いい文章を書けない人は「6つの基本」ができていない。“形容詞封印” で文章の解像度が格段に上がる!

上手なビジネス文章を書く6つのコツ01

いったい何を伝えたいのだろう……。言葉足らずでなかなか理解できない……。そんな「わかりにくい文章」は、ビジネスの世界では敬遠されます。それはわかっているけれども、文章を書くのがどうも苦手……そう悩んでいる方はいませんか?

最近では、メールやチャットなどを使い、文章だけでコミュニケーションを完結させることが非常に多くなってきました。また、インターネットやSNSの影響力も格段に大きくなり、情報発信のために文章を用いる場もますます増えてきています。ビジネスシーンにおける文章の重要性は、高まることはあっても低まることはありません

そこで今回は、ブックライターとして活躍し『10倍速く書ける 超スピード文章術』などの著書も持つ上阪徹氏の書籍などを参考に、上手なビジネス文章を書くコツをまとめてみました。

【大前提】「わかりやすい文章」こそがいい文章です

そもそも、「いい文章」とはどんな文章を指すのでしょうか。もちろん、これは時と場合によりけりなのでしょうが……ことビジネスの世界においては、「わかりやすい文章」「読みやすい文章」こそがいい文章だと、上阪氏は述べています。

ビジネス文章で最も大切なのは、言わずもがな「書いている内容を読み手に理解してもらえるかどうか」に尽きます。小説やエッセイの場合のように、読むという行為を読み手に楽しんでもらう必要はありませんよね。ビジネスの世界では、文章は何かを伝える ための道具。結局は「わかってもらえるかどうか」がすべてなのです。

そのため、使うのは平易な言葉、目指すべきは大人どうしの会話レベルの「話し言葉」だと上阪氏は言います。たとえば、カッコつけて「事情をご賢察いただけると幸いです」と小難しく書くより、「事情をご理解いただけると助かります」と書いたほうが、圧倒的に伝わりやすいですよね。

難解な語句や詩的な技巧は不要。平易で誰でも理解できる文章こそが「いい文章」なのです

上手なビジネス文章を書く6つのコツ02

ほかにもある! いい文章を書くための6つのコツ

以降、少し細かい話になっていきますが、いい文章を書くコツはまだまだあります。6つまとめてみましたので、普段あなたが書いている文章を思い起こしながらチェックしてみてください。

【1】書く「目的」を意識する

文章に確固とした目的があると、「何を書くか」が明確になります。たとえば、この記事の目的はもちろん「上手なビジネス文章が書けるようになるコツを読者に伝えたい」というもの。この軸があるからこそ内容に一貫性が出て、途中からあらぬ方向にブレる心配もなくなるのです。

上阪氏は、目的がないと「何を書くか」という肝心の中身がなくなると指摘します。結果、最後まで読んでも言いたいことがよくわからない文章になってしまうのです。

【2】読む「相手」をはっきりさせる

目的がはっきりしたら、次にターゲットを決めます。ターゲットを絞り込むことで文章の軸がより明確になり、相手に強いメッセージとなって届くのです。先ほどの例で言えば、読者を「文章力に自信がない若手ビジネスパーソン」にするか「ある程度の文章は書ける中堅ビジネスパーソン」にするかで、内容も変わってきますよね。

上阪氏は、誰に向かって書くのかをはっきり定めずに文章を書くのは「真っ暗闇のホールに向けて講演するようなものだ」と言います。まずは「目的」と「相手」を決めるのが、いい文章を書くうえで絶対に押さえておかないといけないポイントなのです。

上手なビジネス文章を書く6つのコツ03

【3】「伝えたいこと」を明確にしてから書く

準備も不十分なまま、とりあえず書き始めてみる――これはプロでもやらない “ご法度なこと” だと、上阪氏は指摘します。最初に結論を決めておくのも大切ですよ。

とはいえ、伝えたいことをいきなり決めるのは難しい話。上阪氏は、「伝えたいことリスト」を作成して「何を書くか」を箇条書きにしておくことを推奨しています。

たとえば今回の記事で言えば、「『いい文章』とはどんな文章か」といった話や、「書く目的を意識しよう」「読む相手をはっきりさせよう」などといったコツを伝えたいと、資料リサーチの段階で頭に浮かんできました。これら骨組みにして文章を組み立てていけば、文章の軸はブレづらくなります

【4】「1文は60字以内」を心がける

「大手出版社A社が依頼したライターBさんが、芸能事務所C社に所属するお笑い芸人Dさんに、明日の13時、A社の会議室で、若い頃にどんな能力を磨いてきたかをテーマにインタビューすることになりました」――伝わるようでいて、なんだかどこかわかりづらいですよね。そう感じさせる原因は「1文が長すぎる」から。1文が長いと、主述関係があやふやになるなど、さまざまなデメリットが生じます。1文は60字以内を心がけましょう

たとえば、「大手出版社A社が依頼したライターBさんが、芸能事務所C社所属のお笑い芸人Dさんにインタビューすることになりました。テーマは『若い頃どんな能力を磨いてきたか』。明日の13時、A社の会議室で実施します」のように変えたら、だいぶ伝わりやすくなります。(設定にもよりますが)Wordの場合、およそ1行半で60字に到達するので、長くなりすぎていないかチェックする習慣をつけるとよいでしょう。

上手なビジネス文章を書く6つのコツ04

【5】「形容詞」はできるだけ使わない

形容詞を多用すると、具体的な中身がなくイメージしづらい文章になるとのこと。たとえば、「A社の労働環境はすごくいい」と書かれても、一個人の主観的感想という印象が拭えず、何がいいのか伝わってきませんよね。

一方、形容詞を使わないとなると、必然的に具体的な情報が入ることに。前述の例で言えば、「A社は、5年間の離職率がゼロで残業もゼロに等しい」と書かれていたほうが、A社の労働環境のよさは段違いに伝わってきます。

【6】「お手本」を見つけて、身体に染み込ませる

上阪氏によれば、完璧な文章というのはそもそも存在しないため、代わりに「自分で100点だと思える『お手本』を見つける」のが大切なのだとか。

それは、上司のメールであれ、報告書であれ、お気に入りのビジネス書であれ、何でもかまいません。そのお手本を意識的に読み、少しずつ自分の身体に染み込ませていくのです。すると、染み込んだ文体やリズム、構成の基礎をベースに、自分の文章を修正していくことができるようになるのだそう。

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上手な文章を書けるようになると、コミュニケーション力も発信力も格段に高まります。ご紹介した内容を参考に、文章に磨きをかけていきましょう!

(参考)
上阪徹(2017),『10倍速く書ける超スピード文章術』, ダイヤモンド社.
上阪徹(2018),『ビジネスにうまい文章はいらない 「書き方のマインド」を変える新・文章術55』, 大和書房.
上阪徹(2010),『書いて生きていく プロ文章論』, ミシマ社.
上阪徹(2011),『文章は「書く前」に8割決まる』, サンマーク出版.
現代ビジネス|上阪徹の"ブックライター"式文章法【第一回】「文章」を書いてはいけない!? しゃべるつもりで書けばいい
現代ビジネス|上阪徹の"ブックライター"式文章法【第二回】「書く」ことが苦痛になる人の共通点とは? 表現より素材や事実にこそ目を向けよ

【ライタープロフィール】
SHOICHI
大学院修了後、一般企業に就職。現在は会社を辞め、執筆活動をしている。読書、音楽、YouTubeが好き。

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