朝活や勉強法などの新しい情報を得たとき、その瞬間は「取り入れてみたい」「試してみたい」と思うのに、実際に行動に移すことができない。そんな最初の一歩が踏み出せない人は少なくないのではないでしょうか。
やろうと思ったことをすぐに実行できたら、仕事もプライベートも今よりずっと充実するかもしれません。今回は、やろうと思ったことをすぐに取り入れる方法をご紹介します。
やろうと思ったことができない理由
「やってみたい」という気持ちがあるのにもかかわらず、どうして新しいことを行動に移すのは難しいのでしょうか。
メンタリストのDaiGo氏はそのことについて、「そもそも人は変化を恐れる生き物である」として、以下のように述べています。
ヒトにはそもそも、新規恐怖という新しいものを恐れる性質があります。 「失敗するかもしれない」 「いつものを選んでおけば安全だ」 という思考が頭をめぐり、あなたのチャレンジをあなたの本能が潰してしまうのです。
(引用元:メンタリストDaiGoの心理分析してみた|新しいことが怖くなくなる、チャレンジ癖のつけ方)
たしかに、なにか新しいことにチャレンジをするとき、緊張したり不安になったりすることは多いですよね。それもそのはず、人間の脳はもともと省エネにできているので、「本当にそれをやるのが好き」「それをやらなくては生きていけない」という状況でないと、なかなか新しいことを始められないのだそう。
新しい習慣を取り入れるコツ
ではどのようにしたら新しい習慣を取り入れることができるのでしょうか。
1. 気合いを入れない 脳科学者の茂木健一郎氏によれば、やろうと思ったことをすぐに行動に移せない原因は「行動を起こす前に、慎重に検討するから」だと言います。そんなときは、まず脳のブレーキを意図的に外して深く考えずに行動を起こしてしまうことです。
たとえば、朝のジョギングを習慣にしようと思っているのならば、「自分が何か特別なことをやっている」と考えるのではなく、「散歩でもしに行こうか」くらいの感覚で始めてみると案外うまくいくのだそうですよ。
2. スモールステップから始める また、新しい勉強を始める場合でも「最低でも30分はやらなければ」などと気合いを入れてしまうと習慣化が難しくなってしまいます。5分でも1分でも、勉強が進めば十分だと考えてみてはどうでしょう。30分や1時間単位でものごとを考えず、1分単位で考えることで、「3分で英単語を3つ覚えられた」など満足度が上がりますよ。
そして、習慣が定着するまでは「完璧でなくてもOK」だと自分自身に言い聞かせることも大切です。
3. ごほうびを用意する 新しい習慣を行うにあたって、何かしらのごほうびを用意するのもポイントです。行動科学マネジメントの第一人者である石田淳氏によると、ランニングをしたからといって、「痩せた」「健康になった」といったメリットをすぐに享受することはできないので、行動したことに対してのごほうびを用意するのがよいのだそう。
行動にごほうびというメリットがあることで、人はその行動を繰り返すようになり、それが習慣になるのです。
やろうと思ったことの取り入れ方
それでは実際に、やってみたいと思ったことをすぐに取り入れるにはどうしたらいいのかを見てみましょう。
1. 未来の自分をイメージしてみる なぜその習慣が必要なのかを考え、新しい習慣を身につけることで得られるものをイメージしてみましょう。資格を取るための勉強を始めるならば、資格を取得して活躍している自分の姿をイメージしてみてください。ダイエットであれば、思いどおりのスタイルになった自分を想像してみるのも効果的です。
2. 例外ルールを作る 毎日続けることはとても素晴らしいことですが、頑張りすぎは疲れてしまいます。ときには「早起きを休む日」や「今日は1ページだけテキストを勉強すれば終了!」など、例外ルールを作ることです。そうすることで、途中で挫折をしたり、頑張りすぎたりしてやる気が出なくなってしまうのを防げます。
3. 少し物足りないくらいでやめる 新しいことを始めたとき、最初は少し物足りないくらいのところでやめるのも、継続のコツです。「もう少しやりたい」と思うあたりで切り上げることで、「明日もやろう」「この続きをやるのが待ち遠しい」という気持ちになるのです。人間の心理をうまくついたコツと言えるでしょう。
4. スモールステップから始める 勉強であれば1分から、早起きであればいつもの起床時間の30分前から、ジョギングであれば1キロあるいは15分からなど、達成できそうな小さな目標から始めてみてください。ダイエットなども、いきなり「甘いもの断ち」をするのではなく、「甘いものは1日1回」などできることから始めてみることです。
*** 皆さんは、どんな新しい習慣を取り入れてみたいですか? 気負わずに小さなことから始めてみてくださいね。
(参考) メンタリストDaiGoの心理分析してみた|新しいことが怖くなくなる、チャレンジ癖のつけ方 bijodokusho|茂木健一郎が教える!後回しにしない「すぐやる脳」の鍛え方! ダ・ヴィンチニュース|ホリエモンも錦織圭選手も「脳」に共通点あり? “おっちょこちょい”こそ成功の秘訣! 坂戸健司著(2009),『「右脳」と「左脳」のメモ術』,PHP研究所. 岐阜心理カウンセリング|新しい習慣の作り方 ITmedia エグゼクティブ|習慣づくりに必要なのは「具体化」と「行動のコントロール」 古川武士著(2010),『「続ける」習慣』,日本実業出版社.