「あなたの文章はわかりにくい」
こんな台詞、今までに一度くらいは言われたことがありませんか?
読書感想文や現代文の記述問題、大学のレポートに会社の資料。年齢や職業に関係なく、現代人は文章とは切っても切れない世界に生きています。自分が書く文章によって、周囲から評価される場面も多いもの。自分の書いた文章が他人にとって読みにくいだけで、人生損をしていると言えるのです。
しかし、読みやすい文章の書き方を勉強する時間なんてないという人も多いことでしょう。
そこで今回は、あなたの文章が劇的に読みやすくなる5つのコツを紹介します。
文章を書き出す前に思い出して欲しい2つのコツ
コツ1:誰に何を伝えたいのか明確にする
文章はいきなり書き始めてはいけません。
行き先も決めずに船を操縦し始める人をまともな船長と呼べるでしょうか。普通の船長なら、まずはどこに行くか(ゴール)を決めて、そのために最適なルートを導き出して進むはずです。
ですからまずは、あなたの文章で誰に何を伝えたいのかという「ゴール」を決めましょう。
読書感想文の場合なら、誰が書いたどの本について、どのような感想をどんな人に伝えたいのか。 会社の企画書ならば、その企画とは、いつどこで、誰が誰に、どんな商品やサービスを、なぜ提供するものなのか。
まずはじめに、あなたが文章を書く理由をはっきりさせましょう。
コツ2:構成を立てる
次に構成を考えましょう。構成とは、文章の要素の組み立て方のことです。
例えば読書感想文であれば、「なぜこの本を読もうと思ったのか」「文体が魅力的だと感じた」「本を読んでこのように思った」など、伝えたいことが多々あると思います。この場合は、
1:本を読んだ理由 2:本の魅力(文体、テーマ、登場人物など) 3:本を読んで思ったこと
というように、伝えたいことをカテゴリごとにまとめてみてください。大雑把に文章の目次を書くぐらいのイメージで大丈夫です。
文章を書きながら意識して欲しい3つのコツ
コツ3:一文を80文字以内に抑える
文章は長いほど情報量が増えますが、一方で、読み手に理解するための負荷を与えることになります。先生や教授、上司にクドクドと長い話をされ、理解が追いつかなかった経験は誰しもあるでしょう。これと同じことが文章にも言えるのです。
1968年の発行以来、戦後ベストセラーの第2位としていまも売れ続けている松下幸之助氏の著書『道をひらく』も、一文が短くなっています。特に導入部分の「道」という見出しでは、最長でも一文が42文字しかありません。
そこでまず、一文を松下幸之助氏の2倍である80文字以内で書くことからチャレンジしましょう。ちょっと長く書いているなと感じたら文字数をチェックしてください。80文字を超えているならば、一文を二文に分割すると良いでしょう。
コツ4:主語と述語は近づける
主語と述語が遠い場所にあると、「主語に対して、どの語が述語なのか」がわかりにくくなります。その結果、「誰が何をしているのか」の補足を読み手の脳にお願いすることになり、読みづらい文章だという印象を与えてしまいます。
例えば、
「春の訪れを告げるような満開の桜が、日本の古都である京都の中央にゆっくりと流れる鴨川の両岸に咲き誇っている」
よりも
「日本の古都である京都の中央に、ゆっくりと流れている鴨川。その両岸に、春の訪れを告げるような満開の桜が咲き誇っている」
の方がイメージしやすいのではないでしょうか?
主語と述語の位置が適切かどうかを確認するには、文章を書きながら実際に声を出すか、頭の中で声を出して読んでみましょう。普段より時間がかかると思いますが、もし文中の主語と述語が遠ければ違和感を覚えるはずです。その時には順番を修正しましょう。
コツ5:曖昧な言葉をなくして断定する
「とか」「ような」「みたいな」といった、それ自体には特に意味がなく、言っても言わなくても文が成立する言葉は使用を控えたほうが良いでしょう。
特に若い世代に多いようなのですが、会話では当たり前に使っているようなワードでも、文章で使うと、読み手に幼稚な印象を与えます。
「この文章にはAとかBとかCみたいな要素が含まれています」 「この文章にはAやB、Cといった要素が含まれています」
どちらが読みやすいかは明白ですね。書き終わったら文章を再度チェックして、できるだけ曖昧な要素は省いてしまいましょう。
*** 今回紹介した5つのコツは、それぞれ1分くらいで実行できる簡単なものなので、文章を書く際には是非取り入れてみてください。たった5分の努力で、きっとあなたの文章は劇的にわかりやすくなるはずです!
(参考) 大久保進著(2016),『「わかりやすい」文章を書く全技術100』,クールメディア出版. 株式会社LIG|文章を書くのが苦手な人もわかりやすい文章を書ける10のポイント STUDY HACKER|文章を書くのが苦手? わかりやすい文章をつくるための “論理展開” の基本