「超一流」の独学力。「二流どまりの人」の独学力。両者を決定的に分ける “4つの習慣”

超一流の独学力01

見通しのつかない社会情勢や働き方の変化。何が起こるのか予測不可能な現代では、「独学力」をつけて自ら学び続けることの重要性が高まっていると言われます。

しかし、「独学を始めてみたいがそもそも何を学べばいいかわからない」「独学を始めたはいいものの、実際のところ何に活かせるのだろう……」そんな不安を感じる人もいるでしょう。

今回の記事では、社会で活躍する一流の人たちが説く独学法を4つお伝えし、独学力の高め方を考えていきます。一流の独学力を知ることで、あなたの未来につながる学びのヒントを得られるはずです。

【超一流の独学力1】好奇心がかき立てられる “テーマ” を学ぶ

独学を始めようとしても、「何を勉強したらいいのだろう」「今後求められる分野は何だろう」と迷う人もいるかもしれません。独学を極める一流と、いまひとつ学びきれない二流どまりの人とでは、独学に入る前の戦略に違いがあります。

『独学の技法』著者で独立研究者の山口周氏は、多くの人は「自分のいる環境を前提に、何を学ぶべきかという戦略を立てている」と指摘。たとえば、部下をもつようになったから、マネジメントやリーダーシップ論の本を読む、というようなことです。

しかし、それはあくまで “多くの人” が考えること。決まりきったやり方で教科書的な知識を得るだけでは、独自の視点をもてず、学びが真に自分の強みとならない……。これが二流どまりの人の独学力なのです。

では、一流はどういう戦略を立てるのでしょう。「どんな領域で力を発揮したいか」「何を心から学びたいのか」――この両者をダイナミックにとらえる必要がある、と山口周氏。そこで提案するのが、「哲学」や「経営学」などのジャンルではなく、「テーマ」から戦略を練ることです。特に自分が心の底からワクワクできるテーマであることがポイントだと述べます。

実際に山口周氏自身が選んでいるテーマは、「イノベーションが起こる組織とはどのようなものか?」や「美意識はリーダーシップを向上させるのか?」などだそう。テーマとは、つまり自分が追求したい論点のことなのです。

普段の仕事や関心のあるニュースから、「自分が心の底からワクワクできて、追求したいと思える論点」を探してみてください。それに着目し、どんな分野の本から学ぶのか、どのような勉強をするのか、戦略を立てましょう。

超一流の独学力02

【超一流の独学力2】“独自の勉強法” を確立している

勉強法に関する情報が多くあふれる昨今、「独学を成功させるには、特別なテクニックが必要だろうか」と心配になりますよね。じつは、独学力の本質はそこではありません。一流と呼ばれる人は、あることを守っていました。

塾に通うことなく東大受験や司法試験に合格した山口真由氏(信州大学特任准教授)は、「勉強ができる人」とは「自分の勉強法を確立している人」だと言います。結局のところ、自分に合う勉強法は人によって違うもの。「知識を得て、理解する」。このプロセスを、自分自身が最も短時間で効果的に行なえる方法を知っている人が、超一流の独学力をもっている人なのです。

『東大教授が教える独学勉強法』の著者柳川範之氏(東京大学経済学部教授)も、本格的に独学を始める前に、「自分の勉強のコツ」をつかむことにウェイトを置く必要があると言います。

学ぶ対象が決まったら、いきなり勉強する。成果が出るまでの辛抱だとばかり、合わない勉強法に無駄な時間を費やす……。このように「自分のやり方」を試行錯誤しないまま勉強を始めても、成果が伸びず、苦しい努力に。これが二流どまりの人の独学力です。

では、一流の人たちは実際にどのような勉強法を確立したのでしょう。柳川氏の場合は、覚えるときは必ず理論に引きつけるという勉強法。山口真由氏の場合だと、有名な「7回読み勉強法」です。山口真由氏は、得意な「読む」ことを活かしてこの勉強法を編み出し、難関試験を突破してきたと言います。(※7回読み勉強法についてはこちらの記事を参照最速で確実に結果がついてくる「7回読み」勉強法——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第1回】

