昨年できなかったことを、今年こそは実現するために。「実現力の高め方」3つの基本

より実現しやすいという意味での目標のブレイクダウンの図解

昨年、目標を達成できずに悔しい思いをしたのなら、今年はまず実現力の向上に励むことをおすすめします。目標達成への道のりが、ぐっとラクになるはずですよ。行政機関の資料や識者の言葉をもとに、実現力を高める方法を3つ紹介しましょう。

実現力とは

総合人材サービスの「ヒューマントラスト」サイト内のコラムでは、ビジネスシーンにおける実現力をこう説明しています。

同僚や上司、取引先などの人、情報や経験、お金などを動かしながら実際に戦略を遂行し、目標を達成させる力

(引用元:ヒューマントラスト|「実現率」の把握によって高まる「実現力」

また、株式会社資産工学研究所 代表取締役の坂本善博氏によると、企業における実現力の定義は、

企画で創出した新ビジネスモデルを関係者を動員して具体的に達成する力

(引用元:富士通|本質博士の実現力を高める方法

なのだとか。そして、実現力の原点は「新ビジネスモデルの構築」なのだそうです(カッコ内上記「富士通」サイトより)。

ビジネスモデルといえば、企業の価値と収益を上げるための仕組みのこと。こうした内容を個人のビジネスパーソンに置き換え、実現力を端的に表現するとすれば――自分の価値を高める仕組みを、自ら構築して実践し、達成する力と言えるのではないでしょうか。

そうであれば実現力への意識の高まりは、目標の達成を体系的に理論づけてくれるとも言えるはずです。つまりそれは、より現実的で推測可能な活動になることを意味するのではないでしょうか。それを確かめるべく、実現力を高める方法を見ていきましょう。

目標達成のために、実現力を高めようと考えているビジネスパーソン

1.「ギャップ」を把握して目標を設定する

厚生労働省の資料「生活衛生関係営業の生産性向上を図るためのマニュアル(基礎編)/生産性&効率アップ必勝マニュアル~マネジメント手法~」には、目標設定の考え方が説明されています。

本来は、飲食・ヘアサロン・クリーニング・ホテルといった生活衛生関係営業向けのマニュアルですが、個人に置き換えても非常に役立つので取り上げました。同資料によれば、

成り行きの将来予測と目標のギャップをうめるのが打ち手、つまり施策です。

(引用元:厚生労働省|生産性&効率アップ必勝マニュアル

とのこと。同マニュアル内に図解があるので、上の言葉を補足するべく「現状」「成り行きの将来予測」「目標」との関係性を描いてみました(構図やイラストはアレンジしています)。

成り行きの将来予測と、目標のギャップをうめるのが施策であることを説明する図解

厚生労働省の資料「生産性&効率アップ必勝マニュアル」を参考に筆者が作成

つまり、何も策を講じず、何もせずに過ごせば「成り行きの将来予測」通りになってしまいますが、本来向かいたいのは上方でキラキラ輝く「目標」のほう。そのギャップを埋めてくれるのが「施策」というわけです。これを機に目標だけでなく、何もせず成り行きでこのままいけばどうなるか、予測してみるのもいいかもしれません。目標とのギャップを把握することで、何をすべきか思いつきやすくなるでしょう。

ちなみに同マニュアルでは、「やればなんとか達成できそうな、ちょっと背伸びをしたくらいの目標」が推奨されています(カッコ内、上記厚生労働省の資料「生産性&効率アップ必勝マニュアル」より)。

2. 目標を「展開」して施策とひもづける

前項で紹介した厚生労働省の資料には、総合的な目標をブレイクダウンしていくやり方も説明されています。これを目標展開というのだとか。同資料内で示されている具体例を一部挙げてみましょう(矢印がすすむほどブレイクダウン=細分化)。

「総合目標:売り上げ20%向上」
⇒「部分目標A:客数20%増」
⇒「個別目標1:来店客数25%増」
⇒「施策a」

このように「目標をブレイクダウンして施策とひもづけることで、施策の目的が明確になり、成果の把握もしやすくなります」とのこと。ちなみに同資料内には「店舗の老朽化、商品メニューのニーズが合わない、技術不足、さまざまな要因が考えられる」といった仮説をもとに店舗を改装したり、メニューを一新したりといった施策がイラストで示されています。

