あなたには、せっかくのチャンスにもかかわらず、それをわざわざ逃してしまったような経験ってありませんか?
例えば、中学生の頃生徒会に推薦されたのに「そんな大役つとまらないよ」と辞退してしまったとか、スポーツなどで全国大会に出場するチャンスがあったのに「全国で戦うなんて無理」といってやめてしまったとか。社会人の方の中には、プレゼンで話す機会が得られそうだったのに「自分は経験不足だから……」などといって先輩にお願いしてしまったことがある、というような方もいるかもしれません。
こうした行動、一見おかしなことのようにも思えますが、それは脳の働きからいうと正常なんだそう。とは言え、せっかく得たチャンスならば逃したくないもの。つかんだチャンスから逃げることなく立ち向かう方法を考えてみました。
チャンスを逃してしまう心理「成功回避」とは
せっかくのチャンス! なのに失敗を恐れるあまりそのチャンスを逃してしまう。実は、人にそうした行動をさせる心理には名前がついており、それを「成功回避」と言います。
せっかくのチャンスなのに自分から尻込みし、上手くいきそうになると逃げ出し、やる前から空しくなり、「どうせ無理」「やるだけ無駄」「面倒だ」と考えてしまう。 そういった後ろ向きの気持ちが、成功を自ら避けてしまう心理『成功回避動機』といわれている。
(引用元:建通新聞|身近な社会学 第4回 シンデレラのその後)
この心理状態になってしまうと、せっかくプロジェクトリーダーに任命されても失敗を案じて断ってしまったり、頑張れば手が届きそうな志望の大学であっても受験を取りやめて安全圏の大学に出願してしまったり、といった行動が起きます。
では、この成功回避心理に陥らないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
成功回避の原因とは
成功回避をしてしまう原因として、「言い訳」をする気持ちがあります。
言い訳をする際、その人の根底には「私は悪くない」「私を責めないで」という思いがあります。「今日は調子が悪かったから」「睡眠時間が足りなかったから」と、できない原因を自分の能力や努力とは切り離しておくことで、自分の責任ではないのだと、暗に責任逃れをしようとするのです。そうすると、確かにその場では責任を逃れることができますが、失敗の原因と向き合うことをやめてしまっているため、結局その後の成長は見込めません。
同様に、成功回避というのは、失敗した場合に自分の評価が下がったり責められたりすることを恐れて、そもそもチャレンジ自体を回避してしまうというもの。チャレンジを回避していては成功することなどできるはずがありません。
そこで、成功回避しないための方法は次の通り。まず、仮にそのチャレンジに失敗した時のことを想像してみます。実際に失敗したわけではないので、はっきりとはわからないかもしれませんが、その失敗の要因をできるだけ挙げてみます。お金がなかった、時間がなかった、想定外のことが起きた……。次にその失敗が、自分の取り組み次第で回避できるものなら、自分次第で成功することが可能だ、ということがわかりますよね。
自分次第で成功できると分かれば、あとは、自分がやるかやらないか腹を決めるだけ。そこで決心できれば、決して成功回避はせず、トライできるはずです。
誰でも成功する能力はもっている
自分がやると腹を決めるだけ、などとすこし厳しいことも言いましたが、ここで一つ伝えたいのは、誰でも「成功する能力は持っている」ということです。
成功者が必ず持つ能力があるそうなんですが、それを皆さんご存知でしょうか。
それは「グリット(grit)」と呼ばれるもの。わかりやすく言うと物事に対する情熱であり、また何かの目的を達成するために、長時間、継続的に努力することによって、物事を最後までやり遂げる力のことです。
これは、生まれつきの才能とは関係ありません。長期的、継続的な努力を重ねることによってだけ得られる能力です。つまり、失敗を恐れずチャレンジを繰り返す、そのあくなき努力によってのみ、グリットは手に入れられるのです。
難しいかもしれませんが、成功回避をしてしまいそうになる時こそ、一歩踏み出してチャレンジしてみましょう。目標が困難であればあるほど、長期間努力を継続することにつながり、グリットを手に入れやすくもなります。「成功する能力は持っている」そう信じて一歩踏み出すことから、成功回避をやめてみませんか。
(参考) 建通新聞|身近な社会学 第4回 シンデレラのその後 北星学園大学|意欲ある人間とは~成功・失敗の原因とやる気~ かたづけ隊|成功する能力があるのに行動に移せない 5セカンズ|言い訳する人の心理6つ logmi|成功者が共通して持つ「グリット」という能力–才能でも、努力でもない第3の要素とは?