脳に「ゴミ」が溜まる3つの最悪習慣。今すぐ改善すべきは就寝前の “あの行動” だった。

カラダに老廃物が溜まると、さまざまな悪影響を及ぼすといいますが、実は脳も同じです。知らず知らずのうちに、せっせと「脳のゴミ」を溜めているかもしれませんよ。「脳にゴミが溜まる悪習慣」を3つご紹介します。

脳には「ゴミ」が溜まっていく

「脳のゴミ」とは「βアミロイド」のことです。「βアミロイド」が脳内に溜まることで認知症が発症するといわれています。

認知症は高齢者だけがなるもの、と思うかもしれませんが、20代の若者も無関係ではありません。2015年6月1日付で国際科学雑誌『BRAIN』に掲載されたノースウェスタン大学フェインバーグ医学院の研究によると、20歳の若者の脳にも「βアミロイド」が蓄積しているそうです。

認知症発症のメカニズム

慶應義塾大学医学部神経内科の伊東大介医師によると、認知症は以下のメカニズムで発症するそう。

  1. βアミロイドが脳内で分泌され、一定量に達する
  2. タウというタンパク質が溜まる
  3. 脳の神経細胞が破壊される

神経細胞が破壊されると、記憶をつかさどる脳の部位「海馬」の働きが低下します。そして学習に深い関係がある神経伝達物質「アセチルコリン」が減少してしまうとのことです。

どんなに若い人でも、「脳のゴミ」と呼ばれる「βアミロイド」を持っている様子。「βアミロイド」が一定以上蓄積されると、記憶や学習に悪影響が及びます。脳に「ゴミ」を溜めるような悪習慣を今すぐやめ、「βアミロイド」の蓄積を防ぎましょう!

脳にゴミが溜まる習慣1

脳にゴミが溜まる悪習慣1:質の悪い睡眠

睡眠の質が悪いと、脳に「ゴミ」が溜まりやすくなります。科学誌『Science』上に掲載された、米ロチェスター大学メディカル・センターの研究によると体の老廃物は「リンパ系システム」が処理するように、脳の老廃物を処理する「グリンパティックシステム」があるそう

脳内には「神経細胞」や「グリア細胞」などが存在しており、あいだに「脳脊髄液」が流れています。そして睡眠中はグリア細胞が縮んで隙間ができることにより、リンパ液のように老廃物を回収した脳脊髄液が脳外へと流れ出るのだとか。つまり、睡眠が不足していると、老廃物が脳から排出されないというわけです。

上記の研究は、人間ではなくマウスによるもの。しかし、睡眠の質が低いほど「βアミロイド」の蓄積が多いという傾向は、ほかの研究でも確認されているそうです。

脳にゴミが溜まる習慣2

質のよい睡眠を得るコツ

とはいえ、睡眠時間が長ければ長いほどよいというわけではありません。「寝過ぎ」が認知症のリスクを高めるという調査データもあるそうです。『脳が若返る快眠の技術』の著者で快眠セラピストの三橋美穂さんによれば、年齢によって適切な睡眠時間があるとのこと。

「適切な睡眠時間」の目安は以下のとおりです。布団に入ってから入眠するまでの時間と、朝目が覚めてから実際に起き上がるまでの時間を考慮すると、前後に合わせて30分加えるのがよいそう。

  • 25歳:7時間(+30分)
  • 45歳:6時間30分(+30分)
  • 65歳:6時間(+30分)

とはいえ、上記の「適切な睡眠時間」を確保しようと意気込み、全く眠くないのに布団に入って「寝なければ」と意識しすぎると、かえって眠れなくなってしまうそう。最初は「少し遅寝・早起き」にして睡眠を「圧縮」するのがよいそうです。早く起きた日の夜は、眠気に襲われるのも早くなり、ぐっすい眠れるはずですよ。

脳にゴミが溜まる悪習慣2:糖質過多

甘い食べ物や飲み物ばかり口にするのも、脳に「ゴミ」が溜まりやすい悪習慣のひとつです。九州大学が15年間にわたって追跡調査した結果、糖尿病患者のアルツハイマー病発症率は、糖尿病でない人の2倍にのぼることがわかりました。

血糖値が高くなったときは通常、すい臓から「インスリン」というホルモンが放出され、血糖値が下がります。しかし、過度に血糖値を上げる飲食を繰り返していると、インスリンが効かなくなってしまうのだとか。インスリンが効かなくなった状態を「インスリン抵抗性」と呼びます。

インスリン抵抗性が続くと、血糖を下げるためにより多くのインスリンが必要とされます。そして分泌されたインスリンはインスリン分解酵素によって分解されるため、インスリン抵抗性だと、より多くのインスリン分解酵素が消費されるのです。

インスリン分解酵素の役割は、インスリンを分解するだけではありません。「βアミロイド」を分解する役割もあるのです。つまり、インスリン抵抗性によってインスリンが増えると、インスリンの分解に酵素が消費されてしまい、βアミロイドが分解されず残ってしまうというわけです。そのため、脳に「ゴミ」を溜めないためには、血糖値を上げるような飲食は控えるべきなのです。

脳にゴミが溜まる習慣3

血糖値を急上昇させないコツ

AGE牧田クリニック院長で糖尿病専門医の牧田善二氏は、特に甘い飲み物の摂取に注意を呼びかけています。消化に時間がかからず、すぐ血糖値が急激に上昇してしまうからです。糖質が多い白米や白いパンも、血糖値を上げやすいそう。そのため、甘い飲み物や白米・白パンの摂取は、ほどほどの量に抑えるべきなのです。

