限られている時間を濃いものに! 成功者たちが意識する「時間対効果」という考え方

本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏は、以下のような言葉を残しています。

時間だけは神様が平等に与えて下さった。これをいかに有効に使うかはその人の才覚であって、うまく利用した人がこの世の中の成功者なんだ。

(引用元:癒しツアー|時間の名言・格言

1日の時間は有限だからこそ、ひとときも無駄にせず有効に使いたいものですよね。しかし一方で、何も意識をしていなければあっという間に過ぎ去ってしまうのもまた事実。「ぼーっとテレビを観ていたら、気づいたら1時間も経っていた!」なんて経験のある方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「時間対効果」という考え方に注目して、限られた時間を有効に使うための方法について探っていきます。

「時間対効果」とは

そもそも「時間対効果」とはどういった考え方なのでしょうか。

「費用対効果」という言葉は、きっと多くの方が耳にしたことがあるかと思います。「かけた費用に対してどれくらいの成果があったか」という意味ですね。

一方で、今回取り上げる「時間対効果」は、この「費用対効果」の “費用” を “時間” に変えたもの。「かけた時間に対してどれくらいの成果があったか」を意味しています。もともとは電動機器の作業効率を示す際に用いられていた言葉ですが、近年ではビジネスの世界でもよく使われているようです。

例えば2倍の成果を生み出すことができたとしても、かけた時間も2倍であったとしたら、それは時間対効果という側面から見れば決して成功とは言えません。「成果をあげるためにただやみくもに時間を費やすのではなく、限られた時間の中でいかに効率よく成果を生み出すか」という視点を持つことが、時間対効果を考えるうえでは大切になってくるのです。

1日が24時間というのは人間誰でも同じです。それでも歴史上の名だたる成功者たちが「成功者」と呼ばれるゆえんは、ほかの人が普通に24時間過ごしているところで24時間分以上の成果を生み出し、それを長い年月をかけて高く高く積み上げていったからだと言えるでしょう。

このように、時間の使い方や過ごし方そのものを変えることで、私たちは自分に与えられた有限な時間を「濃いもの」にしていくことができるはず。それでは、その具体的な方法を見ていきましょう。

有意義に過ごす時間を増やすために、1日をレコーディングする

今こうして過ごしている時間に意味や目的を見出せないと、私たちはいったい何をしていいのかわからず、結局だらけたり集中力が散漫になったりしてしまいます。そこで、意味のある時間を自分で生み出すところから始めましょう。

そのためにまず行なうのが、1日のレコーディング。つまり、自分の普段の1日に着目し、そこで行なったこととそれぞれに費やした時間を書き出していくのです。このように自分の1日の時間の使い方を可視化してみることで、目的のない時間や効率の悪い時間が浮かび上がってきます。それがわかったら、次は1日の理想の流れを書き出して、その通りに実行してみましょう。

ただし、これは「休む時間を設けるな」と言っているわけではありません。大切なのは「〇〇をする時間は〇〇をする」「休む時間はしっかり休む」と、それぞれの時間に明確な意味を与えてあげること。このように、過ごす時間にはっきりとした目的を持たせてあげることで、時間の使い方が良い方向に変わっていきますよ。

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シングルタスクをマルチタスクを上手に使い分ける

時間対効果を上げるという話になりますと、その手段として、同時に多くのタスクを進めていく「マルチタスク」をまっさきに思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、ただやみくもに全てをマルチタスクにしてしまっては逆効果。人間の脳は基本的にひとつのことに集中するようにできていますから、例えばプレゼンテーションの資料を作りながらチャットでミーティングを行なうといった、複数の思考を要するマルチタスクは、かえって脳の効率を低下させてしまうのです。

とはいえ、やり方さえ誤らなければマルチタスクも有効。そこで、ここでは「シングルタスクとマルチタスクを使い分ける」ことをおすすめします。

1. 締め切りを細かく設定してシングルタスクに集中する

まずはシングルタスクです。先ほども述べた通り、人間の脳は基本的にひとつの物事に集中することに特化しています。そこで「とことん集中する」というのがこの方法です。

例えば締め切り間近のものに取り組むとき、否が応でも集中しますよね。この心理を応用し、「〇時までにここまで進める」「次の△時までにはここまで終わらせる」と、作業を区切って締め切り時間を細かく設定しながらひとつのタスクを進めていきましょう。

「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というパーキンソンの法則の通り、締め切りが遠くにあると、私たちはつい油断してだらだらと仕事を進めてしまいがちになります。タスクを分割してそれぞれに締め切りを設定してあげることでそれを防ぐことができますし、無駄な作業や工程を排除しようという意識も高まりますから、時間対効果も上がっていくはずです。

2. 頭を使っていない時間でマルチタスクを行なう

次にマルチタスクです。先ほど「複数の思考を要するマルチタスクは作業効率を低下させる」と言いましたが、これは裏を返せば、複数の思考を要さないマルチタスクであれば問題ないということでもあります。

そこで、身体的行動と思考を要する行動を同時に行なうことをおすすめします。例えば、電車での通勤時間でメールの返信を済ませる、昼食をとりながら新しい企画について考えを巡らせる、といった具合です。

頭を使っていない時間があるならば、ぜひこの方法を活用してみてはいかがでしょうか。また、1日をレコーディングする際にも、この方法をうまく使えそうな時間がないか検討してみるとよいでしょう。

*** 1日が24時間というのは変えることはできません。しかし時間の使い方次第では、24時間以上の成果を生み出すことができるはず。

「時間対効果」を高めるためにも、ぜひ今回お伝えした方法を実践してみてください。

(参考) 癒しツアー|時間の名言・格言 QualityTime Consulting 株式会社|時間対効果 All About NEWS|睡眠時間を最適化しながら1日を27時間化するための時間術 東洋経済オンライン|あえて「1日6時間労働」と決める絶大な効用 谷本有香 著 (2015),『世界トップリーダー1000人が実践する時間術』, KADOKAWA.

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