一流の人は心が強い。レジリエンス「折れない心」の作り方

社会に出て仕事をしていると、なかなか自分の思い通りにはならないことがありますよね。ミスをしてしまって上司に叱られたり、商談や営業がうまくいかず成績が伸びなかったり……。そういったつらい経験が繰り返されて、仕事に対する自信を失ってしまったことのある人はいませんか?

自信がなくなって心が折れてしまった状態では、何のやる気もおこりませんよね。そうならないためには、「折れない心」を作ることが重要。今回は、自信をなくしてしまわないための折れない心の作り方をお送りしていきます。

「心が折れる」とは?

そもそも心が折れるとはどういうことなのでしょうか。思い返したくないことかもしれませんが、あなたが「しんどい、つらい」と思ったときのことを思い浮かべてみてください。心が折れている状態とは、「もうだめだとあきらめてしまった状態」「心の支えがなくなり意欲を失ってしまった状態」「プラス思考ができなくなった状態」「思考が停止してなにもできなくなってしまった心の状態」のことを指します。そういった状態に陥ると、いろいろなことに対して尻込みをしがちになってしまうのです。

また、今はまだ心が折れていなくとも、ストレス過多の緊張状態が続いてしまうと、心はだんだんと折れやすくなっていきます。その状態では自律神経が乱れ、体調も崩しやすくなります。それに加え、人の脳はネガティブな情報ほど残りやすいという傾向があるため、余計にネガティブな思考になってしまうのです。

そこで、ネガティブな情報をはねのけられるような折れない心を作るために身につけていきたいのが「レジリエンス」です。ポジティブ心理学の教育に取り組んでいるポジティブサイコロジースクールの代表である久世浩司氏は、レジリエンスについて以下のように述べています。

「逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス」と定義される、いわば「逆境力」と言える力です。

(引用元:東洋経済ONLINE|激務でも心が折れない人が持つ「3つの習慣」

レジリエンスを身につける目的は「絶対に負けないぞ」といった固い心を作るためではありません。つらい状況に立ったときでも「適応していくぞ」と柔軟に対応できるような、柔らかくも折れない心を作るためです。レジリエンスを身につけて、前向きに、不安に負けないでしなやかにこなすことのできる心を作っていきましょう。

折れる人・折れない人

レジリエンスの身につけ方を考える前に、まず心が折れる人・折れない人の違いを考えてみましょう。埼玉学園大学の小玉正博教授の実験では、けん玉初心者に困難な課題を与え、すぐにあきらめてしまう(=心が折れやすい)人たちに共通していることを観察しました。結果、共通点は以下の2つ。

・感情の起伏が激しい人 ・課題に対して最初から無理だと決めつける人・自分の力を過小評価する人

感情の起伏が激しい人は、1つ1つの結果に対して反応し一喜一憂するため、感情が穏やかな人に比べてより多くのエネルギーを消費してしまいます。また、自分の力を過小評価していると、たとえ成功体験があったとしても自信がつきません。この結果から、自分の感情をコントロールすること、そして自分を卑下しすぎない自尊感情を持つことが大切だとわかりますね。

では逆に、あきらめなかった人たちにはどのような特徴があったのでしょうか。

・失敗を繰り返す中でも、少しずつ成長していると感じている人 ・いつかできるだろうという楽観的な気持ちを持つ人

つまり、「やり遂げられる」という自信や、自分の成長を実感できる自己効力感、達成するまでの過程を耐えきれるほどのストレス耐性、失敗を恐れない楽観的な考え方などを持っている人たちは心が折れにくいということです。また、心が折れにくい人は仕事で行き詰ったときもすぐに気持ちを切り替えられるため、先の見通しが立ちづらいような仕事も自ら引き受けることができます。そのような人が身近にいると、安心できますよね。心が折れにくい人は、仕事のミスを引きずらないで楽しく生きられるだけでなく、周りの人からも信頼されるのです。

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レジリエンスを身につける3つの習慣

さっそく、折れない心を作っていきましょう。久世氏の著書『なぜ、一流の人は不安でも強気でいられるのか?』によると、レジリエンスを身につけていくには、次の3つの習慣の積み重ねが大切なのだそうです。

1. ネガティブ連鎖をその日のうちに断ち切る習慣 2. 気持ちの立ち直りを加速させる精神的な筋肉「レジリエンス・マッスル」を鍛える習慣 3. 多忙な毎日のなかで時折立ち止まり、振り返りの時間を持つ習慣

