「休日、ゆっくり過ごしたのに、あまりリフレッシュできていない感じがする……」
「週末は寝られるだけ寝ている。それなのに、月曜日はやっぱり眠いしだるい……」
こうした悩みを抱えていては、当然、仕事に全力を出しにくくなるもの。本当に仕事ができる人になるには、仕事の仕方そのものだけでなく、休日の過ごし方も重要なのです。
じつは、週明けからコンディションよく働くためには、「やらないほうがいい休み方」があります。この記事を読めば、上手な休み方をおわかりいただけるはずですよ。ではご説明しましょう。
1.「座り続ける」ことはしないほうがいい
家でテレビやスマートフォンを見ていて、気づけばずっと座り続けている……。このような休み方をすると、週明けの仕事に響くかもしれません。
疲労回復の専門医である梶本修身氏は、「座っているだけでも疲労はたまってい」くと指摘しています。その理由は、「座ると股関節が圧迫されて血液やリンパの流れが滞り、疲労物質が体の中に残ってしまう」からだそう。(カギカッコ内引用元:クロワッサン オンライン|座りっぱなしでも疲労はたまります【疲れない運動のコツ】)
とはいえ、家にいるとつい座りっぱなしになりがちですよね。そこでおすすめなのが、家で過ごすなら掃除をすること。
掃除機メーカーのダイソン株式会社が20~40代男女を対象に行なった調査(2020年)によると、「家の掃除状況(きれいさ)が、普段の生活や仕事に影響があると感じますか?」という問いに、64.8%の人が「影響があると感じる」と回答。また、「掃除をすることによって、どのような気持ちになりますか?」という問いには、90.7%もの人が「気分が良くなる」と回答したそうです。(カギカッコ内引用元:PR TIMES|掃除における心理的効果、 9割超の方が「気分が良くなる」と回答!コロナ禍で外出自粛の夏休み中しっかり掃除したい箇所は『布団・マットレス』『床』と判明!)
掃除をして体を動かせば、座りっぱなしを防げて体内に疲労物質がたまらないだけでなく、気分もスッキリすると考えられます。じっと座って休日を過ごす場合と比べて、週明けのパフォーマンスが上がるはず。
なお、休日の掃除場所としておすすめしたいのがお風呂です。日本医師会認定健康スポーツ医の野田泰永氏によれば、「足腰を使うお風呂掃除は、何もしないときに比べて約3・5倍の運動量がある」とのこと(カギカッコ内引用元:THE OWNER|ヨガやジムより「お風呂掃除」?!ムリなく続けられる健康法)。
運動量の面でメリットがあるのに加え、特に平日はお風呂にまで手が回らないという人にとって、休日の風呂掃除はいっそうの気分向上につながることでしょう。
体力を温存するつもりで動かずに休みがちだった方は、かえって疲れをためないよう、掃除をするなどしてまめに体を動かしてくださいね。
2.「寝だめ」はしないほうがいい
平日は毎朝6時に起きているけど、休日は昼まで寝てしまう……。こうした “寝だめ” も、週明けの仕事のパフォーマンスを低下させる一因です。
睡眠専門医の中村真樹氏が、週末の寝だめによる悪影響について、こう解説しています。
寝だめによって週末に長時間寝て起きる時間が遅れてしまうと、睡眠のリズムが大きく崩れてしまいます。結果的に、「日曜日の夜に寝ようと思っても寝付けない→出勤のため起きる時間は早い→睡眠時間が確保できない→寝不足のため一日中眠気を感じる→仕事のパフォーマンスが落ちる→残業が増える」という悪循環に陥ってしまうのです。
(引用元:まいにちdoda|【睡眠専門医に聞いた】「休日の寝だめ」は意味がない?ビジネスパーソンの疲れを効果的にとる睡眠方法 ※太字は編集部にて施した)
さらには、「体内時計の乱れによる日中の疲労感や倦怠感」も起きうるとのこと。つまり、週末に寝だめしてしまうと、週明けは眠気で仕事がはかどらないうえに、疲労も回復しづらいというわけです。
そうはいっても、休日は1分でも長く寝たい……というあなたに、休日の正しい眠り方をご紹介しましょう。
中村氏によれば、体内時計を乱さないコツのひとつは、起床が平日より2時間以上遅れないこと。それをふまえて同氏は、休日は平日より少し早く寝て、1時間ほど遅く起きるようすすめています(同上資料より)。たとえば、平日は24時就寝→6時起床の人の場合、休日は23時半就寝→7時起床とすれば、体内時計を乱さずに平日より1時間半多く眠れることに。
また、睡眠専門医の坪田聡氏は、平日の睡眠不足を解消する方法として、「休日に90分の仮眠(ホリデー・ナップ)」をとることをすすめています。眠りすぎないよう「アラームをセット」し、「夜の睡眠に悪影響が出るので、午後3~4時までには起き」ることがポイントだそう。(カギカッコ内引用元:RAYCOP|【ドクターズコラム】正しいお昼寝(仮眠)の仕方)