こうした成功者の先例を試しながら、無理なく続けられ、効果が実感しやすい方法を見つけだしましょう。そして、高い独学力を支える自分なりの勉強法を模索してください。ただし、山口真由氏いわく、独自の勉強法は改善しても、変えてはいけないとのこと。むやみにほかの方法へと迷うことなく、継続することが大切です。

超一流の独学力03

【超一流の独学力3】疑いながら読む

本の読み方次第で、独学の質は変わります。もし、あなたが本を素直に読んでいるのだとしたら、二流どまりとなる可能性も。

柳川氏は、本の内容をきっちり覚える必要はないと言います。なぜなら、そのまま素直に頭に入れようとすると、内容を理解できないままになってしまうおそれがあるから。しっかり咀嚼して理解に落とし込まなければ、学びとは言えないのです。

では、独学の読書ではどのような姿勢が求められるのでしょう。柳川氏がすすめるのは、内容をいったん押し返してみること。本の内容に対して「本当に正しいのだろうか?」「別の事例はないだろうか?」と、疑い、反論しながら読むのです。

実際に、柳川氏自身も、本や論文、新聞などを読む際はこのやり方で批判的に読むそう。情報をうのみにすることはないと言います。

「これは著者の主観ではないか」「反対のことも言えるのではないか」「この根拠は信頼できるのか」などと多方向から疑い、頭のなかでさんざん反論する習慣をつけましょう。「疑った結果、やっぱりこれは正しい」と納得する。この過程を経て、本当に理解できたと言えるそうです。「まずは疑う」ことから始めるのが、一流の独学力なのですね。

超一流の独学力04

【超一流の独学力4】知識を “外に” ストックする

仕事や社会生活に活用できるような知識を独学で得るには、とにかく覚えることに注力すればいいのでしょうか? いいえ、それは二流どまりの人の独学法。一流の人は、知識を頭だけではなく、違う場所にもストックしています。

前出の山口周氏によると、大量かつ良質な情報を自由自在に活用するためには、「記憶に頼らない」という心構えをもつことがポイントだそう。そもそも脳内の記憶容量を考えれば、学んだ内容すべてを記憶するのは非現実的。それゆえ「記憶頼りにアウトプットを行なうと、貧弱なものにしかならない」と言うのです。

では、一流は独学で得た知識を活用するために、どのようなやり方をとっているのでしょう。山口周氏が実践しているのは、本にアンダーラインを引き、そこから抜粋したものを転記しておくという方法。こうすれば、限りある記憶力にのみ頼らなくてすむほか、あとから有益な情報だけを検索できるのです。

アンダーラインを引くべき箇所は、以下の3つだとのこと。

  1. 「事実」……あとで参照することになりそうな興味深い事実。
  2. 「洞察や示唆」……興味深い事実から得られる洞察・示唆。
  3. 「行動」……洞察や示唆から得られる行動指針。

そのあとで本を読み返し、「おもしろい」「やはり重要だ」と再度気づかされたものに付箋を貼ります。そして、そのなかから選り抜いた最大9箇所を、検索機能のついた別の媒体に転記するのだとか。ちなみに、山口周氏自身はEvernoteを活用しているそうです。

転記をする最大の目的は、「忘れる」こと。ビジネスで知的活動をするためにも、学んだことを忘れて、脳内のワーキングメモリのスペースを広く保つことが大切だと山口周氏は言います。一流は、脳に負荷をかけない方法で多く知識をストックし、必要に応じて引き出せるようにしておくのですね。

独学のあとは、知識を自在に使えるよう記録する習慣をつけましょう。あなたの知的ストックが厚ければ厚いほど、アウトプットの質も高くなりますよ。

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記事で紹介したものを参考に、あなたの独学力を高めてみてくださいね。自ら学ぶ力がつくほど、変化に動じない一流のビジネスパーソンになれるのですから。

(※記事中の人物の肩書は記事公開当時のものです)

(参考)
flier|『独学の技法』著者に聞く、知識を「使える武器」に変える方法
山口周(2017),『知的戦闘力を高める 独学の技法』,ダイヤモンド社.
STUDY HACKER|勉強が「できる」とは「楽に、楽しめる」こと。シンプルに、学ぶことを “好き” になればいい
STUDY HACKER|最速で確実に結果がついてくる「7回読み」勉強法——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第1回】
柳川範之(2017),『東大教授が教える独学勉強法』,草思社.

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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