それぞれどういった内容で、具体的にどう取り組めばいいのか、1つずつ見ていきましょう。

1. ネガティブ連鎖をその日のうちに断ち切る習慣 折れない心を作るためには、ネガティブな感情を翌日に持ち越してはいけません。なぜなら、活力に満ちた一日をおくれるかどうかは朝の目覚めの質にかかっているためです。たとえ仕事で失敗してしまったとしても、その日のうちに気持ちをリセットして、翌日のために安眠・熟睡体制を確保すれば、落ち込み続けることなく気持ちのいい朝を迎えることができます。

ですが、寝る前にあれこれ考えてしまって眠れなくなることもありますよね。そんなときは「マインドフルネス呼吸法」を活用しましょう。これはアリゾナ大学医学校のアンドリュー・ウェイル診療教授が考案したもので、次の3ステップを3回繰り返すことによってリラックスして眠りに就けるようにする呼吸法です。

【1】口を閉じ、4つ数えながら鼻から息を吸い込む 【2】7つ数えながら息をとめる 【3】その後8つ数えながら口から息を吐ききる

これを行うと、気持ちが静まりよく眠れるようになります。実際にこの呼吸法を行ったグループとそうでないグループを比較したところ、行ったグループのほうは不眠・欝・疲労感が改善したという結果が出たのだとか。悩みを長期的に引きずってしまう方や夜考え事をして眠れなくなってしまうことの多い方は、ぜひ試してみてくださいね。

2. 気持ちの立ち直りを加速させる精神的な筋肉「レジリエンス・マッスル」を鍛える習慣 どんな人も落ち込むことが全くないわけではありません。心が折れない人は、落ち込まないのではなく、落ち込んだ状態から立ち直るのが早いのです。つまり、折れない心を作るには、仕事でつらいことがあったときにも早く立ち直れるようになる必要があります。

では、心が折れない人はどのようなステップを踏んで立ち直っているのでしょうか。立ち直るステップは、まず自分のつらい・悲しい気持ちを受け入れることから始まります。次に、誰かに話す・紙に書くなどして、自分の思考を整理するという段階を踏みましょう。また、泣くという行為も立ち直る上で有効です。泣いた後はスッキリするといいますが、これは脳内でエンドルフィンという物質が分泌されるためです。エンドルフィンには多幸感をもたらす作用があるとされており、気持ちが楽になって整理しやすくなります。

3. 多忙な毎日のなかで時折立ち止まり、振り返りの時間を持つ習慣 定期的に自分のつらかったことを振り返って、「なぜ、どのように自分は立ち直ったのか」ということを再確認し、自分の強みにしていきます。これも、2と同じように紙に書き出してみるとよいでしょう。「いつ・どこで・誰と関わり・何の出来事が・なぜつらかったか」を思い返し、それに対して「どのように」立ち直ったかという、5W1Hを意識すると書きやすいかと思います。そのつらい経験はどんな意味があったのか、そこから自分がどんな教訓を得たのかをはっきりさせることが大切です。

この3つの習慣を日常的に意識して少しずつレジリエンスを身につけることで、心は折れにくくなっていきますよ。

心が折れそうなときは

とはいえ、どうしても心が折れそうになる瞬間はありますよね。そんなときの対処法を3つ紹介します。

・人と話す ストレスや悩みに耐え切れないというときは、親しい人や信頼できる人に相談してみましょう。口に出すことですっきりしますし、アドバイスなどももらえるはずです。

・運動をする 適度な運動はストレス発散になります。また、一定時間全力で走って少し休憩を挟んだのち再び全力で走るという「インターバルトレーニング」を行うと、自己効力感も養われるのだそう。

・食事のとり方を変える 食事と食事の間隔が空きすぎると、血中のブドウ糖の量が少なくなります。実はこのブドウ糖、不足すると感情の起伏が激しくなってしまい、集中力低下の原因に。そのため、食事の回数を増やし、ブドウ糖の量を安定させることが大切。軽くお菓子をつまむなどこまめな補給をして、感情をコントロールする力を高めましょう。

*** 折れない心を作るための、レジリエンスの身につけ方をご紹介しました。3つの習慣をうまく生活に取り入れて、心の折れにくい人になりましょう。そうすれば、失敗を恐れずに新しい仕事にも果敢に挑戦でき、自分に自信を持つことができますよ。

(参考) 東洋経済Online|激務でも心が折れない人が持つ「3つの習慣」 東洋経済Online|一流とは「不安でも強気でいられる人」だった クローズアップ現代|“折れない心”の育て方 ~「レジリエンス」を知っていますか?~ wikipedia|レジリエンス 看護師の知恵袋|1分で眠れると話題の478呼吸法!夜眠れないときは瞑想が効く!

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