皆さんはどんな方法で暗記していますか? 「書く」「読む」「音読する」など、暗記法ってたくさんありますよね。ですが、暗記はどうしても単純作業の繰り返しになりやすいと思います。単純作業の連続はどうしても疲れてしまいますよね。
この時、リズムに乗って暗記すれば疲れを軽減することができるんです。今回はそんなリズムと暗記について紹介します。
リズムは反復作業になくてはならないもの
リズムについて私たちは気にしていないようでいて、意外と気にしています。
「なくようぐいす平安京」
これは私が「平安京遷都の年号を覚えられるように」と教えられた語呂合わせです。この語呂合わせ、事実関係に即して言うと、「794年に平安京へ遷都した」となりますよね。ですが、前者のほうが繰り返すのが圧倒的に楽だと思います。また、2かける1は2、2かける2は4と言って繰り返すよりも、「にいちがに」、「ににんがし」と言ってテンポよく言ったほうが繰り返しやすいかと思います。
何かを暗記するとき、私たちは書くにしても読むにしても、何度も繰り返して覚えます。この時、先ほどのように「2かける2は4」とリズム感もなく言っていたら、私のように滑舌の悪い人間は何度も噛んでしまうし、繰り返すのが嫌になるかと思います。そうなれば覚えられるまで繰り返し何度も読むことなどできないです。そこで生まれたのが「にいちがに、ににんがし」という九九やゴロ合わせ。これがまさに、今回お伝えしたい「リズム」です。
脳科学的にも、リズムは反復作業に有効
実は脳科学の面からもリズムを刻むことで反復作業がしやすくなることがわかっています。 リズムに乗りながら音読したり手を動かしたりすることで、私たちの脳にはセロトニンという物質が分泌されます。セロトニンには私たちをリラックスさせ、また集中しやすくしてくれる効果があります。そのため、暗記のための退屈な反復作業が「リズムを刻む」ことによってすっと頭に入るだけではなく、集中して行うことができるようになるのです。
メトロノームを利用しよう
このように、リズムを刻むことで反復が行いやすくなり、暗記しやすくなります。仏教ではリズムを長いお経を覚えるのに利用しています。利用しているのは、お経の間ずっとリズムよく叩かれている木魚です。お坊さんたちは木魚で脳にリズムを与えてお経を覚えたりしているそうです。木魚のように外から私たちをリードしてくれるリズムがあることで、私たちは楽に記憶をすることができるのです。
今回は、木魚の代わりにメトロノームを使う方法を紹介します。
メトロノームは一定のリズムをずっと刻んでくれる機械で、スマホのアプリとしても入手可能です。 使い方はいたって単純。メトロノームのリズムに合わせて暗唱したり、紙に書き込んだりするだけです。
メトロノームを利用した集中法は色々と研究されていて、「116のテンポ」が脳波と共鳴し、α2波が出やすくなるようです。α2波が出た結果、脳が集中状態になり、作業効率がアップする、というわけです。ただ、全ての人がこのテンポが良いとは限りません。テンポは自由に設定できるため、集中しやすいテンポにしましょう。
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いかがででしょうか。リズムは日常生活で全く意識することがないかもしれません。しかし、人間とリズムの間には大きな関係があります。リズムを利用して生活してみてはいかがでしょうか。
参考サイト 脳と心のからくり「脳の『メトロノーム暗記』」 川村明宏のジニアス記憶術-本当の効果と内容の評価-「リズムがもたらす脳への刺激-ジニアス記憶術の有効活用-」 発達障害だけど、片付けたい「メトロノームで作業に集中」 教習所 指導員のブログ「集中力とα2波とメトロノーム」