Google社が、最新の脳科学に基づき「マインドフルネス」と「心の知能指数」を組み合わせて開発した、パフォーマンスや精神、リーダーシップの向上を図る研修があることをご存じですか? その名も「Search Inside Yourself(自分自身の内面を探れ)」。

Googleの社内研修で常に数百人が受講待ちという人気を誇り、フォードやUCバークレービジネススクールをはじめとして名だたる組織で採用されているこの研修。今回は、「Search Inside Yourself」プログラムの概要と、自宅で実践する簡単な方法をご紹介します。

「Search Inside Yourself」プログラムとは

Google社のベテランエンジニアであるChade-Meng Tanが、2007年にマインドフルネス、神経科学、EQとも呼ばれる心の知能指数(Emotional Intelligence Quotient)の専門家を集めて社内の仲間のために開発したプログラム。

Tan氏は、Google初期の検索アルゴリズムを作った天才的なエンジニア。論理性・合理性を重視するエンジニアならではの視点から生み出された、科学的で実践的なプログラム内容が特徴です。

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「Search Inside Yourself」の発展

「仕事ができること」と「自身の幸せ」は必ずしも結びつかないことに気づいたTan氏が、多忙なGoogle社のマネージャーやエンジニアのパフォーマンス向上のために作った研修から始まり、すぐにGoogle社全体で大人気に。

社外での関心の高まりと同時に、2012年、ついにはSearch Inside Yourself Leadership Institute (SIYLI)という非営利組織が設立されました。それ以後この組織を通じて、世界中の政府機関や非営利組織と共に、国際社会で名高い優れたプログラムを提供しています。

「Search Inside Yourself」の高い評価

ダライ・ラマ14世や、アメリカ元大統領のジミー・カーター、Google会長のエリック・シュミットやホールフーズ創業者のジョン・マッケイなど、多くのリーダーが絶賛する本プログラム。

その最先端のプログラム内容は、ニューヨークタイムズ、エコノミスト、ワイアード、タイムスなどの各誌も高く評価。また、フォード、フェイスブック、LinkedIn、UCバークレービジネススクール、アメリカン・エキスプレスをはじめとした多くの会社で採用されています。

「Search Inside Yourself」の目的と概要

プログラムの目的は、仕事のパフォーマンス、リーダーシップ、心の健康を手にすること。その基礎となるのが「マインドフルネス」。瞑想や内省を通して「今、ここ」の状態に向き合うことで、クリアな精神状態を手に入れることから始まります。

そして、マインドフルネスを身につけることで、「心の知能指数」を高めることが可能になります。「心の知能指数」とは感情面での知性のこと。ここでは、以下の5つの要素に注目が向けられます。

1. 自己認識
2. 自己制御
3. モチベーション
4. 共感
5. コミュニケーション

本プログラムでは、以上の考え方を土台に、集中力を一点に高めるトレーニングや、「歩く瞑想」「書く瞑想」「マインドフル・リスニング」など、様々なトレーニングが用意されています。

「Search Inside Yourself」のメリット

日本で本プログラムを提供している一般社団法人、Mindful Leadership Institute(MiLI)は、本プログラムにおいて得られるスキルを、以下のように説明しています。

・冷静かつ集中色のある、ハイパフォーマンスなマインド
・ 高いパフォーマンス、創造力、モチベーションを維持する方法
・ 回復力・人間関係・生産性をより高める方法
・ 感情を制御する能力を高める
・ 思いやりと見識を持ってコミュニケーションをする習慣づくり
・ 生産性の高いチームワークと信頼を作る能力
・ ヴィジョンを明確にし、ポジティブな風土を創るためのスキル

(引用:一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート|Google本社で開発されたリーダーシップセミナー「Search Inside Yourself」

どれもビジネスで必要なスキルばかりだということがわかります。

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“Search Inside Yours”プログラムを自宅で実践しよう

Tan氏の著書「サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法」には、誰でもすぐに実践できる方法が紹介されています。今回は、もっとも簡単にできる方法を3つお伝えします。

・2分間の簡単なエクササイズ
たった2分間、自分の呼吸に注意を向けるだけ。

1. 呼吸していることを自覚する
2. 呼吸のプロセスに注意を払う
3. 気がそれるたびに、そっと注意を向け直す

・2分間のもっと簡単なエクササイズ
何もせず、2分間座っているだけ。何かを「する」モードから「あるがままでいる」モードへ切り替えることが目的。

・「書く」マインドフルネス「ジャーナリング」

1. 制限時間を決める(例:3分)
2. トピックを決める(例:「今、私が感じているのは……」)
3. 自由回答式で好きなことを思いつくままに書き出す(書く内容は、トピックに関することでも、頭に浮かんだ別のことでもOK)
4. 深く考えず、時間切れになるまで、手を止めず書き続ける

実践するときの注意点

上記でご紹介したトレーニングは、あまりに簡単なので拍子抜けしたように感じる人もいるかもしれません。たしかに、どれも数分間でできるものばかり。一見簡単に見えますよね。しかし、重要なのは「継続」すること。

マインドフルネスは、心の筋トレとも言われます。毎日欠かさず続けていくことで、大きな効果を感じることができるようになります。

***
Google社の優秀な人材を育て、支える「Search Inside Yourself」プログラム。普段の生活に取り入れてみたら、人生やキャリアが変わるかもしれません。

(参考)
Chade-Meng Tan(2016),「サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法」,英治出版.
一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート|Google本社で開発されたリーダーシップセミナー「Search Inside Yourself」
StudyHacker|心の筋トレ “マインドフルネス”  GoogleやAppleが取り入れる、静かな心の作り方
DODA|あなたも実践できる、Google発のマインドフル・メソッドとは?