社外へのメール、教授に提出するレポート、友人とやり取りするLINE、SNSでのコメント……。 私達は毎日、何かしらの文章を書いています。 ところで、あなたが書いているその文章は「正しい文章」ですか? 今回は、日本の出版業界で使用されている文章ルールをご紹介します。
3点リーダー(…)は2連続で使う
余韻や沈黙を表現する時に使用される「…」には、英語で点線・破線を意味する印刷用語のleaderより、「3点リーダー」という名前があります。 この3点リーダー、実は2連続で使用するのが正しい用法です。 ダッシュ(―、ダーシとも言う)も同様に、2つ並べて使いましょう。
感嘆符・疑問符の後には全角スペースを入れる
!や?の後には全角分空白を入れるのがルール。 尚、出版業界では感嘆符及びそれに類する記号類を控えるというルールも存在しています。
かっこは使い分ける
「かっこ」で変換すると、様々な「かっこ」が表示されます。 その中には、日本語の文法上、決まった用途で用いられるものがあります。
・「」(カギかっこ)は、主に会話文、引用文で使用されます。 強調する部分を抜き出す場合にも使われます。
・『』(二重カギかっこ)は、書籍や雑誌名を表すのに用いられます。 また、「」内のセリフとしても使用されます。
・()(丸かっこ)は、語句の説明を補足する場合に使います。
・“”‘’(クオーテーションマーク、quotation mark)は、その名の通り、「引用(quote)」する際に使用されるかっこです。 ちなみに、日本名では「ちょんちょんかっこ」という可愛い呼び方をされます。
他にも<>、[]、{}、【】など多数のかっこが存在していますが、例えば【】は強調に用いるなど、同一文章内でのかっこ使用ルールを決めておくとまとまりが出て読みやすくなります。
ちなみに<>(不等号)と〈〉(山かっこ)は別物です。
かっこと句点との関係
かっこ内に句点を入れるか否かに関して、「~でした」と「~でした。」であれば、よく見かけるのは前者ではないかと思います。 実際、書籍や雑誌等のルールでは」(かっこの受け)があれば文末を表すことは明白なので、句点は省略することとされています。 ただ、学習指導要領ではかっこ内に句点を入れることとなっており、どちらも誤りではありません。
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如何でしたか。 今まで、正しいルールに則った文章を書けていたでしょうか。
ただ、大切なのは、ルールに従って厳密に書くという行為そのものではなく、共通ルールの下で相手にとって分かり易い文章を書こうとする、思いやりの心だと考えています。
読み手があっての文章ということを、何かを書く際に念頭に置いて頂ければと思います。
参考: 編集の学校(監修) 『ライターになるための練習問題100』(雷鳥社) 文士・起源探求家 松永英明の絵文禄ことのは|句読点の使い方 わかりやすい日本語を書くために|文章表現