何かを勉強しようとする時、部活などで練習をする時のことを思い浮かべてみてください。
勉強では、英単語なら英単語、歴史なら歴史などとまとめて勉強しているという人は多いのではないでしょうか。また、部活などでは、テニスならサーブ練、スマッシュ練というように同じことを繰り返してやっていませんでしたか?
これは一般に「反復学習」や「ブロック学習」と呼ばれ、こういった繰り返し学習は、非常に効果的だという意見は根強くあります。しかし、それを覆す勉強法が認識され始めています。
インターリーブとは
みなさんは「インターリーブ」という言葉を聞いたことがありますか?
インターリーブまたはインターリービング(英: Interleaving)は計算機科学と電気通信において、データを何らかの領域(空間、時間、周波数など)で不連続な形で配置し、性能を向上させる技法を指す。
(引用元:wikipedia|インターリーブ)
勉強であれば、英語のリスニングを勉強しようと思った時にリスニングだけでなく、リーディングやライティングも一緒に行ったり、テニスであれば、サーブを1時間みっちり練習するのでなく、ストロークやスマッシュ、フットワークなど幅広い技能を織り交ぜて練習するということです。
インターリーブは、多くのスキルをほとんど気づかない程度に向上させる。しかし、やがてこれらの小さな向上が積み重なっていくと、同じ時間をかけてひとつひとつのスキルを順に習得する場合よりも、はるかに大きな成果が得られるという。
(引用元:WIRED|WIRED その常識は間違い?:効果的な学習法)
要するに、何か学習をする途中に、関連性はあるけれど違うものを挟むということが「インターリーブ」です。
実験でも実証
カリフォルニア大学ロサンゼルス校のRobert Bjork博士が行った実験でインターリーブの効果が実証されています。
さまざまな絵画をリストアップして、一方のグループは作者ごとにグループで覚える「ブロック学習」、もう一方のグループではランダムに表示する「インターリーブ学習」をして、それぞれの特徴を掴んでもらいます。その後、新たに絵を示し、どの画家の作品か当てるというテストをしました。
すると、ブロック学習を行った前者のグループの正解率は50%、インターリーブ学習を行ったグループでは65%という結果になったのです。この他にも、スポーツテストなどでインターリーブ練習を行ったグループのほうが良い結果を残したという実験もなされています。
インターリーブでは、ひとつのことだけでなく、さまざまなスキルの向上が積み重なっていきます。これは、同じ時間をかけてひとつひとつのスキルを向上させていくより、はるかに大きな学習効果があるのです。
また、心理学者であるエビングハウスが提唱した分散効果も利用することで、より効果的に勉強することができます。これは、長時間集中して勉強を1回するより、長い時間をかけて数回学習したほうが学習効果が高いというもの。一度勉強してから間隔をあけて再び学習した後には多くのことを覚えられるからです。
勉強に限らず、スポーツなど、何かを習得する時にこれらのことを心に留めて、ぜひ効果的に物事を学んでみてください。
(参考) ダイヤモンド社 書籍オンライン|反復学習よりも効果大!学習に変化を取りいれる「インターリーブ」のすごさ| 理化学研究所|理化学研究所 運動学習の記憶を長持ちさせるには適度な休憩が必要 WIRED|WIRED その常識は間違い?:効果的な学習法 wikipedia|インターリーブ