みなさんは、覚えた言葉をスムーズに思い出すことができますか?
試験前など、覚えたい言葉を必死に何度も書いたり、聴いて覚える人が多いと思います。しかし、覚えなければならないものがたくさんある時には、その作業がだんだん辛くなってきてしまいますよね。
今回は、書いたり、聴いたりする代わりに早口言葉を利用して記憶したい言葉を覚える方法についてお伝えしたいと思います。
早口言葉のメリット
みなさんは、早口言葉は得意ですか?
早口言葉は、「生麦生米生卵」や「隣の客はよく柿食う客だ」など、連続で言うにはやや言いにくい言葉を早口で言う遊びです。
京都大学医学研究科教授の福山秀直氏は下記のように言っています。
「早口言葉を話す際、言葉を整理するために、脳は普段の会話のときよりも活発に働きます。そうすると、思考力を担う前頭葉と記憶力の側頭葉が強く連携し、伝達システムが強固になります。特に前頭葉は、覚えた言葉を探すときによく働きます。これは、サーチ機能が脳細胞を刺激するため。早口言葉は“読む”よりも、“覚えて声にする”ほうがいいでしょう」
(引用元:リビング京都|あなどれないメリットがたくさん 早口言葉って深い!)
ただの言葉遊びだと思っていた早口言葉には、記憶力をアップさせる効果があったのです。
また、東北大学加齢医学研究所所長である川島隆太氏によると、自分にとってぎりぎりの速さでぎりぎりの難易度の問題をやると、脳のコンピューターが素早く動くようになり記憶容量が増えるのだとか。
早口言葉は、できるだけ早く、できるだけ正確に言うことを目的とするものですから、書いたり、聞いたり、また普通に音読しながら覚えようとしたりするよりも脳の記憶容量を増やすには適しているといえるでしょう。
暗記したい言葉は早口で
例えば、偉大な美術家である「パブロ・ピカソ」の本名は「パブロ・ディエーゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピーン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」というとても長いもの。たくさんある文字を見ただけでやる気を失ってしまうという方もいらっしゃると思います。
ですが、そのような人でも「寿限無」なら一度くらいは練習したことがあるのではないでしょうか?
「寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 藪ら柑子の藪柑子 パイポ パイポ パイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの 長久命の長助」
これを全て言い切ろうとするとどういうわけか自然と早口になってしまいませんか?
始めは途中で詰まってしまったり、なかなか思い出せなかったりするかもしれません。しかし、諦めずに何度も繰り返し早口で練習しましょう。ポイントは、しっかりと声に出すこと。
そうすれば、脳が言葉を思い出すよりも先に口が動いてしまうようになるはず。そして、自然と言葉が記憶に残るようになるのです。
*** 自分1人で練習するだけでなく、家族や友人と早さを競い合ってみるとさらに覚えやすくなりますよ。みなさんも覚えたい言葉があれば、ぜひ早口言葉を利用してみてください。
(参考) リビング京都|あなどれないメリットがたくさん 早口言葉って深い! リビングおかやま・くらしき|「早口言葉」読んで、覚えて声に出せば脳の働きが活性化! Mugendai|「脳トレ」の川島隆太教授——少子高齢化社会を活性化する「スマート・エイジング」