「やりがい」ってなんのこと? 3つの "仕事観" に見る、仕事をやりがいあるものにする方法

みなさんは、仕事が退屈で仕方ないと感じる時はありますか。仕事は時間的にも労力的にも人生の中で大きな割合を占めますから、できることなら楽しみながら取り組みたいですよね。しかしながら、毎日同じ作業を繰り返しているだけであったり、自分にとってやりがいのない仕事ばかり任されていたりしては、次第にやる気がなくなって退屈に感じられてしまうのもうなずけます。

仕事を楽しめるようになれば、モチベーションアップはもちろん、生産性の向上など様々なメリットがあります。実は、仕事観はそれぞれ異なるため、まずは自分が「仕事に何を求めているのか」を知ることが、楽しく仕事をする道への第一歩なのです。今回は、仕事が退屈に感じてしまう原因やタイプ別の対処法についてお伝えしたいと思います。

仕事を退屈に感じる原因は、タイプによって違う

アメリカの心理学者であるエイミー・レズネスキー氏によれば、人々の「仕事観」は大きく3つに分けることができるのだそう。その3つとは、お金と生活を主な目的とする「ジョブ」タイプ地位と名誉を主な目的とする「キャリア」タイプやりがいと意義を主な目的とする「コーリング」タイプです。

そして、あなたが属するタイプによって、どのような時に仕事を退屈だと感じるのかが変わってきます。例えば、「ジョブ」タイプの人なら、仕事へ注ぐ自分の努力に対する給料が割に合わないなどという時に退屈だと考えるでしょう。しかし、「キャリア」タイプの人であれば、昇進や名声とはそれほど関係のない仕事をしていると退屈に感じるはず。また、「コーリング」タイプの人は自分の好きでない仕事をしている時に退屈だと感じるのではないでしょうか。

退屈に感じる仕事を続けるのは危険

『PIVOT: The Only Move That Matters is Your Next One』の著者でありキャリアコーチとしても活動しているジェニー・ブレイク氏は、仕事を退屈だと感じている時は自分がその仕事のプロとして成長した証拠であると伝えています。仕事を退屈だと感じること自体は、必ずしも好ましくないというわけではないのです。

とは言うものの、退屈な仕事をそのまま続けることはオススメできません。もしこのまま退屈な仕事をずっと続けていると、私たちにはいったいどのような影響があるのでしょうか。2点挙げてみます。

1. 生産性が落ちる アメリカの経済誌Forbesが伝えるところによると、たとえ優秀な人でも、仕事を退屈だと感じると生産性が落ちるのだそう。生産性を落としたまま仕事を続ける場合、納期に間に合わなくなってしまったりいつもよりミスが増えてしまったりすることが考えられますよね。これまでできていたことができなくなったことによる自信喪失などから、仕事に対して臆病な姿勢になってしまうかもしれません。また、そういったミスが重なった結果仕事に嫌気がさして会社を辞めてしまったら、それこそ会社にとっても大きな損失になってしまいます。

2. 成長が止まってしまう やったことのない仕事や初対面の人との打ち合わせは、とても刺激的で自己の成長につながりますよね。逆に内容や相手を分かりきった仕事ばかりしていると、だんだん刺激がなくなるため、モチベーションを維持することが大変です。また、新たにスキルを身に付けることも難しくなります。

仕事を退屈に感じているまま続けてしまうと、自分だけでなく周囲の損失にもつながりかねないのです。退屈に感じるのが成長の証だからこそ、そこで諦めずに自分なりの工夫をしていくことが、仕事面のさらなる成長につながります。

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仕事が退屈に感じた時のタイプ別対処法

では、もし私たちが仕事を退屈に感じてしまった時は、どのようにそれを解消することができるのでしょうか。先ほど出てきた仕事観の3つのタイプ「ジョブ」「キャリア」「コーリング」それぞれに合った対処法をご紹介します。

1. 他の部署を訪ねる まず、どのタイプにも一貫して言えるのが、「普段と違うものは刺激になる」ということ。もし今の仕事が退屈なら、一度他の部署を訪ねてみてください。例えば、仕事で大きなプロジェクトの一部を担当しているとしましょう。しかしプロジェクトの目的やどのような流れでそれが進められているのかを知らなかったら、仕事を続ける意味を見出せず退屈に感じてしまうかもしれませんよね。

そういった場合には、同じプロジェクトを任されている他の部署にいる人に、積極的に話を聞いてみましょう。自分が普段やらない業務について学んだり全体の流れを把握したりすることで視野が広がります。それに加えて自分がプロジェクトの一員であるということも実感することができるでしょう。自分が今取り組んでいることの目的を理解して仕事に対する使命感が生まれれば、きっと退屈だと感じることはなくなるに違いありません。

2. 仕事に有益な情報を探す 本でもインターネットでも、周囲の人に尋ねるのでもかまいません。現在退屈だと感じている仕事に活かすことができそうな情報を探してみてください。以下、タイプごとに具体的な方法をご紹介します。

【1】「ジョブ」タイプ このタイプの人であれば、給料を上げるためにどのようなスキルが必要なのかということを調べてみるのがオススメです。

例えば、仕事に活きるような資格を持っていれば、持っていない場合よりもたくさんのお金を得ることができますよね。弁護士や医師になる際に取得を求められる国家資格から簿記やTOEICといった私たちに身近なものまで、様々な資格があります。

自分の働きへの物質的な見返りが大きい仕事を得ることができれば、生活水準を上げたり家族と一緒に過ごす時間を増やしたりすることが可能になるはずです。

【2】「キャリア」タイプ もしあなたがこちらのタイプなら、自己啓発本などを読んで自分の目指す地位にふさわしい考え方を養うと良いでしょう。

高い地位や名誉を求めるならそれなりにスキルも必要ですが、多くの人の上に立つようになればなるほど「謙虚さ」が求められるようになるものです。謙虚さがなければ次第に人が離れていってしまい、立場を失うことにもなりかねません。

著名人が書いたエッセイなど、参考になる本はたくさん出版されています。あなたのバイブルとなるものも見つかるかもしれません。この機会に一度手にとってみてはいかがでしょうか。

【3】「コーリング」タイプ このタイプに当てはまる人は、どうすれば好きだと思えない仕事を好きになれるのかについての情報を探す必要があります。普段繰り返し行っているような業務に意味を見出せなくなることはよくあることですよね。

意義を感じられる仕事かどうかは実際にやってみなければ分かりません。しかし事前にそれをある程度知るためには、職場の同僚や上司と自分が意義を感じることについて話してみてください。自分がやりがいを感じられそうな仕事をより多く回してもらえるようになるかもしれません。また、その会話を通して、上司や同僚が感じている意義を知れば、今まで退屈に感じていた業務にやりがいを見出せる可能性もあるのです。

*** みなさんもお伝えした方法をぜひ試してみてください。仕事の退屈さが緩和され、これまでよりも積極的に取り組めるようになるでしょう。

(参考) 久世浩司著(2015),『[図解]なぜ超一流の人は打たれ強いのか』,PHP研究所. Inc.com|Are You Unhappy at Work? Here’s Why -- and What to Do About It Inc.com|7 Productive Ways to Counter Boredom at Work Forbes|Bored In The Office: Is It The New Productivity Killer? Quora|What are some reasons people hit a career plateau?

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