.6%にとどまったのに対し、年収600万円以上の朝活率は57.7%だったのだそうです。つまり、ビジネスで成功している人ほど、朝活を取り入れているということなのです。
さらに、脳科学者の茂木健一郎氏は、朝目覚めてから2時間ほどが「黄金時間」であり、この時間をいかに有効活用するかが重要なのだと主張しています。なぜなら、起床直後は脳の中の情報が整理されているから。そのため朝活をする際には、新しい情報を吸収する、クリエイティブなことをする、といったことが向いているのだそうです。
失敗しない朝活のやり方
筆者は、1日に1時間程度の朝活時間を確保しています。出勤日には7:00頃には家を出る必要があるため、起床は5:30。おおまかなスケジュールは以下の通りです。
5:30 起床、洗顔・歯磨き等身支度を済ませる 5:40 軽くストレッチをする 5:50 朝食をとる 6:00 作業を行う 7:00 出勤
いくら朝は効率が良いとしても、起きた直後の脳は覚醒していません。そのため、作業に取り掛かる前に30分程度かけて準備をします。作業時間が短くなって非効率的だと考える方もいるかもしれませんが、こうした「脳を起こす」習慣を取り入れることで、朝活の質をぐっと向上させることができるのです。
人間の各器官は、交感神経と副交感神経という、2つの神経によって管理されています。交感神経は昼間の活動的な時に働く神経であり、血圧を上げるなど、身体をエネルギッシュな状態に。対して副交感神経は身体の緊張をほぐし、休息させるよう働く神経であり、脈拍がゆっくりになるなど、心身を眠りにふさわしい状態にしてくれます。
目覚めた直後というのは、副交感神経から交感神経へと切り替わる時間。交感神経が活発になるよう働きかけることで、すっきりと目覚めることができるのです。
冷たい水で顔を洗うと、交感神経が刺激され、切り替えやすくなります。さらに、歯磨きをして歯茎を刺激すると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑えることができるのです。
また、朝活として運動を取り入れている方も多いかと思いますが、朝は身体が完全に目覚めているわけではないため、強度の運動はかえって悪影響になってしまう可能性があります。ヨガやストレッチなどの運動であれば身体を伸ばしほぐす効果があるので、ぜひ朝活に取り入れてみましょう。
朝食も、朝活の生産性を高めるためにはとても重要です。朝食をとることで、脳や胃腸の目覚めが促進され、頭をすっきりさせることができます。また、朝食をとらなかった場合には夕方や深夜に食べる量が増えてしまうため、胃腸に負担がかかり、快適な睡眠が妨げられてしまいます。
これらの習慣をこなしてから、朝活の作業に取り掛かりましょう。筆者は、執筆活動や読書がほとんどです。朝に連絡が来ることは稀であるため、集中力が必要なものや、途中で中断したくないものを優先的にこなすようにしています。読書をする場合には、再読や復習は避け、なるべく読んだことのない本を手に取るようにしています。
朝活の内容はご自身の興味のあるものでかまいませんが、アウトプットよりインプットのものがおすすめです。また、茂木氏が主張していたように、クリエイティブなもの、例えば新しい企画の立案や、といったことに取り組むのも良いでしょう。
朝活のほんとうのメリット
実際に取り組んでみて、朝活のメリットの多さに驚きました。その中でも特に効果を実感した3つをご紹介します。
1. 自分の時間をコントロールしやすい
夜には急な用事が入ったり友人から連絡が来たりする可能性がありますが、朝6:00に連絡を入れてくる人はなかなかいませんよね。その分計画が立てやすく、自分のやりたいことを進めやすいのです。
2. 就業開始直後から一日しっかり集中できる
以前は、日中に眠気を感じたり、朝はなかなかやる気が起きなかったりすることもあったのですが、朝活を始めてからそういったことが一切なくなりました。
朝活を実践するには、脳を覚醒状態へ持っていく必要があります。そのため、朝から脳や身体が動くようになり、仕事中にも集中力を切らさずに取り組めるようになったのです。
3. 健康的な生活になる
5:30に起床することは決まっていますから、睡眠時間を確保するために夜も早い時間に就寝することになります。そうした早寝早起きや、朝食をきちんととる習慣のおかげで、健康的な生活を送れるようになりました。また、夜に食事の誘いがあってもついつい遅くまで過ごしてしまうことがなくなったため、散財防止にもなっています。
朝活を続けるコツ
朝活の方法が分かっても、なかなか継続して実践できている方は少ないのではないでしょうか。実は、朝活を継続するにはいくつかのコツがあるのです。
・成長が目に見えるようにする
わざわざ早く起きるのに、その成果が見えなくてはモチベーションも低下してしまいますよね。筆者は、作業した時間ややったことをノートに記録し、あらかじめ準備した内容に対しどの程度達成できたかを書くようにしています。
・あらかじめ朝活の準備を済ませておく
多くの方が出勤や登校などのタイムリットを抱えていますから、朝活は長くても1時間ほどでしょう。準備から始めては、作業の時間が短くなってしまいます。そのため、朝活に必要な筆記具や書類等は、必ず夜のうちに準備しておきましょう。
筆者は、記録用のノートを広げ、翌朝読む本を必ずテーブルに置いています。テーブルの前に座りさえすれば、すぐにでも朝活が始められるのです。多少疲れの溜まっている日でも「せっかく準備したから」と行動に移ることができます。
・ハードルの低い行動をルーティンとして設定する
朝起きれない人の多くは、ベッドから出ないまま二度寝してしまいます。その防止策がルーティンです。水を一杯飲む、部屋の電気を点けるなど、負荷の小さい行動を「朝起きたらすぐにやる」と決めておくことで、ベッドから出る習慣がつき、二度寝防止につながります。
筆者の場合、洗顔・歯磨き等身支度がこれにあたります。5分とかからずにできる行動ですが、これだけで十分に脳を覚醒させることができるのです。
・時には休む
平日は欠かさず朝活を行っていますが、土曜日は2週間に1回程度にし、日曜日には休みをとっています。平日へ影響するので朝は6:30までに起床しますが、過ごし方は様々。そういった「オフの日」を作ることが、朝活を無理なく続ける秘訣ですよ。
*** 世界の企業のトップも取り入れているという朝活。早速明日から、実践してみてください。
(参考)
StudyHacker|朝活とは? メリットとおすすめのやり方を一挙紹介!
nem gym|眠気対策に有効なアレには、疲労回復効果もあるらしい!
ライフネット生命|ビジネスパーソンの朝活に関する調査
京都朝げいこ|[対談インタビュー] 脳科学者・茂木健一郎氏に聞く。
PHPOnline衆知|「朝に弱い」というあなた、すっきり目覚めて「朝活」しませんか?
a-supplement.net|交感神経と副交感神経の関係