たった2分の力強いポーズで、メンタルは強くなる! 体が心と行動に及ぼす意外な影響

唐突ですが、今どんな姿勢をしながらこの記事を読んでいますか? この記事を読んでいるということは、背中を丸めてスマートフォンかタブレットなどに目を近づけている人も多いのではないでしょうか。そういったあなたの姿勢を知らない人が見たとき、あなたに対してどのような印象を持つでしょうか。実はさりげない姿勢が自分の性格や言動に影響を与えているということ、ご存知でしょうか?

自分のボディランゲージは自分にも影響を与えている

私たちは日常生活の中で多くのボディランゲージを行います。そしてそれらの動きを見て、他人はあなたという人を無意識に判断しています。この人は信頼できるかどうか、仲良くなれそうか、さらには有能であるか否かにいたるまで。

例えば、プリンストン大学で行われた研究によると、選挙に当選した方の顔写真とそうでない方の写真を見比べて、どちらが当選したのかを判定させると、70%の確率で実際に当選した方を当てることができたそうです。

これは、演説の内容や思想など一切関係無し。見た目の雰囲気等で判断してしまう、そしてそれが7割もの確率で正しいということ。このことからも分かるように、人が人を判断するとき、非言語的な部分がとても関わっていることがわかります。自分の非言語行動が他人の判断に影響を与えることは分かりましたが、さらには「自分自身もまた、自分の非言語行動から影響を受けている」とハーバード大学の社会科学者エイミー・カディ氏は指摘します。

ボディランゲージによってホルモンの分泌量が変わる

カディ氏は、自分の体が心に影響を与えていることを証明するためにある実験を行いました。それはあるボディランゲージをした際にテストステロンとコルチゾールという二種類のホルモンの分泌量に差がでるかどうかを調べたものです。

テストステロンとは「幸福感」や「やる気」の元となるドーパミンを産生させる働きがあり、大きな挫折感を味わったときや過度のストレスを感じた際には減少します。対して、コルチゾールはステロイドホルモンの一種で、ストレスを受けると分泌量が増加します。心拍数の増加や血圧の上昇を促す効果もあるため、テストなどで緊張した時に心臓がどきどきするのはコルチゾールの作用だそう。つまり、プラスの感情の時に出て来るテストロンと、マイナスの時に出るコルチゾールとも言えます。

カディ氏が行った実験はいたって簡単。グループを二つに分け、一つには力強いポーズを。もう一方には無力なポーズを2分間ずつさせ、唾液を採取し、テストステロンとコルチゾールの分泌量変化を調べたのです。その結果、力強いポーズを取った人では、テストステロンの分泌量が20%増加し、無力なポーズを取った人では10%減少していました。また、コルチゾールの方は力強いポーズを取った人で25%の減少、無力なポーズを取った人では15%増加したそうです。

さらに、被験者にあるギャンブルを行わせた場合、力強いポーズをした人たちは86%が賭けに出たのに対し、無力なポーズをした人たちは60%しか賭けに出ませんでした。これから言えることは2分間指示されたポーズをとっただけで、ホルモンの分泌量を変化させ、行動の特性をも変えてしまうということです。たった2分のポーズが自分で自分をどう思い、どう感じるかを変化させるというのはなんだか不思議な感じがしますね。

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フリをすることで自分が変わる

この結果からカディ氏は、「例え自信が無くても、うまくできるフリをし続けることで本当に自分を変えることができる」と説きます。彼女は19歳の時に遭った交通事故で頭を怪我し、医師からIQが標準偏差2個分減少していると宣告されながらも努力を続け、他の生徒より4年長くかかったものの大学を卒業しました。しかし、それでもまだ自分に自信が持てなかったといいます。

そんな彼女を変えたのが「本物になったと思えるまでできるフリをしなさい」という指導教員の言葉だったんだとか。自分はできると信じて小さな変化を繰り返すことで大きな違いが生まれ、いつしかそれが本物になるのですね。

自信を持てない人は「人に依頼されたから」と思えばいい

そうはいっても、いきなり「自信満々に振る舞え」「堂々と自分の意見を主張しろ」と言われてもなかなか難しいもの。筆者自身も人前でしゃべるのが苦手ですので、そういった方々の気持ちはよく分かります。そのような方におすすめするのは、「人に依頼されている」と思い込むことです。

自分の意見をいいづらいのは自分を否定されるのではないかという恐怖からくるもの。そこで、「人に言われた意見を単に自分の口を使って伝言しているだけ」だと思い込むのです。そのように思い込めたら、たとえ意見が否定されても、自分が傷ついたり動揺することも大分減ると思いませんか? これを繰り返しているうちに、きっと「自信」が身についていることでしょう。

*** いかがでしょうか。必要なのは自分の体とたった2分の時間だけ。それでも自信の持てない方は人の依頼だと思えばいいのです。今回紹介した方法はおまじないのようなものですが、みなさんの自信をつけるきっかけになれば幸いです。

参考 メンズヘルスメディカル|男性ホルモンの効果 コトバンク|コルチゾール TED|エイミー・カディ「ボディランゲージが人を作る」

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