仕事を「楽しめる人」の考え方。「楽しめない人」の考え方。4つの決定的違い

仕事を楽しめる人の考え方。仕事を楽しめない人の考え方。01

「朝、仕事のことを考えるだけで憂うつになる……」
「同僚のあの人は、忙しくても楽しそう。どうしたら自分も楽しく働けるだろうか……」

こうした悩みを抱えている人に向けて、 “いつも楽しそうに働く人” がどんなことを考えているのか、1日の流れに沿ってご紹介します。あなたも実践すれば、いまよりもっと仕事を楽しむことができるはずですよ。

朝は「仕事が終わったら何をしよう」と考える

「今日の会議、憂うつだな……」などと、朝から仕事のことばかり考えていると、楽しく働けなくなるかもしれません。

公認心理師の大美賀直子氏によると、「“生活の彩り”のバランスがよい人」には「仕事のストレスをうまく解消できる人」が多いのだそう(引用元:All About|どうして会社に行くのが嫌なのか?)。仕事だけに偏った生活を続けると、気分転換できず、ストレスをためこむ恐れがあるということです。

では、具体的にどうすればいいのでしょう? 大美賀氏は、以下3つの要素をバランスよく生活に取り入れることをすすめています。

【アウトプット】 実力を発揮し、生かすこと。仕事、家事、育児、ボランティアなど。
【 インプット 】 自分を高めるために何かを取り入れること。勉強、研究、体力づくりなど。
【 パスタイム 】 目の前のストレスを解消すること。娯楽、友人との会食、団欒など。

(引用元:All About|どうして会社に行くのが嫌なのか?

仕事を楽しめる人の考え方。仕事を楽しめない人の考え方。02

朝から仕事のことばかり考えてしまうのは、生活がアウトプットに偏っているサインかも。そこで増やしたいのが、インプットやパスタイムです。

大美賀氏によれば、「出勤したくない憂うつな気分の朝」には「退社後の楽しみに思いを馳せる」とよいとのこと。そうすると朝の気分をポジティブにできるのです。

もしも楽しみを毎日用意するのが難しいなら、「モチベーションが下がりやすくなる(中略)水曜日の夜あたり」に用意するのもいいそう。(カギカッコ内引用元:All About|出勤したくない!憂うつな朝にやる気を出す10の方法

たとえば、朝の考えを以下のように改めてみましょう。

△NG:仕事を楽しめない人の考え方

「昨日やり残したことを片づけないと……」
「上司との打ち合わせが憂うつだな……」

◎OK:仕事を楽しめる人の考え方

「仕事の後、大好きな小説を読みながら帰ろう」
「(週の前半)水曜日の退社後にジムに行くのを目標に頑張ろう」
「(週の後半)週末には好きな映画を観てゆっくり過ごしたいな」

アウトプットに偏りがちで不足しているインプットやパスタイムを補ってあげると、仕事のストレスがやわらぐでしょう。ちなみに「習い事やスポーツジムは、インプットもパスタイムも楽しめる好例」だそうですよ(引用元:同上)。

ポジティブな気持ちで1日を過ごすために、朝はぜひ、ご自身に合ったインプットとパスタイムについて考えてみてくださいね。

仕事を楽しめる人の考え方。仕事を楽しめない人の考え方。03

仕事中は「まわりの人のタスクも手伝おう」と考える

仕事が忙しいので、とにかく「自分のタスクさえ完了すればいい」――こう考えて、周囲の様子を気にすることなく目の前の作業に没頭してしまうようだと、しだいに仕事を楽しめなくなるかもしれません。

総合人材サービス業の株式会社ヒューマントラストは、こう説明しています。

自分だけの考えを押し通そうとしたり、相手の話を聞かなかったりする人は、孤立しがちになります。チーム内で孤立してしまえば、仕事も辛くしんどいものになるリスクが高まります。

(引用元:ヒューマントラスト|できる人が実践する「仕事を楽しむ」ための思考

いくら忙しくても、自分の仕事のことしか考えず、周囲とのコミュニケーションを怠ると、余計に仕事がつらくなりかねないのです。

自分のタスクをこなすどころか抱え込むことになれば、ますます仕事がつまらなくなるもの。また、「自分だけにベクトルを向けていても視界が広がらず、楽しめなくなる」とも同社は指摘しています。

仕事を楽しめる人の考え方。仕事を楽しめない人の考え方。04

では、仕事を楽しめる人になるには、どうすればよいのでしょうか。同社がすすめるのは、「周りと協力することの素晴らしさ、感謝されることの喜びを感じること」(引用元:同上)。

たとえば、自分の仕事が忙しいときに、同僚から「困っていることがある」と話しかけられたとします。自分のタスクは増やしたくないのが正直なところだけど……。そんなとき、考え方を以下のように改めましょう。

NG:仕事を楽しめない人の考え方

「自分のタスクでさえ精いっぱい。同僚を手伝っている余裕はないから、ひとまず話をさらっと聞くだけにしておこうか……」

◎OK:仕事を楽しめる人の考え方

「自分が忙しいのは確かだけど、同僚の話はよく聞いてあげよう。時間をかけずにサポートできることがあるかもしれないし!」

同僚との信頼関係が築ければ、自分が困っているときには助けてもらえるようになるでしょう。感謝の言葉ももらえて、仕事が楽しく感じられるはず。知らなかったことを知る機会が生まれ、成長実感も得られそうです。

