運動は健康維持や脳のパフォーマンス向上に役立つといわれていますが、どうやら性格にも影響を及ぼすようです。運動不足だと感じているビジネスパーソンの方々に、最新の心理学研究と、忙しくても少しだけ運動不足を解消できる方法をご紹介します。

ビッグファイブ理論

人間の性格は、学術的な尺度で分析することが可能です。それは、ビッグファイブ(性格特性の主要5因子)というもので、世界中の心理学に関する論文で使われるほど、信頼性が高い指標なのだとか。ビッグファイブと呼ばれる5つの特性は以下のとおり。

【外向性】:人とのコミュニケーションに対する積極性
【共感性】:他者とのやり取りにおける傷つきやすさ、気持ちの安定性など
【開放性】:どれほど新しいことに対しオープンになれるか、想像力の程度など
【誠実性】:周囲の人や、物事に対する責任感や計画性がどの程度か
【調和性】:周囲に同調する・従うといった行動ができるか

そして、運動不足はこれらの特性を低下させてしまうというのです……!

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運動不足は誠実性など4因子を低下させてしまう

これまでの調査研究でも、運動不足の人は4~10年後に性格特性が当初よりも低下する傾向が示されていたそうです。そして最近、これに関する過去最大規模の研究が行われたのだそう。

仏モンペリエ大学・心理学者のYannick Stephan氏が率いる研究チームは、1990年代にウィスコンシン州の高校卒業生とその兄弟姉妹に対し、また、全米から参加者を募り、性格アンケートおよび運動習慣・健康状態に関する質問に答えてもらっていたそうです。

それから約20年後、合計約9000人の被験者に、同じアンケートや質問をしたとのこと。そして研究者らが、2つ(高校卒業生らと、全米から募った参加者)の大規模調査研究のデータを統合したところ、運動不足な人ほど、ビッグファイブの中の4つ「外向性・開放性・誠実性・調和性」の低下が平均して大きいことを見いだしたのだとか。

性格特性の主要因子が低い状況とは

コミュニケーション講座などを運営する株式会社ダイレクトコミュニケーションによると、ビックファイブ性格特性診断においては、どの特性が高いか、低いかをまず診断するとのこと。そして、その傾向によってもたらされるコミュニケーションの長所や注意点などを伝えるそうです。

しかし、その高低は人によってバラバラだといいます。そして、高いから良い、低いから悪いということでは決してないのだそう。ある意味、それが個性でもあるからです。

そうしたことから、性格特性の主要因子が低いとしても、極度にネガティブになる必要はありません。とはいえ、決して短くはないスパンで、運動不足が性格特性5つのうち4つの「外向性・開放性・誠実性・調和性」を低下させるとわかっているのですから、予防策をとっておくに越したことはありませんよね。

忙しいビジネスパーソンでもできる効果的な運動

そこで、おすすめしたいのが、忙しいビジネスパーソンも取り入れやすい、2つの簡単で効果的な運動です。

運動1:「かかと落とし運動」

「かかと落とし運動」の方法はいたって簡単。

1.両足でまっすぐ立ち、つま先立ちになる
2.ストンとかかとを落とす
3.これを1日に30回程度、毎日行う。

たったこれだけの運動なのですが、やってみると意外にいい運動になることがわかります。代謝アップのカギを握る「第2の心臓“ふくらはぎ”」を適度に動かすことができ、骨に刺激を与えるので、血液中に記憶力や認知機能を高めてくれる骨ホルモンの「オステオカルシン」を増やすこともできるんですよ。

運動2:「スワイショウ」

「スワイショウ」は中国の健康体操です。太極拳の準備運動としても使われているのだとか。からだの軸が整い、自律神経も整いやすくなるとのこと。こちらも驚くほど簡単です!

<デンデン太鼓>スタイル

1.両足を肩幅くらいに開き、膝を軽く曲げ自然に立つ
2.肩と腕の力をぬいて、腰を軸にして、からだに巻きつくよう腕を左右に振る
※自分がデンデン太鼓になったイメージです。
※めまい、メニエールのある方はお控えください。

<スキー>スタイル

1.両足を肩幅くらいに開き、膝を軽く曲げ自然に立つ
2.肩と腕の力をぬいて、腕を前後に振る(胸の高さぐらいまで振る)
※スキーの際にストックを持った手を前後に振るようなイメージ(ただし腕は曲げない)。
※腕を後ろに振るとき少しだけ膝を曲げ伸ばしすると、よりスキーらしくなりリズムをつかめます。

100回くらいから始めて、次第に回数を増やすことが推奨されています。100回と聞くと「えッ?」と思うかもしれませんが、テレビなどを眺めながら行うとあっという間ですよ。それぞれのスタイルを50回ずつ行うと飽きずにできます。

***
筆者はいつもペーパーフィルターでコーヒーを淹れる際、挽いたコーヒー豆をお湯で少し湿らせて30秒ほど蒸らすのですが、その30秒間で「かかと落とし運動」を30回行い、運動しながらタイマーとしても活用します。そのあと、お湯を注いでコーヒーを淹れる時間を使って「スワイショウ」を行います。コーヒーをじっくり美味しく淹れながら、軽い運動をして頭もスッキリ。ロングスパンでは性格特性の低下も防げるはずですよ。ぜひお試しください!

(参考)
日経サイエンス|運動不足と性格の変化〜日経サイエンス2018年8月号より
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