読書にも勉強にも効果あり! 齋藤孝氏おすすめ「三色ボールペン活用術」を京大生が試してみた。

読書や勉強をするときに、ラインを引いたり書き込んだりする人はたくさんいます。どこに注目したか印を残すと記憶をたどりやすいし、頭にも残りやすくなりますよね。でも、なかには細々と書き込んだ割に今ひとつ効果が出ないと感じ、簡単な工夫でより効果が出る方法があれば知りたいという人もいるでしょう。

そこで、その方法を探るべく、齋藤孝さんがおすすめしている「三色ボールペン活用術」を、筆者が実際に読書や勉強の際に取り入れてみました。その感想と、効果的な応用術をご紹介いたします。

三色ボールペン活用術とは

読書について多くのベストセラーを輩出している齋藤孝さんは、著書『三色ボールペン情報活用術』の中で三色ボールペン活用術を提唱しています。三色ボールペン活用術とは赤・青・緑の三色ペンを用いる読書方法論。一番大事なところに赤、普通に大事なところに青、ちょっと面白いと思ったところに緑と、色を使い分けてラインを引いたり印をつけていく方法です。そうすることで自分の考えが「見える化」し、本自体を自分のオリジナル読書ノートにすることができるのです。

ただし今回は、用意しやすいこと、普段黒のボールペンを使用していることから、赤・青・黒の三色ボールペンを用いて取り組んでみました。

普段から大事なところには赤で印をつけているという人も多いかもしれませんが、その赤を含めて三色使えるというのがポイントです。三色あることで、重要でもなく、特別興味があるところでもなく、でもちょっと気になる……、といった部分にも印をつけられるからです。なんでもかんでも書き込むのは問題ですが、あいまいなところ、悩んだ箇所にも躊躇せず印をつけられるのが三色ボールペンを使う良さなのです。印をつけるという作業そのものが記憶の定着を助け、また、見返したときに何も印がついていないところは意味を見出せなかった箇所だと一見してわかります。

ちなみに、三色のボールペンを用いることについては『資格試験に超速で合格る勉強法』の著者・尾本一明氏や、『本当に頭がよくなる1分間勉強法』の著者・石井貴士氏も、重要部分を区別しやすいこと、書き込む際に迷わない色数であることといった面を挙げながら有用性を提唱しています。では次に、実践した内容をお伝えしてします。

読書に取り入れてみた

まずは齋藤孝さんが紹介している通り、三色ボールペン活用術を読書に取り入れてみることから始めてみました。

実をいうと、筆者は本への書き込みにかなり抵抗があったため、この方法は以前から知っていたものの実践したことはありませんでした。しかし、書き込んで使っていた問題集を開くと“するする”思い出せるのに対し、きれいに使っていた真っ新なままの問題集は、ぱっと見ただけではほとんど初めて出会った問題のように感じたことがありました。そのとき、書き込むことは読んだ内容を吸収するのにかなり効果があると実感したのです。

齋藤孝さんも、本に書き込むことに対し抵抗がある人に向けて次のように述べています。

本を大事にするのであれば、真っ白のまま置いておくのではなく、むしろどんどん書き込んで、本を自分の色に染めてしまう、それこそが本を大事にするということなんだ、と割り切ってほしいと思います。

(引用元:齋藤孝(2014), 『大人のための読書の全技術』, KADOKAWA/中経出版.)

実践するにあたって、ストーリーを楽しむ小説ではなくビジネス書でトライしようと考え、この方法を紹介している『大人のための読書の全技術』を読みながら三色ボールペン法を試してみました。読み終わった直後の感想は、普段より主体的に読書ができたということです。ただ文字の羅列を追うのではなく、自分の頭で考えながら読めた分、内容も頭に残りました。

そして、1週間ほどしてからパラパラと読み返してみると、2回目の読書が容易になったことに気づきました。最初の半分ほどの時間で読めたのではないでしょうか。どこを注目すべきか印がついているし、前読んだときの記憶も鮮明に残っていたためだと考えられます。

ただし、無駄な時間を消耗しないためにも、まずは1回流し読みして“しっかりと読み込む価値がある”と思った本で活用するのがおすすめです。

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勉強への応用の方法

次に、三色ボールペン活用術を勉強にも取り入れてみました。

なお、筆者は教科書や参考書など1冊を熟読するというスタイルの勉強を大事にしていますが、その際には色分けも活用しています。その内容は、以前Study Hackerのコラム「一冊を完璧に仕上げる! 京大生が教える『1冊3周勉強法』」でも紹介しています。簡単に説明すると、教科書や参考書を1冊3周して1冊をやりきっていく勉強法で、1周目は読んだページに色を塗り、2周目は読んだページ数の横に内容を要約し、3周目は熟読するというやり方です。

そこで今回は読んだページに色を塗る際、「赤は要復習・黒はよく理解できた・青はその中間」というように色分けしてみました。そして1周目に読書のときと同様、「一番大事なところに赤、普通に大事なところに青、それ以外の忘れそうなところに黒」といった具合に、色を使い分けてラインを引いていったのです。

少し余裕が出てくると、重要な単語は〇で囲うというような工夫もするようになりました。さらに、1周目・2周目・3周目と読み重ねていく段階で、状況に応じた色を入れなおしていく際、「よく理解できた」の黒が増えていくことで達成感が生まれモチベーションも上がっていきました。

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三色ボールペンを使うだけで、いつもの作業がより効率よく、より楽しく、理解も深まることがわかりました。紹介した方法以外にも使い方はさまざま考えられると思います。自分に合った三色ボールペン法を生み出すといいでしょう。

なお、読書がもたらすさまざまな効果については「読書が脳に及ぼす効果とは? 読書がもたらす11のメリット」をご参照ください。

(参考)
齋藤孝(2003), 『三色ボールペン情報活用術』, 角川書店.
齋藤孝(2014), 『大人のための読書の全技術』, KADOKAWA/中経出版.
尾本一明(2017),『資格試験に超速で合格る勉強法』,すばる舎.
Study Hacker|一冊を完璧に仕上げる! 京大生が教える『1冊3周勉強法』
SBCr Online|青ペン、4色のクリアファイル──勉強の効率を上げる道具の選び

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