「良い出だしが思い付かない」 「まだ構成がまとまっていない」
ちょっとしたコラムや手紙、メール、ビジネス書類まで、文章作成というものは、なかなか思うように進まないですよね。
その際に、ほとんどの人がパソコンを使用していると思いますが、ライティングに適したパソコンの利点を今一度知ることで、文章作成のスピードをあげることができます。まさに仕事開始機といえるでしょう。
文章作成のスピードが上がらない人は、もしかしたらその利点に気が付いていないかもしれませんよ。
そこで今回は、そんなライティングスピードに悩む方に、今回はパソコンでの文章作成の利点とコツを紹介します。
書き出しに悩むな
パソコンの利点のひとつは、書き出しに悩まなくて済むことです。
手書きだと初めの一文をしっかり書かないと、その後に言葉を続けられませんが、パソコンならいくらでも修正できます。決まりの悪い冒頭になってしまったなら、あとで手直しすれば良いだけです。
また、書き出しに悩むくらいならば、飛ばしてしまっても構いません。本題や自分の意見など、文章の核となる部分から書き始めてしまいましょう。論文においても、最初に自分の論や論拠、結論を書いて、序論は最後に仕上げることが推奨されています。
芥川賞作家である藤原智美さんも、文章は何回も推敲しながら作るものであり、一行目にこだわらず、思い付くところから素直に書くことを薦めています。
最高の書き出しを求めて長考するよりも、まずは書く。書けないなら飛ばして、あとで考えてみてはいかがでしょうか。
構成は途中で変えられる
パソコンでは、文字の移動やコピーアンドペーストが簡単にできます。つまり、書いた文章の順序を手早く入れ替えられるのです。これは手書きにはない機能ですよね。
そのため、まず思ったことや言いたいことを全て書き出し、論理的に並べ替えて、しっかりした構成に直すという手法が取れます。
例えば、企画書を書く場合、アイデアやデータ、必要な予算、現状の問題点などを思いつく順に書きなぐります。その後に、現状の問題点とそれを解決するアイデア、アイデアの論拠となるデータ、必要な予算と並び替えるのです。そうすることで書きなぐった文章の束から、論理的な構成を導くことができます。
ベストな構成を考えるあまり、書き出すのに時間がかかり過ぎる完璧主義者には、この方法がオススメです。
いらない言葉はいつでも消せる
文章の価値を下げるいらない言葉は、パソコンなら簡単に消すことができるのです。
ベストセラー「『超』文章法」で知られる野口悠紀雄氏を筆頭に、多くの文章のプロに共通する意見が、文章で大事なことは「捨てること」だといいます。
余計な言葉が残ると論理の順序がおかしくなり、印象が薄くなったり、読みにくくもなることがあります。これが手書きだと、ある言葉を入れるべきか入れないべきか、書いている最中に延々と悩んでしまうこともあるでしょう。また、途中で不必要な言葉に気付いても、修正が面倒ですよね。
その点、パソコンなら書いた文章に対して、「違う、いらない」と思った瞬間にすぐ消すことができます。あるいは、最後に見返しながら不必要な部分を消して、上手く前後を繋ぐことも簡単です。
言葉を削り、修正することが容易であるならば、書き過ぎることは問題ではありません。せっかく書いたからと、消すのを恐れるあまり、あなたが文章を書けないことの方が問題なのです。
*** 文章を書くのが遅くて困っている方は、これらのポイントを意識してみてください。仕事開始機であるパソコンの力を引き出し、生産的なライティングを身に付けましょう。
(参考) 野口悠紀雄著(2002),「超」文章法, 中公新書 藤原智美著(2011), 文は一行目から書かなくていい - 検索、コピペ時代の文章術, プレジデント社 石田章洋著(2014), スーパー速書きメソッド, マイナビ新書 竹内謙礼の「キャッチコピー・文章術」|文章を上手に、そして早く書くための「3つのルール」