(画像引用元:不便益システム研究所|素数ものさし)
素数ものさしをご存知ですか? 竹細工に手作業で焼印が施されたこのものさし、インターネット上で話題になり売り切れが続出したことで、知っている人も多いはず。 見ての通り、目盛が素数しかありません。
京都大学の生協のみで販売されているこの素数ものさし、素数に関わる面白い工夫がいっぱい。 素数と仲良くなるために、こんな定規を活用してみてはいかがでしょう?
素数ものさしの素数へのこだわり
京都大学デザイン学ユニットの川上浩司教授が代表を務める「不便益システム研究所」によって開発されたこの商品。値段も税込577円という素数に設定されました。 さらに、偶然か意図的か、577は次の形で三平方の定理を満たす「ピタゴラス数」です。
577^2=48^2+575^2
→ピタゴラスの定理
目盛自体の数も、センチ目盛が7個、ミリ目盛が41個と、こちらも素数になっています。
素数ものさしの使い方
素数ものさしで長さを測るときは、目盛と目盛の差を利用します。 センチの目盛にある素数は、2、3、5、7、11、13、17。 足し算と引き算を用いれば、16、18以外の長さを測ることができるので、計算してみてください。素数を無視して定規の長さの端、0と18を使えば、16、18も測ることができます。
ミリの方では、1回では測れない数字が出てきます。説明書では、この問題の解決として、ゴールドバッハ予想を用いています。
4以上の偶数は2つの素数の和で表せて、7以上の奇数は3つの素数の和で表せる。 証明されていない予想ですが、この程度の小さな整数に対しては完全に確かめられていますので定理といってよいものです。
ゴールドバッハ予想によって、普通の計算では測れなかった長さも、最大3回の計算で計測することができるのです。
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この素数ものさし、一見不便に見えます。けれど、使えば使うほど、素数の扱いがうまくなっている自分に気が付くはずです。
179までの素数と仲良くなれる素数ものさし。
筆箱に一本いれておいて、友達と盛り上がってみてはどうでしょう。
(参考)
不便益システム研究所|素数ものさし
織田研究室|素数ものさし