(上記カッコ内、引用元:厚生労働省|生産性&効率アップ必勝マニュアル

これをもっと個人的な目標に置き換えた場合、規模でとらえるのではなく、たとえば、

「総合目標:1年後に資格取得」
⇒「勉強開始から10か月後の模擬試験・正答率90%以上」
⇒「勉強開始から半年後の模擬試験・正答率70%以上」

といった具合に、時間の長さで直近まで落とし込み、細分化というよりその時点でより実現可能な目標に落とし込んでいくのもいいかもしれません。

また、上記の展開を施策とひもづける場合、同マニュアルのやり方とは少し違いますが、勉強開始時や各模擬試験のあとなど、そのつど適切なものを打ち出してもいいのではないでしょうか。

<例>

  • 【勉強開始時の施策】:まず過去問を解いて自分のレベルを把握し、勉強計画を立てる。
  • 【勉強開始から半年後の施策(試験まであと半年)】:模擬試験でわかった弱い〇〇分野、理解が浅い〇〇を強化する。
  • 【勉強開始から10か月後の施策(試験まであと2か月)】:おおむね細かい目標はクリアしたが、引き続き過去問を解き、わからない部分は何度も繰り返す。

より実現しやすいという意味での目標のブレイクダウンの図解

(※厚生労働省の資料「生産性&効率アップ必勝マニュアル」に実現力といった表現はありませんが、これは目標達成のためのマニュアルであり、「実現力=目標を達成する力」なので、実現力を高める方法を知るための参考資料といたしました)

3. 目標に対する「実現率」を知る

前出の「ヒューマントラスト」サイト内のコラムには、こんなことが書かれています。

目標を設定したとしても、日々その目標にどれだけ近づいているかを確認できずにいるならば、それは目標を設定していないのと大差はありません。自身が目指すべきゴールにどのくらい近づいているのかを常に確認するためには、目標に対する「実現率」を知ることが大切です。

また、こうも書かれています。

自身の現在地を常に意識し、目標の「実現率」を日々確認することは、「実現力」を強化するための近道でもあります。

(引用元:ヒューマントラスト|「実現率」の把握によって高まる「実現力」

上記をふまえ、ひとつ例を挙げましょう。たとえばAさんが「半年後に必ず10キロ痩せる」と明言したとします。期間も数値も明確なので、目標としては理想的です。しかし、半年間ただなんとなく運動やストレッチを取り入れ、日々を過ごしているだけならば、目標の達成は難しいでしょう。

そうではなく、定期的に体重を量り、「3か月で4キロ減った。あと3か月で6キロ減らせば目標達成だ」などと、目標達成までの道のりの、どの地点をいま歩んでいるのか常に把握できていれば、目標の達成率はグンと高まるはず。現在地を把握し、あとどのくらい頑張ればいいのか明確にわかれば、それに集中することができ、最適な行動もとれるからです。

つまり、これが実現率を知ることであり、実現率を知ることの利点です。同サイトでは、実現率を具体的に把握すると「ゴールが見えることでモチベーションのアップにもつながる」とも説明しています(カッコ内「ヒューマントラスト」サイト内のコラムより)。日々の仕事で生じる、たとえば “レポートの6割はできた。あと3時間で残りの4割を仕上げたら休日遊びに行ける!” といった感覚にも似ているかもしれませんね。

それに、私たちは常々、歩きや電車、車などでどこかへ向かう際、ごく自然に現在地を把握しようとするはずです。目標達成においても現在地を把握するべく、常に実現率を確認するようにしましょう。

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昨年できなかったことを、今年こそは実現するために「実現力を高める方法」を3つ紹介しました。実現力を高めようとすると、目標達成がより現実的なものに思えるはずです。まずは、実現力を意識することから始めてはいかがですか?

(参考)
ヒューマントラスト|「実現率」の把握によって高まる「実現力」
厚生労働省|生産性&効率アップ必勝マニュアル(PDF)
富士通|本質博士の実現力を高める方法(PDF)

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
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