とはいえ、ジュースや白米が大好きで、控えるのは辛いという人は少なくないでしょう。それには理由があるのです。

飲食によって血糖値が急激に上昇すると、セロトニンやドーパミンといった脳内物質が分泌され、気分がよくなります。一方、血糖値が急上昇したあとはインスリンが大量に放出されて血糖値が急降下するので、今度は低血糖の状態を不快に感じます。不快な状態から脱するため、再び糖質を欲するようになるのだとか。

上で紹介した状態は、気持ちよくなりたいために糖質を求めつづける「糖質中毒」です。糖質中毒になれば、インスリン抵抗性が増大し、脳のゴミがどんどん溜まってしまうのは目に見えています。糖質中毒に陥らないよう、以下のことに気をつけるのが大切です。

  • 甘い清涼飲料水や果物ジュースを常飲しない
  • 特に空腹状態では甘い清涼飲料水・果物ジュースを避ける。(吸収されやすいため)
  • 食物繊維や栄養成分が豊富な玄米や全粒粉のパンを選ぶ
  • 「野菜→タンパク質→炭水化物」の順番で食べる
  • いろいろな野菜・海藻・キノコを積極的に食べる
  • 炭水化物(米・パン・麺)を食べすぎない
  • スイーツや果物は朝食後に食べる。就寝前はNG

脳にゴミが溜まる悪習慣3:間違った歯磨き

「脳のゴミ」とされる「βアミロイド」は、歯周病と関係があるようです。日本歯科大学生命歯学部歯周病学講座の沼部幸博教授は、歯周病の毒素が血管を通じて脳内に到達し、「βアミロイド」を増加させているのではと考えているそう。

また、スウェーデンのカロリンスカ研究所が2018年に発表した研究では、認知機能が低下している人、あるいはアルツハイマー病の人は、認知機能が通常の人と比べ、歯周病の「兆候率」が5倍以上でした。さらに、国立長寿医療研究センターや名古屋市立大学などの研究グループは2018年、歯周病菌の毒素がアルツハイマー病の原因とされる「βアミロイド」を増やすことをマウスの実験で解明しました。つまり、「βアミロイド」を溜めないためには、歯周病にならないよう注意する必要があるのです。

「毎日歯磨きをしているから歯周病になんてならない!」と思うかもしれませんが、沼部教授によれば、歯磨きの方法が正しくないと、歯周病を防ぐ意味がないどころか逆効果になるのだそう。しかも、間違った方法での歯みがきは、歯周病だけでなく糖尿病のリスクも上昇させるのだとか。歯周病菌が歯茎に侵入すると「炎症物質」が生まれ、インスリンの働きが妨げられて血糖値が下がりにくくなるからです。「炎症」そのものが、「βアミロイド」が脳に蓄積する原因だともいわれています。

脳にゴミが溜まる習慣4

正しい歯磨きのコツ

歯周病を防ぐため、そして脳内に「βアミロイド」を溜めないため、今の「間違った歯磨き」から、「脳のゴミを溜めない正しい歯磨き」に変えましょう。正しい歯磨きとは、「磨き残しがない」「歯と歯茎を傷つけない」歯磨きです。

  1. 歯ブラシはグーで握らず×→ペンのように握る〇
  2. 歯磨き粉をたくさんつけず×→少しだけつける〇
  3. 前歯から磨かず×→奥歯から磨く〇
  4. 毛先は真横からあてず×→歯と歯ぐきの境目に45度の角度であてる〇
  5. シャカシャカ磨かず×→静かに磨く〇
  6. ハブラシは大きく動かさず×→小刻みに動かす〇
  7. 強い力で行わず×→軽い力で行う〇

***
「脳のゴミ」である「βアミロイド」が増えつづけると、あなたの脳細胞は壊れてしまいます。「質の悪い睡眠」「糖質過多」「間違った歯磨き」という脅威を取り除き、「脳のゴミ」を毎日きれいに捨てましょうね!

(参考)
Time|Alzheimer's in Young Brains: Evidence of Disease Begins in Young Brain
Oxford AcademicNeuronal amyloid-β accumulation within cholinergic basal forebrain in ageing and Alzheimer’s disease
NIKKEI STYLE|認知症の原因は脳のゴミ 40代なら知るべき基礎知識
NIKKEI STYLE|睡眠不足に注意! 脳の老廃物掃除は夜勤体制
神経科学学会|【神経科学トピックス】アセチルコリンを引き金として海馬シナプスに多様性が生じ、学習が成立する
新刊JP|睡眠不足で脳にゴミがたまる!? 脳が若返る睡眠のひけつ
ブルーバックス|40代に告ぐ!医師がすすめる「アルツハイマー治療」の秘策
東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部|「糖尿病と認知症(アルツハイマー病)」
東洋経済オンライン|最先端の医学では「白米は体に悪い」が常識だ
東洋経済オンライン | アルツハイマー病は治療によって回復可能だ
NEWSポストセブン|まさか… 糖尿病、認知症など重大疾患の鍵は「歯みがき」に
朝日新聞デジタル|歯周病で認知症悪化、仕組みを解明 脳の「ゴミ」増やす
Study Hacker|「睡眠」と「歯磨き」が効果的! “脳のゴミ” を増やさない生活を。
牧田善二(2017),『医者が教える食事術 最強の教科書』, ダイヤモンド社.

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