「録音勉強法」をやってみたら、1週間で500分の “スキマ時間” を暗記に使えた話。

「勉強する時間がなくて困っている」
「なんとかして勉強時間を作り出せないものだろうか」
毎日の忙しさに追われている方であれば、このように思ってしまうことも多いのではないでしょうか。

そこで今回ご紹介するのは、ちょっとしたスキマ時間でも取り組める「録音勉強法」です。やり方はいたってシンプルで、教科書を目で読むのではなく、教科書の文章を録音した音声を耳で聞いていくだけ。

筆者も実際に試してみましたが、実に様々なメリットを感じることができました。以下で詳しく見ていきましょう。

「時間がない」は本当?

そもそも「勉強する時間がない」というのは本当でしょうか。多くの人が思う「時間がない」は、正確には「机の前に座る時間がない」「教科書を持って読む時間がない」といったところではないでしょうか。

でも、通勤通学の時間や、自宅で筋トレをしている時間、犬の散歩をしている時間など、“頭を使っていない時間” を考えてみると、意外と多いもの。こういった時間を活用すれば、勉強時間をうまく捻出できそうに思いませんか?

そうです。体を動かしていてもできる。手がふさがっていてもできる。混雑した電車内など物理的に教科書を広げられない場所でもできる。そのような意味で、まさに耳を使った勉強は優れものなのです。

「録音勉強法」をやってみた

「耳で使う勉強」というと、CD教材や海外のラジオ音声などを使った「英語リスニング」をまっさきに思い浮かべる人も多いかもしれませんね。

しかしこの録音勉強法が優れているのは、たとえ音源がなかったとしても自分で教科書の文章を録音さえしてしまえば、法律や経済や化学など好きな科目を勉強できるという点です。特に、覚えることが多い暗記中心の科目であれば、少しでも多くの時間を暗記に使いたいものですよね。実際に筆者は、この録音勉強法を心理学の学習に充てました。

また録音するにも、ひと昔前はボイスレコーダーをわざわざ用意する必要がありましたが、今はスマートフォンのアプリを活用すれば無料でできてしまいます。筆者が使ったアプリは「ディクタフォン」というもの。このアプリは120円の課金で録音ファイルのフォルダ分けもできるようになるので、科目などを分類したいときに非常に便利です。

実践の手順としては、

  1. 毎朝、心理学の教科書1ページぶんを5分で読みあげて録音する
  2. それを通学中の電車の中でヘッドフォンをつけて聞く

これだけです。ちなみに筆者の通学時間は片道で50分なので、1日の往復では100分となり、5分の音声ならば20回聞けることになります。

この勉強法を、試験前に1ケ月間ほど実際にやってみました。その効果を書いていきましょう。

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やってみてわかった、録音勉強法の効果

1. いやでも覚えられる

いわゆるオーソドックスなスタイルの学習の場合は、自分で能動的に文章を目で追ったりページをめくったりしなければならないのに対し、この録音勉強法では音声が勝手に流れていくので、たとえ飽きそうになったとしても途中で脱落してしまう心配があまりありません。つまり、(いい意味で)半ば強制的に音声を何度も聞くことになるのです。耳に意識を向けてさえいれば、いやでも覚えることができました。

2. 自宅で暗記に費やす時間が減った

筆者の場合、この録音勉強法を行なえば、1日に50分、月曜日から金曜日の1週間では500分(=8時間超)を暗記だけに費やすことになります。わざわざ自宅で暗記のためのまとまった時間を確保する必要がなくなったため、その時間をほかの勉強に充てることができるようになりました。

3. スキマ時間を有効活用できる

繰り返しになりますが、普段はぼーっとしがちな通学時間を活用できることも大きな魅力でした。目に入ってくる風景や聞こえてくる音は、毎日同じ通勤通学コースを使っている限り、あまり変わらないもの。この時間を自己投資に使わない手はありませんよね。

しかし実際にやってみて、困ったことがひとつ出てきました。それは、この録音勉強法では、物理学の数式や会計学の表など、言葉で表しづらいものは勉強しにくいという点です。この問題については、悩んだ末にひとつのアイデアを思いついたので、最後に共有いたします。

録画機能を使って「自分授業」を作ろう

録音ではなく、スマートフォンの録画機能を使って映像化してしまいましょう。つまり、教科書を画面に映したうえで、ペンなどを使って教科書を指し示しながらカメラに対して授業を行なうのです。

電車に乗っているときにそれを観れば、録音だけではわからない数式や表といった部分もスムーズに理解することができるのではないでしょうか。近年流行りのWeb授業を自分専用に作ってしまうのです。

「耳」のほかに「目」も使う必要があるので、スマートフォンを手に持っていなければいけないという点ではどこでもできる勉強法ではありませんが、重い本を持ち歩くのと違い、気軽な気持ちで自分好みの授業を受けられるのでおすすめです。勉強仲間で映像をシェアすれば、ほかの人の授業も観られるうえにモチベーションも上がるのではないでしょうか。

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筆者の場合は録音時間は5分でしたが、人によってはもう少し長い時間でもいいかもしれませんね。「勉強する時間がない」という人は、ぜひ「耳」からのインプットに着目して、この録音勉強法を試してみてください。

(参考)
小山龍介 著 (2008),『STUDY HACKS!』, 東洋経済新報社.
ブライアン・トレーシー 著, 片山奈緒美 (訳) (2002),『フォーカル・ポイント―仕事の「その一点」に気づく人、気づかない人』, 主婦の友社.
古川武士 著 (2010),『30日で人生を変える 「続ける」習慣』, 日本実業出版社.

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