今回は、東京大学法学部在学中に予備試験に合格したN君のノート術から、スタディ・ハックのヒントを探ります。
予備試験とは
正式名称は「司法試験予備試験」。
司法試験予備試験は,法科大学院を経由しない者にも法曹資格を取得する途を開くために設けられた試験で,これに合格した者は,法科大学院修了者と同等の資格で司法試験を受験することができます。
引用:法務省|平成27年司法試験予備試験に関するQ&A【司法試験予備試験の概要】
すなわち、大学4年間(※)、法科大学院2年間(既修コースの場合)の計6年分の学習内容について問われるのが予備試験であり、本来の試験実施意図からは逸れますが、法科大学院をスキップして最短で法曹界を目指す大学生が合格を目指すために受験する試験ともなっています。 (※東京大学では進学振り分け制度により、法学部としての学習を開始するのは2年生の後期からなので、実質大学で法学を学ぶのは2年半となる)
では、昨年の合格率たったの3.4%の超難関試験への合格を可能にしたノート術とは、一体どのようなものだったのでしょうか。
科目を跨いで情報をまとめる
予備試験(司法試験)の科目は民事系(民法、商法、民事訴訟法)・公法系(憲法、行政法)・刑事系(刑法、刑事訴訟法)の3種類に分類されます。 N君は科目毎ではなく、この体系毎に3冊のノートを作ったそうです。 これは、記憶は関連付けによって強固なものとなるという性質を利用した、効果的なノート作成法になっています。
ノートは理解をするために作る
記憶は理解度に左右されるので、単に書き写すのではなく、理解することに注力したノート作りを意識したというN君。 具体的には、参考書を3、4冊読んだ上で、自分の言葉で文章を書いていたそうです。 参考書を書き写すだけなら1ページ10~15分で済むところ、4時間かけていたとか。 一見効率が悪そうに見えますが、特に法律などといった複雑な内容を学習する際には、土台となる基礎部分の理解が重要になります。
ノート1冊にまとめる
分量は多過ぎるとだんだん作るのが面倒になると思ったN君は、1体系1冊と決めたそうです。 確かに、人は情報が多過ぎると管理が複雑となり難しくなってしまいます。 また、先にノートに保有できる情報の上限を決めておくことで、本当に重要なこと、苦手なことだけを選別して書くようになり、効率的なノート作成術に繋がったのだと思います。 実用性に関しても、例えば民事系を勉強するときにはノート1冊だけ持ち歩けば良い、というのは便利ですね。
いかがでしたか。 超難関試験に合格した東大生も、勉強法はいたってシンプル。 是非皆さんもご自身の生活に取り入れてみてくださいね。
▲実際のノート。情報を都度書き足していくのでぎっしり書き込まれている。ページに収まりきらなかった補足はホッチキス留めしている。
なお、「勉強ノート術7選! 東大生・京大生おすすめ」では、ほかのノート術も紹介しています。ぜひご参照ください。
東京大学新聞online |司法試験予備試験 合格率3.4% 記憶力アップの方法|覚えたいものと既存の知識を関連付ける
ダイヤモンド社 書籍オンライン | 50万人が支持したノート術 「ノート1冊方式」が一番使える3つの理由