疲れた心身をケアできる大切な3習慣。幸福度を高めるために “行くべき場所” があった。

毎日のケア01

「なんだかいつも疲れていてやる気が出ない」
「仕事に集中できない」
「ちょっとしたことでイライラしてしまう」

このようなビジネスパーソンは、疲労によって、メンタルが弱り、ストレスが溜まっているのかもしれません。また、疲れがまったく解消されないと感じる人は、知らず知らずのうちに疲労が慢性化している可能性もあります。

今回は、日常に取り入れられる心身のケアをご紹介しましょう。

(※記事中の人物の肩書は記事公開当時のものです)

睡眠の質を上げる

良い仕事をするために、良い睡眠は必須です。ハーバード大学の医学教授であるチャールズ・チェイラー氏によると、24時間睡眠をとらなかった場合、もしくは、睡眠時間が5時間以内の日が1週間以上続いた場合、人の脳は、ほろ酔いに近い状態になるのだとか。これでは、仕事のパフォーマンスが下がるのは言うまでもありませんね。

もちろん早い時間に就寝するのがベストですが、残業や会社の飲み会などがあり、睡眠時間の確保が難しい人もいるでしょう。そのような場合は、睡眠の質にこだわることが大切です。

寝る直前までスマートフォンを触っているという方は多いかもしれませんが、それでは質の高い睡眠はとれません。医師の資格と経営学修士号(MBA)を持つ経営コンサルティング会社ハイズ社長の裴英洙氏は、寝る2時間前までにはスマートフォンを触るのをやめることを推奨しています。スマートフォンやパソコンのブルーライトは、体に「寝る時間ですよ」という信号を送るメラトニンの生成を抑えてしまうため、深い眠りにつくのが難しくなるのだそう。

スマホを肌身離さず持っている現代人には厳しいかもしれませんが、良質な睡眠のためにも、寝る前にはスマホを控える習慣をつけましょう。

毎日のケア02

幸福度を上げる

皆さんは、毎日の生活の中で幸せを感じていますか? 実は、日々に幸せを感じているかどうかが、仕事に大きな影響を与えます。

イリノイ大学名誉教授のエド・ディーナー博士らによると、幸福感の高い人は、そうでない人に比べて、創造性は3倍、生産性は31%、売り上げは37%高いのだそう。また、欠勤率や離職率も低いのだとか。ブリストル大学・経済学教授のユージニオ・プロト氏は、「従業員の幸福度を向上することは、企業として業績を上げるために必要な指針である」と説明しています。

では、どうすれば幸福感を上げられるのでしょうか? 簡単にできる方法としては、自然に触れることをおすすめします。

アラバマ大学バーミンガム校・作業療法学科の研究者らが、学会誌『International Journal of Environmental Health Research』に発表した内容によると、「都市公園」で20分ほど過ごすだけで幸福感が上昇するそう。

「都市公園」という言葉には馴染みがないかもしれませんが、都市公園法に基づいて、国または自治体が設置した公園は全て「都市公園」です。つまり、街角の小さな公園から広大な面積の公園まで、日本全国の自治体が設置した公園はどれも都市公園ということ。ちなみに、都市公園の数の多さは意外にも東京都が全国1位です。皆さんも、職場の周りの都市公園を探してみてはいかがでしょう。

また、学会誌『Journal of Environmental Psychology』は、集中力が必要な仕事をする際に、植物を置いてある部屋の方が疲れを感じづらいという研究結果を発表しています。窓の外に緑が見えることでも、同様の効果を得られるのだとか。

窓の外に木や垣根などの植物がある環境の人は、窓際に座ることをお勧めします。それがない場合は、デスクに小さな植物を置くのも良いでしょう。昼休みや休憩時間に公園で散歩をするのも、ストレスを軽減させてくれます。「仕事で結果を出さなければ」とピリピリしている人は、結果を出すためにも、ぜひご自身の心をケアしてあげてください。

毎日のケア03

瞑想で疲れづらい体をつくる

瞑想も、心身の疲労が溜まっている人におすすめです。瞑想には、ストレス軽減に加え、痛みの緩和や、うつ病の再発率を下げる効果などがあります。アメリカでは精神医学の分野でも注目されており、投薬では改善しきれなかった患者の治療に瞑想が導入されるケースも増えているほど、効果が確認されているのです。

また、長崎大学教育学部の前原由喜夫研究室の研究によると、瞑想には免疫機能を上げる効果もあるのだとか。「マインドフルネスを中心としたプログラムを8週間実施したのちにインフルエンザワクチンの抗体を調べる」という実験を行なった結果、マインドフルネスのトレーニングを行なったグループの抗体が増加していたのだそう。

さらに、瞑想は睡眠にも良い影響を与えます。アメリカ睡眠医学会によると、瞑想には、ストレスや不安を軽減し、不眠症を改善する効果があるそうです。日中に深くリラックスすることによって、夜間の睡眠の質を高められるのだそう。

瞑想には様々な方法がありますが、今回は、瞑想を脳科学に基づいて改良した「マインドフルネス呼吸法」をご紹介します。方法は以下の通りです。

  1. イスに座り、背筋を軽く伸ばして背もたれから離し、お腹はゆったりさせる姿勢をとる
  2. 足の裏や手、お尻、身体が重力に引っ張られる感覚に意識を向ける
  3. 空気が鼻を通る感覚や、肺が膨らむ感覚、呼吸の深さを感じる
  4. 雑念を消し、他の考えが浮かんだら、すぐに呼吸へ意識を戻す

これを継続すると、疲れを取り除けるだけでなく、疲労が蓄積しづらい状態をつくることができるのだそう。ぜひ実践してみてくださいね。

***
高い目標に向かって努力を続けるビジネスパーソンは、頑張りすぎて体を酷使してしまいがちですよね。しかし、心身のケアを怠ると、疲れが蓄積し、パフォーマンスを落としてしまう原因にもなりかねません。仕事を頑張るためにも、心と体を日頃からケアする習慣をつけましょう。

(参考)
茂木健一郎(2017),『脳が最高に冴える快眠法』, 河出文庫.
日本経済新聞|眠り方改革で能率アップ 寝る前2時間スマホ断ち
東洋経済オンライン|仕事の生産性にまで影響する「幸福」の正体
RIETI|幸福度の高い労働者ほど生産性が高いのか?従業員の健康に関する企業の関心はエビデンスによって大部分が裏付けされている
Science Direct|Benefits of indoor plants on attention capacity in an office setting
UAB - News|Urban parks could make you happier
imidas|古来のメソッドにひそむストレス社会を生きるヒント
COCOKURI|【徹底解説】知って得する!マインドフルネス瞑想を続けると健康になれる理由3選
ダイヤモンド・オンライン|「過去と未来」が頭を占めると、脳疲労が溜まる
PARKFUL|そもそも「都市公園」って?

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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