何かを読んでも、「内容が頭に入ってこない」「読んだ後何も残らない」なんてこと、ありませんか? せっかく読むのであれば、できるだけ早く、しっかり理解したいものですね。
今回は、SQW3R法というちょっと耳慣れない読み方とメモの取り方をご紹介します。
SQW3Rって?
SQW3R——これは、Survey、Question、Write、Read、Recall、Reviewという6つの単語の頭文字を並べたものです。
この順序で本を読み込むことで、文章の理解を圧倒的に高めることができるとされています。それではさっそく、プロセスを具体的に見ていくことにしましょう。
Survey
手順の一番目であるSurveyとは、文章を読む前にさらっと全体を眺めることです。具体的には、見出しを確認する、要約などがあれば読んでみる、導入部(多くは第一段落)やまとめの部分(多くは最終段落)を先に読んでみる、図や写真があればそれだけを眺めてみるなどです。こうすることで、あらかじめ概観をつかむことができます。
Question
次はQuestion。これはSurveyのプロセスと同時に行います。Surveyで概要を確認している最中に「この話題についてどのくらい知っているかな?」と自分に問いかけるのです。これによって、既に知っていることとそうでないことを明確にしていきます。
次に、理解を高めるための質問を作成し、それをメモしましょう。その時のコツは、タイトルや見出し、導入部、まとめの部分を上手く使うこと。
例えば、見出しとして、「水晶体とレンズ」などと書かれていたときは、「水晶体とレンズにはどんな関係性があるのだろうか?」というような質問を作っておくという具合です。
Read
Readとはそのまま、「読む」ということ。今回の方法では2回読むことになります。
1回目はいつもよりペースを落とし、メモを取らず、内容を理解することに努めましょう。Questionで挙げた質問の答えを探したり、文章と図を見比べてみたり、著者の主張に対する根拠に注目してみたり、とにかく理解重視です。難しいところは何度か読み直し、それでも理解できない時は……飛ばして構いません。
2回目のReadは、次のプロセスであるWriteと同時に行います。それでは次を見てみましょう。
Write(+Read)
Writeとは2回目のRead中にメモを取ることです。
段落ごとや見出しごとに、一文程度で要約します。また、わかりやすい例やイラストなどの概要、著者の主張の根拠なども書き出しておきます。Questionで作成した質問の答えになる箇所も同様にメモしておきます。
Recall
Recallとは、読んだものをどのくらい覚えているかチェックするプロセス。
文章とメモを一切確認せずに、要点やテーマをどんどん書き出していきます。さらに、Questionで挙げた質問の答えも書き出していきましょう。書き出し終わったら、答え合わせです。メモや文章を見ながら、自分で書いたものをチェックしてください。
上手く答えられていない部分があれば、それが書かれている部分を再読します。
Review
Reviewは最終確認。自分が取ったメモが正しいかどうか、元の文章と見比べてチェックします。これでさらに理解は深まるはずです。
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最初のうちはやることが多くて大変に思うかもしれませんが、慣れてくるとスムーズに行うことができます。また場合によっては、手順を適当に省いて構いません。読むものすべてに活用するのは難しいと思いますが、ここぞという時にお試しください。
(参考)
UNSW Current Students|Reading for Understanding: The SQW3R Method