「頭が働かない…」の原因は空気の悪さにあった。注意力や記憶力を下げる “低酸素習慣” を今すぐ回避せよ。

正常な脳機能を維持するために、酸素は必要不可欠です。それを重々承知していながら私たちは、無意識のまま「低酸素習慣」を持ち続け、仕事や勉強のパフォーマンスを低下させています。低酸素が及ぼす影響と、その悪影響を回避するコツを紹介します。

酸素が薄いとワーキングメモリに悪影響

チベット大学―華南師範大学高原脳科学研究センターなどが行った研究によると、酸素が薄い場所での生活は、注意力や記憶力の低下を招く可能性があるそうです。

『Brain and Behavior』に2019年3月20日付で公開されたこの研究では、40人の参加者が、言語的および空間的なNバック課題(ワーキングメモリを評価する実験課題)を行いました。

ERP(事象関連電位:刺激に対する脳の反応)を用い、酸素の薄い高地で3年間暮らしていたグループと、低地のみで暮らしていたグループのパフォーマンスを比較して、以下2点の記憶力に与える影響を調べたところ、高地グループの反応の正確さは、低地グループと比較して有意に低かったのだとか。

【空間記憶】:自分の環境や空間的な情報を記録する役割を担う、記憶の一部 【言葉による記憶】:何かを覚え、その記憶を使って活動する能力

CO2濃度が高いと意思決定能力が低下

また、 2012年9月に『Environmental Health Perspectives』でオンライン公開された、米ローレンス・バークレー国立研究所とニューヨーク州立大学の研究では、屋内の高い二酸化炭素(CO2)濃度が、人々の意思決定能力を著しく損ねてしまうと見出しました。

この研究の参加者24人は、9段階の意思決定能力において、1,000 ppm の CO2レベルで6段階が有意な減少を示し、2,500 ppmで7段階が大幅な減少を示したそう。ちなみに、最も劇的にパフォーマンスが低下したのは、イニシアティブをとって、戦略的に考えることだったそう。

優秀なビジネスパーソンほど、状況を有利に導くイニシアティブの取り方を心得ているといいます。また、目的の達成には、戦略が必要不可欠です。

したがって、酸素が薄い(CO2レベルが高い)ことによる悪影響は「注意力や記憶力の低下」のみならず、「意思決定能力の低下」もあるということ――つまり、低酸素は、仕事や勉強のパフォーマンスを低下させるということです。

知らず知らずのうちの「低酸素習慣」

前項の研究を行ったバークレー研究所の科学者ウィリアム・フィスク(William Fisk)氏は、「2,000〜5,000ppm の CO2は、人間のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性がある」と報告していた2件の小規模な研究と出会い、当該研究を行おうと決めたのだとか。

一般的に、屋外の CO2濃度は約380 ppm。オフィスビル内の CO2濃度も、通常であれば1,000 ppmを超えませんが、室内濃度は最大で3,000 ppmを超えることがあるそう。たとえば学校の教室や、会議室多くの人々が忙しく仕事をするオフィスなどです。

カフェやコワーキングスペースなどのほうが、仕事や勉強が捗るように感じられるのは、適度な雑音が集中を助けてくれるだけではなく、換気のよさが影響している可能性もあるということ。

しかし、人は集中しようとするほど休憩を忘れ、酸素が少なくなったオフィスを離れなくなり、すっかり酸素を奪われた会議室で部署ごとのミーティングを継続し、その場で重要な判断をしてしまいがちです。

それこそが、注意力や記憶力に、意思決定能力までも低下させる「低酸素習慣」なのです。

「低酸素」による悪影響を回避するコツ

会議や授業、あるいは厳粛なオフィスで、一個人が状況をコントロールするのは難しいかもしれませんが、「低酸素」による悪影響を回避するコツはあります。まず第一には、可能な範囲で【換気】をすること。それ以外は、以下のとおりです。

・フリーアドレスなら窓の近くを選ぶ ・授業の合間の休憩時間は空気のいい場所でリフレッシュ ・会議の途中休憩で椅子に座ったままはNG。必ず会議室の外へ ・会議やミーティングがひどく長引いたら自分の意志でトイレ休憩 ・会議中あるいは終了直後(同じ場所で)は、できるだけ重要な意思決定をしない ・会議中あるいは終了直後(同じ場所で)は、できるだけ重要な戦略を立てない ・作業が捗らない、ミスが多いと感じたらすぐ空気のいい場所へ

集中できない、いい考えが浮かばないと、空気が薄い場所で考え込んでも状況は改善しません。まずは、換気が十分な場所へいき、たっぷりといい空気を脳に送り込みましょう。

*** ぜひ十分に酸素を確保して、仕事や勉強のパフォーマンスを高めてくださいね!

(参考) Wiley News Room – Press Releases|Study Examines How High Altitude Affects Memory Wiley Online Library | Brain and Behavior|Long‐term exposure to high altitude attenuates verbal and spatial working memory: Evidence from an event‐related potential study Berkeley Lab|Elevated Indoor Carbon Dioxide Impairs Decision-Making Performance 未来を変えるプロジェクト by パーソルキャリア|なぜ、カフェに行くと仕事が捗るのか? 理由は空間の「◯◯◯濃度」

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