現代を生き抜くために必要な「面白がる力」を身につける方法

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有名な高杉晋作の辞世の句で、「おもしろき こともなき世を おもしろく」というのがあります。 皆さんには「面白がる力」はありますか? 解答はないし、前提そのものが変わる現代では、まず主体的に面白がるマインドセットと、不可能や前例に諦めない鈍感力が必要です。マッキンゼーOBで今は、イオンの専務である山梨広一氏は、「面白がる思考」の大切さを説いています。 今回は、マニュアル通りの回答を覚えるだけでは対応できない現代で、未知の問題を乗り越えるために大切な、「面白がる力」について説明します。

 

プロボカティブ・シンキング

 

山梨氏は新しい問題に遭遇したとき、まず自分が率先して「面白がる人」になることが必要だと説きます。このような思考を「プロボカティブ・シンキング」と言いますが、山梨氏はこのように説明しています。

最初に「できる」と思わなければ何事も絶対に不可能だ。ろくに検証もせずにできないと決めてかかることは、思考停止と同義語だ。新しいものはできると思う「プロボカティブ」な発想からスタートするのだ。

引用 「「プロボカティブ・シンキング(面白がる思考)」山梨広一著 東洋経済

山梨氏によると、不足の事態が起こった時に、コンサルタントの中にも面白がってアドレナリンがでる人と出ない人に分かれるそうです。本人が面白がれるかどうかでその後の対処法も異なってくるでしょう。この「面白がる力」は生まれ持った能力と思われがちですが、そんなことはありません。これは磨くことができるのです。

 

面白がる力を身につける方法

 

プロヴォカティブ(provocative)は「可能性を信じ、可能性を広げる」という意味で、様々なトレーニングにより誰でも必ずできるようになるそうです。それではこの思考はどうしたら身につけられるのでしょうか。

まず無理だと思われる目標を設定して、情報を多面的に捉えながら目標達成の方策をいくつも考え出してみましょう。その課題の本質や、それを解釈するための方策の方向性などについて、何通りもの解釈を試みるのです。 世の中や業界のセオリー通りでは終わらせず、いまはできないことでも「足りない能力は埋めていけばいい」という発想でプランを練っていきます。これを繰り返すことで視野が広がり、実際に可能性も広がっていきます。

 

面白がる力の影響

 

面白がる力は、自分の知らないことを学び、「まずはやってみよう」という行動の原動力になります。さらに勉強意欲や好奇心を生み、今まで漫然と見過ごしていた中からも何かを得ようとアンテナを張るようになります。 一方面白がる力がなくなると、目の前の課題以外に興味がなくなり、なにごとも決まりきったルーティーンでやりすごすようになります。面白がる力に必要なのは創造力と頭の柔らかさです。固定観念をなくしたり、様々な角度から物事を見る訓練をすれば頭も柔らかくなりますよね。

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面白がる力に必要なマインドセット

 

では、面白がる力を身につけるにはどうすれば良いのでしょう。まずは、未知なことに遭遇しても「無理だ」と思って諦めてしまわないマインドセットがまず必要です。

「これは無理だ。なぜなら○○だから」という発想と、「たぶん、できるはずだ。でもそのためには何と何をしなければいけない」という発想は、結果的に天と地ほどの違いがあります。最初に口をついて出てくるのが「無理だ」「難しい」「バカバカしい」が口癖のようになっている人は、もう最高に面白くない人だ。

引用 「「プロボカティブ・シンキング(面白がる思考)」山梨広一著 東洋経済

アイデアが出尽くしたかのように見える現代では、「できない、無理だ」と思っていることを可能にするところからしか、新しいものは生まれません。面白がれる人間、つまり成功する人になるには、まず最初に「できる」と言ってから、前提条件を因数分解し、理由や意味合いを多面的に考えていくことが大切です。

あの有名な実業家の稲盛和夫氏も、困難な事業に立ち向かうには、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」すべきと説いています。 構想を練る段階では可能性を引き出せるように楽観的になり、計画を立てる段階ではリスクを想定し、細心の注意を払って厳密にプランを練る。そして実行する段階では、思い切って行動するのがよい、ということです。

新しいことを成し遂げられる人は、可能性を信じることが出来る人です。自ら信じることで生まれた光が見えているから、追い続けることができるのです。 *** いかがですか? 新しいことにチャレンジする時、自分の幅を広げる時、「面白がれる力」が必要です。自分の身の回りのことからでも異なる体験や着眼点を増やして、「面白がる力」を身につけてください。

【参考資料】 「プロボカティブ・シンキング(面白がる思考)」山梨広一著 東洋経済 高学歴と低学歴をわける「好奇心」は、個人の資質ではなく「文化資本」


東京大学文学部心理学科卒、サンダーバード大学MBA。国連やインテルなどグローバル企業で24年間勤務して、今年6月よりフリー。自己啓発書オタクで、学生時代からの35年間で千冊以上を読破。今も分析を続ける。グローバル変化の時代には学歴よりも学習歴が大事であることを実感。つくば在住。

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