かく言う筆者も、土日に寝だめすることがしばしば。月曜日の朝は起きるのがつらく、特に週前半は体のだるさを感じるのが悩みでした。
そこで週末、中村氏がすすめていた「休日は平日より少し早く寝て、1時間ほど遅く起きる」という方法をやってみることに。平日は24時就寝→6時半起床なので、今回は23時半就寝→8時半起床としてみました。正直言うともっと寝ていたかったのですが……午前中に予定を入れ、睡魔に負けない工夫をし、なんとか寝だめせずに週末を過ごしました。すると、月曜日の朝、以前よりもスッキリと目覚めることに成功。心なしか、体のだるさも感じなかったのです。
そこで、次の週末にも挑戦したのですが、日曜日の18時頃に油断して1時間ほど仮眠するミスが発生……。結果、坪田氏の指摘通り夜の寝つきが悪くなり、前週よりも月曜日の朝の気持ちよさを感じられませんでした。やはり、昼寝の時間帯は大切なようですので、みなさんもぜひ気をつけてください。
ご紹介したポイントをしっかり押さえれば、体内時計を乱さず、週明けのパフォーマンスを上げられるはずですよ。
3.「甘いものやスナック菓子」は食べすぎないほうがいい
人間関係でイライラしたことを思い出し、衝動に駆られてポテトチップスをやけ食いすることはありませんか? たしかに、思いきり食べることは快感をともなうものですが、休日にはあまりおすすめできません。
管理栄養士の山本ともよ氏によると、「スイーツやスナック菓子だけではビタミンB群が不足し、疲労感を助長してしまう可能性」があるそうです。
- 「糖質や脂質を摂ると、それらを体内で処理するためにビタミンB群を消費」する
- 「ビタミンB群は疲労回復の働きを助ける栄養素」なので、不足すると疲労感が増す
というのがその仕組みだとか。(カギカッコ内引用元:Mocosuku|平日頑張った反動? 意外と多い「週末過食」で後悔する人)
自分を癒したくて週末にチョコレートやポテトチップスをやけ食いしても、結果的に疲労回復が困難になる恐れがあるというわけです。当然、週明けにコンディションよく働くことも難しいでしょう。
ただし、食べたい欲求を「ただ我慢するだけだと、満たされない気持ちはさらに増幅」するので「食べる行為以外のストレス発散法」が必要だ、と山本氏(同上資料より)。
筆者も、食べる以外のストレス発散法を考えてみました。
- ストレッチする
- 散歩する
- 日記を書く
- 部屋を片づける
- 長風呂する
- 編み物をする
- 友人との会話を楽しむ
こうして挙げてみると、ストレス発散法は意外といろいろあるなと気づけました。これだけあれば、お菓子に頼らずにすみそうです。あなたも、自分に合ったストレス発散法をあらかじめリストアップしておけば、やけ食いしたくなってもすぐに代わりの行動に移せるでしょう。
なお山本氏いわく、お菓子などは「『ご褒美』にとどめれば明日への活力になる」(「Mocosuku」記事より)。「人間関係でちょっと嫌なことがあったけど、乗りきれた!」という具合に、自分にご褒美をあげるつもりで甘いものなどを “ちょうどよく” 食べるのがよさそうですね。
また食べる際は、ストレスで疲れた「脳にお疲れさま、というぐらいの気持ちでおいしく味わう」といい――こうすすめるのは、NPO法人メンタルレスキュー協会理事長の下園壮太氏。
「パソコンを見ながら嫌な上司のことを思い出しつつムシャムシャ食べるような食べ方では満足度は低い」
(引用元:NIKKEI STYLE|気がついたら食べている… その食べ過ぎ、過食かも)
とのことですので、適度な量をおいしく味わって、気分を整える休日を過ごしてくださいね。
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今回ご紹介した内容が、読者のみなさんの仕事のパフォーマンス向上に役立てば幸いです。ぜひ、お試しください!
(参考)
クロワッサン オンライン|座りっぱなしでも疲労はたまります【疲れない運動のコツ】
PR TIMES|掃除における心理的効果、 9割超の方が「気分が良くなる」と回答!コロナ禍で外出自粛の夏休み中しっかり掃除したい箇所は『布団・マットレス』『床』と判明!
THE OWNER|ヨガやジムより「お風呂掃除」?!ムリなく続けられる健康法
まいにちdoda|【睡眠専門医に聞いた】「休日の寝だめ」は意味がない?ビジネスパーソンの疲れを効果的にとる睡眠方法
RAYCOP|【ドクターズコラム】正しいお昼寝(仮眠)の仕方
Mocosuku|平日頑張った反動? 意外と多い「週末過食」で後悔する人
NIKKEI STYLE|気がついたら食べている… その食べ過ぎ、過食かも
【ライタープロフィール】
こばやしまほ
大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。