すべきことがいくつも重なると、一体何から手に付ければよいのか分からなくなってしまいますよね。 そんなときでも慌てずに効率よくタスクを消化していきたいもの。 今回は、『実践版「孫子の兵法」で勝つ仕事術』(福田晃市著)から、いくつも重なってしまった仕事も効率よく進めていくコツをご紹介します。
『「孫子の兵法」で勝つ仕事術』
福田晃市 著 明日香出版社 2015年
一点に集中せよ
普段なら簡単に対処できるような問題も、パニック状態の時には対処できなくなったりすることがあります。
孫子に、「取るより、かばえ」とあるように、まずは「守り」を固めて、あらかじめ備えておく、そして必要な時だけ戦う、ということが大切です。 このことから、この本では、電話を取り次いでもらわない時間帯をつくるなどして、自分の「集中タイム」をつくることが紹介されています。 実際に、下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社では、「がんばるタイム」と呼ばれるものが採用されています。
【内容】12時30分~14時40分までを個人が手持ちの業務に集中して取り組む制度。その間は、おしゃべり、電話、立ち歩き、コピー、部下からの相談、さらに上司からの指示も全面的に禁止される。 がんばるタイム制度 隣の人事制度|マインド|【瓦版】
この、一点集中は勉強をする場合にも同じです。長時間だらだらと勉強しているより、短時間でも決めた時間内はしっかりと勉強する方が圧倒的に効率が良いです。
さらに、時間だけでなく、内容に関しても一点に集中する、ということがとても大切。普段から、仕事にしろ勉強にしろ、その日その日のテーマを決めて取り組めば、さらに効率が上がるはずです。
テーマを決めずにただ闇雲にやっていてはなかなかやる気も起こりませんし、テーマがあったほうが、取り掛かりやすい、というメリットもあります。
システマティックに動こう
同時にやることがたくさんあると、ミスをしやすくなります。
孫子の教えによれば、いつ、どこに力を集中すべきかわかっていれば、勝てる確率が高くなります。 これを仕事に当てはめると、仕事の段取りを上手くつければ、たくさんの仕事を抱えても大丈夫、ということになります。
必ずやらなければならない仕事かどうかを仕分け、自分がやるべき仕事を、1時間など時間を区切って集中します。 人によっては、「午前中は冴えてる」とか「午後のほうがエンジンフル稼働」などと自分の力を最も有効に出せる時間もあるでしょう。その時間を「集中時間」に当てられるようスケジューリングすると、さらに能率が上がります。
仕事が山積みの時には、一つ一つの仕事に優先順位をつけて、しっかりと計画を立てていくことが大切ということですね。
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いかがでしたか?「孫子の兵法」は春秋時代に生み出されたとても古いものなのですが、ビル・ゲイツや孫正義も学んだといわれるように、現代でも役立つことが多く書かれています。この『実践版 「孫子の兵法」で勝つ仕事術』では、この他にもたくさんの仕事術が分かりやすく書かれています。ぜひ読んでみてください。

