みなさんは1日にやるべき勉強や仕事をどのように決めていますか? 上司に振られた仕事や目の前の参考書、日々のタスクを全部こなそうとしていませんか?
資源(時間や体力、集中力)が無限にあれば、全てのタスクを100%のクオリティでこなすことができますが、現実的には人の資源には限りがあります。つまり、日々のタスクを全てこなそうという勤勉な姿勢は、時に非効率的・非生産的といえる場合があるのです。
限りある資源をいくつものタスクに分散させてしまうと、ひとつひとつの作業の質が低下します。すると、良い仕事や勉強にならないばかりか、上司のフィードバックやテストで良い結果が出ないという悪循環に陥りかねません。
そこで今回、上手な優先順位の付け方として「5本指チェック」をオススメします。手のひらを眺めながら今日やるべきことが何か考えてみましょう。
5本の指の長さはタスクの優先度
自分の手を見てみてください。5本の指にも長さがあり、最も長いのが中指、次に長いのが人差し指と薬指の2本、それに続いて小指、最後に親指があります。
そこで今日やるべきタスクを5つ思い出したら、指の長さをタスクの優先度として割り当ててみましょう。100%の力で取り組むべきタスクを中指に、80%で取り組む2つのタスクを人差し指と薬指に、70%以下の力で流す小指のタスクを1つ決めます。
最後に残った親指のタスクは捨てて大丈夫です。このタスクに関しては、やらないことを決めたり、相手がいる場合はやらない合意を取るか締め切りを伸ばしたりします。もしくは、やったフリをしてしまいましょう。
重要でない下位2つのタスクに力を注ぐくらいなら、上位3つのタスクに資源を集中するべきです。これはマーケティングにおいても「選択と集中」という一般的な概念になっています。
競争力のある事業を「選択」し、経営資源をこの選択した事業に「集中」するという経営手法、あるいは経営理論。
(引用元:コトバンク|選択と集中)
タスクの重要度の判断方法
では、それぞれの指に対応するタスクの重要度はどう判断すればよいでしょうか。つい、自分がやりたいことを優先し、面倒だったり、やりたくないことは後回しにしてしまってはいませんか?
何のためにそのタスクをこなさなければならないのか、その先のことを考えていきましょう。
例えば、ビジネスであれば“仕事のインパクト”です。会社にとって重要であり、成功すると評価されるタスクを狙って打ちましょう。そのほうが会社にとって利益であり、自分の出世にも繋がるはずです。
勉強ならば“自分の弱点分野の補強”です。得意な科目を10点伸ばすことと、苦手な科目を10点伸ばすことならば後者のほうが圧倒的に効率が良いでしょう。苦手で伸び代がある分野の方が重要度が高いといえます。
この「5本指チェック」は1日のタスクだけではなく、月間や年間の目標設定の際にも役立てることができます。朝、家を出てバスや電車に乗っている時には、指を見つめて優先順位を付けることを習慣にしてみてください。1日が驚くほど効率的かつ生産的になるはずです。
(参考) 森岡毅(2016),『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』,角川書店 nanapi|毎日1時間半の勉強で覚えれる!?1時間半勉強法がオススメな理由 コトバンク|選択と集中