ライバルというとどんなイメージがありますか? やはり、漫画や小説などで出てくる強敵のイメージでしょうか。漫画ではそんなライバルと競争することによって主人公が大きく成長したりしますよね。 実は現実世界でもライバルは私たちを大きく成長させてくれるのです。 今回は、そんなライバルについて紹介します。
ライバルが自分を高めてくれる
ライバルとの切磋琢磨の中で成長していった人たちはたくさんいます。ライバル関係といえば、スポーツの分野ですが、浅田真央選手とキム・ヨナ選手が有名です。浅田選手は、
ジュニア時代から同じアジア人として多くのファンたちの注目を浴びたが、そうした点で私が成長できる部分もあった。
引用元(中央日報|<フィギュア>浅田真央「キム・ヨナ、友だちのような関係」)
と述べており、やはりライバルと称される人の存在は大きかったようです。 また、歴史上の人物としては司馬遼太郎さんの著書にもある項羽と劉邦が有名ですね。競い合ったのちに、劉邦が建てた前漢は約200年続く大帝国になったのですからやはり、ライバルの力は大きいようです。
ライバルはやる気・集中力・判断力を高める
なぜライバルとの競争は私たちを成長させてくれるのか。それには「テストステロン」という脳内ホルモンがかかわっています。
人間がだれかと競い合うとき脳が分泌するのが、この「テストステロン」というホルモン。 このホルモンの働きにより、ドーパミン、ノルアドレナリンというやる気や集中力、判断力をたかめる脳内物質の分泌が促されます。
また、ノルアドレナリンには鎮痛作用もあり、この作用は骨折すらも気づかせないほど。 サッカーW杯ジャマイカ戦では、中山雅史選手が骨折したまま試合に出続けたという話もあります。 スポーツ選手が怪我に気付かずプレイを続行できたりするのはこの物質の働きでもあります。
ライバルの存在は私たちの脳を臨戦態勢にし、やる気を引き出してくれるということですね。
ライバルが個性を引き出してくれる
ライバルの存在が私たちに及ぼす影響はやる気アップだけではありません。ライバルは私たちの個性を引き出してくれるのです。
対局相手は自分の個性を引き出してくれる存在
引用元(羽生善治|捨てる力|PHP研究所 pp.253)
これは稀代の天才棋士である羽生善治さんの言葉です。互いが拮抗した状態において、2人の勝敗を分けるのは自身の強みをどれだけ相手に見せられるかどうか。相手に絶対負けたくないという思いが、私たちを深い自分自身のもとへと連れて行ってくれるのではないでしょうか。
ライバルと出会うには
このようにライバルの存在は私たちを大きく成長させてくれます。しかし、そう簡単にはそのような存在とは巡り会えませんよね。 愛知工業大学の太田伸幸さんは、ライバルを持つための要因と調べた結果を次のように報告しています。
本研究の結果から、ライバルは課題 を媒介とした競争相手ではあろうが、相手にただ勝ちたい(競争心が強い)だけではライバルを認知しにくい。学習に対する高い価値付け、および競争によって自己が成長できるという信念を持つことが必要であることが示 された。すなわち、自己成長のための手段として競争が有効であると考える生徒ほど、ライバルを持ちやすいといえよう。
引用元(学習場面におけるライバルの有無に影響する要因 -競争と学習に対する態度に注目して-)
確かに、ライバルには巡り会いにくいものですが、自己成長の手段として競争をとらえ、自分から向ってゆけば、きっと出会えるのではないでしょうか。
参考サイト メンズヘルスメディカル~男性ホルモンによる男の悩み解決サイト~「男性ホルモンの効果」 教えて!認知症予防「認知症の種類」 SOCCER KING「中山雅史と日本サッカー。ドーハの悲劇を原点とする成長物語。【第3回】」 中央日報「<フィギュア>浅田真央「キム・ヨナ、友だちのような関係」 羽生善治(2013),捨てる力,PHP研究所,pp.253 「学習場面におけるライバルの有無に影響する要因 -競争と学習に対する態度に注目して-」