ネガティブ感情を「書きなぐって捨てる」と心がスッキリするワケ。

手書きでメンタルリセット01

頭の中で迷いを抱えていると、心にも影響してきますよね。イライラしたり、やる気が起きなかったり……。そして当然、仕事にも悪影響が及んでいきます。悪循環を断ち切って、メンタルをリセットできたら嬉しいですよね。

そういうときに有効なのが「手書き」です。じつは手書きには、メンタルを自分本来のいい状態へ戻す効果が存在するのですよ。今回は、手書きを使ったメンタルコントロール術をご紹介しましょう。

頭を使うことを求められる「手書き」が脳に良い理由

現代社会、特にビジネスの場では、パソコンやスマートフォンの普及により、ノートやホワイトボードに手書きする機会は消滅しつつあります。極端な話、職場でなにか文章をつくる際はパソコンしか使わないという方もいるでしょう。しかし、手書きには大きな効果が秘められているのです。

アメリカ人デザイナーのライダー・キャロル氏は、「手書きで記した文章は、タイピングやフリック入力で記したものよりも記憶に残りやすい」と主張しています。その理由は、手と指を使って文字を書くという複雑な動きが、脳を活性化させるからです。

タイピングは、手書きと比べると、手の動かし方が単調になります。また、パソコンやスマートフォンを使えば、漢字変換も機械がやってくれますよね。

一方で手書きの場合、私たちははるかに多くのことを頭で考えなければなりません。上で述べた「漢字」だって、手書きだと「あの漢字、どうやって書いたっけ……」と思い出し、場合によっては辞書で調べる必要性も出てきます。ほかにも、文字の大きさや書き順など、意識していないだけで意外と頭を使っています。その「考える」という行ないが脳を活性化させるのです。

では、こういった効果のある手書きをメンタルコントロールに役立てるには、どうすればいいのでしょうか?

手書きでメンタルリセット02

【1】つらいときは「頭に浮かんだことを書きなぐって捨てる」

試験に落ちた、仕事で大失敗した、恋人にフラれてしまった……。このように、誰もがきっと、しばらくは立ち直れないようなつらい出来事を経験したことがあるはず。そんなときこそ、ぜひ自分の気持ちを書いて負の感情を吐き出すことで、浮上のきっかけをつかみましょう

編集者兼作家の高下義弘氏は、20代のころに極度のメンタル不調に悩まされ、頭の中で自分を非難する声が常に鳴り響く状態だったそうです。その高下氏を大きく変えたのが、『書きながら考えるとうまくいく! プライベート・ライティングの奇跡』(PHP研究所)という本でした。その本には、「タイマーで制限時間を設定し、今、頭の中で浮かんだ言葉をひたすら紙に書き出せ」と、書かれていたのです。

本に書いてある通りに、高下氏は頭に浮かんだ言葉をひたすら書き出しました。それを続けていくうちに、書くという行為に爽快さを感じるようになり、徐々に考え方が前向きになったそうです。

書き出しを行ううえで高下氏が気づいたことは、言葉には2種類あるということ。「これはこうするべきだ」「ここはこうしてみよう」といった前向きなものと、「これをやってはいけない」「どうせ失敗する」といった後ろ向きなものです。

そして高下氏は、後ろ向きの言葉をクリアする必要性を述べています。つまり、落ち込んだ状態から立ち直るためには、後ろ向きな言葉を捨てる必要があるということ。そこで高下氏は、後ろ向きな言葉を紙に書き出した後は、丸めて捨てるという方法を編み出しました。それだけで気分は変わるのだそうです。

たとえば、仕事で製品の発注ミスをしてしまい、上司に激怒されたとします。そのようなときは、「クソッ、叱られた!」「なんで、あんなミスをしたんだろう……」と、自身の後ろ向きな気持ちを、ノートやメモ帳にストレートに書き殴っていきましょう。気持ちを吐き出せたことによる安堵感、自分に対する客観視などにより、気持ちは静まっていきます。そして最後には、ゴミ箱にポイっと捨ててしまいましょう。すっきり気分爽快です。

さっさとネガティブな気持ちをリセットして、自分本来のメンタリティに戻すことができれば、あとは簡単。「済んだことは、しょうがない」「確認作業を怠らなければ、こんな凡ミス起こりっこない」と、ポジティブな気持ちが自然に芽生えていくことでしょう。

失敗や嫌なことをくよくよ後悔しても、あまり意味はありません。いつまでも悩んでいないで、さっさと紙に書き出して、吐き出して、断ち切って、捨て去ってしまいましょう。

手書きでメンタルリセット03

【2】「クリアリングノート」で負の感情にアドバイスを

もうひとつ、手書きでメンタルコントロールする方法をご紹介しましょう。センジュヒューマンデザインワークスの代表取締役である大嶋祥誉氏がすすめているものです。

大嶋氏は、かつてマッキンゼー・アンド・カンパニーに勤めていました。さまざまなクライアントと仕事をする機会がありましたが、なかには反りが合わない人もいたのだそう。加えて、社内では常にプロジェクトが進行してる状態で、大嶋氏にとって毎日がストレスとプレッシャーの連続でした。

そんな環境のなか、大嶋氏が考え出したのが、ノートを使った「クリアリング・ノート」です。

まずは、ノート見開き左ページに自分が抱えている不平・不満や問題点を書き込みます。ここは、自分の本音を書きなぐるところですので、乱暴な言葉や汚い言葉を書いてもかまいません。注意点として、本音を書いていいのは、あくまでも左ページだけです。

一方、見開き右ページには、先ほど左側に書いたことに対するアドバイスを考えて書き込みます。つまりは、自分で自分をセルフコーチングするということです。このときは、「自分が尊敬する人、あるいは『いいなあ』と思う人物」になりきって書くことを大嶋氏は推奨しています。大嶋氏いわく、左ページの乱暴な意見に対して「賢者になった気持ち」でアドバイスを送るとのこと。

たとえば、左ページに「仕事が多すぎ、こんなの覚えきれるか!」と書いたら、右ページには「今は、新しい知識・スキルを身につけてレベルアップする時期だ。頑張れよ」と書きます。同様に、左側に「営業の売り込みが失敗ばかりだ……」と書いたら、右側に「でも、徐々に相手が話を聞いてくれるようになっている。話し方を変えればうまくいくと思うぜ」と、なるべくポジティブなアドバイスを理想の人物視点で書き込むのです。

大嶋氏によると、ノートを活用することの一番のメリットは、感情と事実を分離して、ネガティブな状態から脱することにあるのだそう。手書きによって、漠然とした負の感情が特定できるのと同時に、問題に対する解決策が浮かび上がってきます。特に、怒りや不安といったあいまいな感情も、具体的に言語化できれば、具体的な解決方法に落とし込むことができるのです。

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手書きには、頭も心も整理する強力なメンタルコントロール効果があります。時には手書きに原点回帰して、ご自身のお悩み解決に役立てください。

(参考)
ライダー・キャロル(2019),『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』, ダイヤモンド社
DIAMOND ONLINE|記憶、情報整理、精神の治癒……手書きが結局、いちばん効果的な理由
日経ビジネス|心が不調の時、頭に浮かぶ言葉を手書きしよう
大嶋祥誉 (2018),『マッキンゼーで学んだ感情コントロールの技術』, 青春出版社.
THE21ONLINE|マッキンゼーで学んだ「2冊のノート」の感情コントロール術 

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEB上で活用することを目標としている。

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