アインシュタインの提唱した「相対性理論」。名前こそ有名ですが、「よく知らないし難しそう……」と感じる方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、相対性理論について、できるだけわかりやすく解説します。あなたの視野を広げる一助になれば幸いです。
相対性理論とは
相対性理論とは、一般相対性理論および特殊相対性理論のこと。どちらも、ドイツの物理学者アルベルト・アインシュタイン(1879~1955)によって提唱されました。
多くの場合、「相対性理論」と言うと特殊相対性理論のほうを指します。そのため、ここから先は、特殊相対性理論に絞って解説しますね。
相対性理論における「光速度不変の原理」
相対性理論における重要なトピックのひとつが「光の速さ」です。
相対性理論では、光はほかのものと異なり、一定の速度で進むとされています。これが「光速度不変の原理」です。
そもそも、速度は「どこから見るか」で変わるものです。わかりやすい例として、電車がありますね。
あなたが電車に乗って座席に座っているとき、あなたも隣の席の人も歩いていません。あなたにとって、隣の人は「動いていない」ですよね。
しかし、電車を外から眺めるとどうでしょう。あなたも隣の人も、電車と同じく時速数十キロメートルで移動しています。
つまり、「どこで観測するか」によって速度は変わるのです。
しかし、相対性理論において、光は例外とされます。非常に単純な表現をすると、「どの立場で観測しても光の速度は同じ」というのが、光速度不変の原理なのです。
そのため、あなたが走行中の電車のなかで光を見るときも、駅での停車中に光を見るときも、光の速度は同じということになります。
相対性理論における「時間の相対性」
光速度不変の原理は「時間の相対性」につながります。時間の流れ方は絶対的ではなく、移動速度によって異なる相対的なものだ、ということです。
どの立場で観測しても光の速度が同じということは、あなたが立ち止まっていようが、自動車に乗っていようが、光速に近いロケットに乗っていようが、そこから見える光の速度はいつでも同じであることを意味します。光の速度が変わらないように見えるのは、それを観測している「あなたの時間の流れ」が遅くなっているからなのです。
たとえば、あなたが立ち止まっていると、後方から前方に向かって光が秒速30万キロメートルの速さで通過します。ものすごい速さですよね。
そして、あなたが光速に近いロケットに乗っていたとしても、やはり光は秒速30万キロメートルに見えるのです。
この事象を成立させるためには、光を観測している「あなた」の時間を遅らせる必要があります。つまり、あなたの移動速度が光速に近づけば近づくほど、あなたに流れる時間は遅くなるのです。
このように、相対性理論は光速度不変の原理をベースとしているため、「時間の流れは相対的である」ということになります。
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特殊相対性理論における「光速度不変の原理」や「時間の相対性」について解説しました。
これらの概念は、物理学に大きな影響を与え、現代社会の技術にも関わっています。たとえば、GPS(全地球測位システム)にも使われているんですよ。
この記事が、相対性理論の理解に役立ったら幸いです。
STUDY HACKER 編集部
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