忙しいときこそ、周囲と協力し合おうという考えをもてば、大変ではありながらも楽しく働けるはずですよ。

仕事を楽しめる人の考え方。仕事を楽しめない人の考え方。05

仕事中は「とにかくやってみよう」と考える

「上司から頼まれた会議資料づくり。時間がかかりそうだから、あとでやろう……」これも、仕事を楽しめない人の考え方のひとつ。

一般社団法人日本産業カウンセラー協会によると、「『しっかり準備を整えてからはじめなくちゃ』という意識が(中略)『面倒だ』という気持ちを生み出す元」になるとのこと。

また、面倒だからと後回しにしたせいで時間がなくなれば、「質の高いものを仕上げたいといった気持ちは裏切られる」とも指摘しています。(カギカッコ内引用元:働く人の心ラボ - 日本産業カウンセラー協会|「面倒くさい」を吹き飛ばす5つのテクニック)。

「資料をつくるなら、完璧に情報が集まってからにしなくちゃ」と思っているうち、会議の日程が迫ってしまい、慌てて資料をつくり始めた――これでは、内容が薄かったりレイアウトがいまいちだったりしても満足に修正できず、中途半端な資料を提出することになるかもしれません。こんな仕事、楽しめそうにないですよね。

仕事を楽しめる人の考え方。仕事を楽しめない人の考え方。06

そこで、同協会がすすめているのが、シンプルに「とりあえず手を付けてみる」という考え方。行動のハードルをできるだけ下げ、軌道に乗ってから質にこだわるとよいそうです。

「とにかくやってみよう」と考えることの大切さについては、パナソニック創業者・松下幸之助氏もこう語っています。

ある程度考えたあとは、“これはもう仕方がない。ここまできたのだから、もうこれ以上進んで結果がうまくいかなくてもそれは運命だ。とにかくこのままやってみよう”というように、まず実際に行動してみる、そこからまた予想とは異なったいい結果、そして違った自分というものが生まれてくるのではないかと思うのです

(引用元:PHPオンライン衆知|思い切って実行すること ~ 松下幸之助 前を向く人生の歩き方

たとえば、資料作成をするなら、以下のように考え方を改めましょう。

△NG:仕事を楽しめない人の考え方

「情報を事前にすべてそろえないと……。あれも必要だし、これも準備しないとだめかな?」

◎OK:仕事を楽しめる人の考え方

「とりあえずやってみよう」
「情報が足りなければ、つど用意すればいいな」

資料の質にこだわる時間の余裕もできますし、仕事を後回しにしたことによる罪悪感にも悩まされずにすみます。仕事を楽しめるはずですよ。

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夜は「失敗のあとはいいことが起こる」と考える

夜寝る前に、日中の仕事での失敗を思い出し、「明日もうまくいかなかったら……」と考えて不安になることはありませんか? あなたのまわりで楽しそうに働いている人は、少し違った考え方をしています。それは「失敗のあとにはいいことが起こる」

産業カウンセラーの植西聰氏によると、精神的に動揺しやすい「悲観的な人」には、こう考える傾向があるそうです。

一度何かで失敗すると、「また同じ失敗をくりかえすことになるのではないか」という心配にかられます。何か悪いことが起こると、「この先もずっと悪いことばかりが起こるに違いない」という気持ちになります。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|寝る前に考え込まない「なにごとにも動じない人」の4つの共通点

一方、動揺しない「楽天的な人」はこう考えるのだとか。

「今回失敗したから、次は成功する番だ」
「悪いことを経験したから、今度は良いことが起こるだろう」

(引用元:同上 ※太字による強調は編集部にて施した)

落ち込んだり、不安になったり、イライラしたり……といった動揺をなくしたいなら、楽天的に考える癖をつけるといいということです。

そして植西氏は、「仕事や人間関係の問題で落ちこむ」などの「悩みを、おやすみ前に解消しておくことが重要」だとしています。たしかに、夜のうちに悩みを解消しておけば、翌日は前向きに働けそうですよね。

仕事を楽しめる人の考え方。仕事を楽しめない人の考え方。08

たとえば、プレゼンテーションがうまくいかず落ち込んでいるなら、寝る前の考え方を、以下のように変えてみましょう。

△NG:仕事を楽しめない人の考え方

「今日のプレゼンテーションはうまくいかなかったな……。また次もうまくいかなかったら嫌だな……」

◎OK:仕事を楽しめる人の考え方

「早口にならないように気をつけよう。資料のレイアウトを変えてみようかな……よし、次はうまくいく気がするぞ」

くよくよと悩まず、思考を前向きに切り替えれば、失敗を引きずることなく、仕事を楽しめるはず。

本田技研工業・創業者の本田宗一郎氏も、次のような言葉を残しているそうです。

私の最大の光栄は、一度も失敗しないことではなく、倒れるごとに起きるところにある。

(引用元:東洋経済オンライン|「失敗を過度に恐れる人」に知ってほしい7名言

きっと「失敗のあとはいいことが起こる」と考えていたのでしょう。本田氏の成功は、この前向きな思考に支えられていたのかもしれません。

***
せっかく同じ仕事をするなら、少しでも楽しく働きたいものです。ご紹介した思考を取り入れて、あなたも楽しい毎日を過ごしてくださいね。

(参考)
All About|どうして会社に行くのが嫌なのか?
All About|出勤したくない!憂うつな朝にやる気を出す10の方法
ヒューマントラスト|できる人が実践する「仕事を楽しむ」ための思考
働く人の心ラボ - 日本産業カウンセラー協会|「面倒くさい」を吹き飛ばす5つのテクニック
PHPオンライン衆知|思い切って実行すること ~ 松下幸之助 前を向く人生の歩き方
ダイヤモンド・オンライン|寝る前に考え込まない「なにごとにも動じない人」の4つの共通点
東洋経済オンライン|「失敗を過度に恐れる人」に知ってほしい7名言

【ライタープロフィール】
こばやしまほ
大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。

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