あなたの思考、固まってない? 思考の自由度をあげる「読書の力」

みなさんは、小説を読んでいますか?

小説というと、推理小説や恋愛小説、SF小説など種類は多岐にわたりますが、どれを読むにしても時間がなくて読んでいない、という人も多いのではないでしょうか。忙しい生活の中で、日常の悩みを解決するヒントを求めて、コンパクトに要点がまとまった自己啓発書やビジネス書に手が伸びることもあると思います。

確かに、小説には架空の世界を味わう娯楽としての側面が強く、自らの能力を上げたいと考えている人にとって小説を読むことは優先順位の低いことかもしれません。

しかし、小説は娯楽に過ぎないと決めつけてしまうのはあまりにもったいないこと。なぜなら、近年の研究によって、小説を読むことで期待できるうれしい効果が次々と明らかになっているからです。

今回は、娯楽だけにとどまらない小説を読むことの魅力についてお伝えしていきたいと思います。

共感力が向上する

会話の中で相手に共感して、適切な言葉をかけてあげられる人は周りから信頼されますよね。共感力とは、他人の意見や感情を受け入れる力だと一般には考えられています。

しかし、自分が相手の言葉に対してどう思うかでなく、相手が自分のことをどう思っているかが共感能力について論じる上で重要なんだとか。日本コミュニケーション協会の椎名規夫さんは、下記のようにおっしゃっています。

共感能力とは、こちら側が相手の気持ちに共感することではありません。相手から「この人だったらわかってくれる」「この人だったら信頼できる」と感じてもらうことです。

(引用元:しごとのみらい|コミュニケーション能力における「共感力」の本当の意味

信頼関係を築く上で必須となる共感能力ですが、相手に本当に信頼してもらうためには自分にも似たような経験がないと難しい部分がありますよね。また、椎名さんはこうもおっしゃっています。

どんなに相手の気持ちを感じ取ることができたとしても、同じ体験をしていない限り「あなたの気持ちがわかります」という言葉は、安易に使わないことをお勧めします。

(引用元:しごとのみらい|コミュニケーション能力における「共感力」の本当の意味

つまり、共感するには自分に豊富な経験の引き出しがないといけないということになります。この豊富な経験を蓄積する上で小説を読むことが有効なのです。

小説を読む際、作中の詳細な描写や隠喩を解読するべく頭の中にイメージを作っていきます。その時、現実で同じことが起こった場合に活性化する脳の部位と同じ部位が活性化されるのです。

小説の巧みな文章表現は、脳が作り出した心象によって私たちの頭の中でみずみずしく再現され、登場人物の内面に入り込むことを容易にしています。つまり、小説を読むことは実体験と同等のリアリティを持ちうるため、自らの価値観や視野を広げるのに役立ち、結果として、多様な人々と打ち解けあうきっかけにつながるのです。

記憶力が向上する

これまで、StudyHakerでも読書をすることで得られるメリットをお伝えしてきました。

・文章力や語彙力がアップする ・知識がつく ・アイデアが生まれやすくなる ・脳が活性化する ・ストレス解消になる

(引用元:StudyHaker|読書量は “記録” で増加する! 積ん読を防ぎ、知識を吸収できる『読書記録』の続け方。

数ある種類の本の中でも小説というのは、物語の内容を理解するために登場人物の名前や物語の設定、背景などの複雑な情報を系統立てて把握することが求められます。

それらの新しい情報を脳が記憶しようとする時、神経細胞間にシナプスと呼ばれる接合部位が新たに形成され、既存のシナプスの働きもまた強化されるのです。こうしてシナプスが発達されることで、脳内の情報を円滑に処理できるようになり、これが記憶力のトレーニングとなります。

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思考の自由度が向上する

小説を読むことが「曖昧さ」や「不確実性」に対する耐性に及ぼす効果を調べた興味深い実験があります。

まず、2つのグループを作り、片方のグループには短編小説を8編、もう片方のグループにはエッセイを8編読ませます。小説にしてもエッセイにしても著名な作家によって書かれた作品を採用して、質に大きな差がでないようにしておきます。

その後、「不確実な状況は嫌いだ」、「様々な答え方ができる質問は嫌いだ」などの考えに対して、賛成か反対かを質問したところ、小説を読んだグループの方がエッセイを読んだグループよりも不確実性や曖昧さに対する耐性が高いことが確かめられたのです。

研究者によると、小説を読む際、主人公が自分とは全く違う性格の持ち主だったとしても、無意識的に受け入れて、その考えや視点を通して作品世界を眺めることが関係しているのではないかとのこと。

これが自分には持ちあわせていない物事への見方に気づくきっかけを与えてくれるため、多様な答え方のありうる質問に対しての苦手意識を薄れさせてくれるのかもしれませんね。

普段は小説を読まないという方も、これを機にぜひ読んでみませんか?

(参考) 椎名規夫(2011),『の力』,明日香出版社 Study Haker|読書量は “記録” で増加する! 積ん読を防ぎ、知識を吸収できる『読書記録』の続け方。 TIME|Reading Literature Makes Us Smarter and Nicer Men’s HOLOS|読書は脳のエクササイズ!本を読むことで得られる3つのメリット SALON|Study:Reading novels makes us better thinkers しごとのみらい|コミュニケーション能力における「共感力」の本当の意味

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