あなたの幸福度が上がる “たった数分” の神習慣。成功したいならばまず「幸せ」を感じて

幸福と成功の関係01

いまは不調だけど、仕事がうまくいけば幸せになれるはず……という考えをもっている人は多いかもしれません。しかし、実際のところは逆。ハーバード大学の指導員ショーン・エイカー氏の研究によると、仕事の成功に大きく関与するのは幸福度なのだそう。つまり、「成功すれば幸せになれる」のではなく「幸せであれば成功する」のです。今回は、私たちが幸せを感じるために日々すべきことをご紹介しましょう。

成功しても幸せになれないけれど、幸せなら成功できる

「もっと頑張って、成功すれば幸せになれる」という考えを、エイカー氏は否定しています。何かを達成した時点で、人はもう次の目標に魅力を感じて「もっといい仕事をしなければ」「もっといい成績を出さなければ」と考えるため、満足感が持続しないからです。

大切なのは「いまの自分が幸せを感じているかどうか」。同氏は「Happiness Advantage(幸福優位の法則)」を提唱しており、幸福度を上げることで知性が上がり、クリエイティビティも増し、エネルギーも高まると伝えています。

いつもどこかネガティブだと十分なパフォーマンスを発揮できないことは、多くの方が納得できるでしょう。反対に、いつも幸せでポジティブでいられれば意欲も高まり、それが成果となって表れてくるはず。

エイカー氏は、著書『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』のなかで、ネガティブ思考が定着してしまった人がポジティブに考えられるようになる方法を紹介しています。以下の簡単なエクササイズを21日間連続で行なうことで、実践した人たちの思考の癖が改善し、幸福度が上がったそうです。詳しく見ていきましょう。

幸福と成功の関係02

【1】今日「ありがたい」と思ったことを3つ書き出す

カリフォルニア大学デービス校の心理学教授ロバート・エモンズ氏らの研究によれば、感謝の気持ちを書き出すと健康や幸福度が向上するとのこと。

研究では、被験者を「1日のなかで『ありがたい』と思えたポジティブな出来事を3つ書き出すグループ」「『面倒だ』と思ったことを書き出すグループ」「『今日起こったこと』をニュートラルに書き出すグループ」の3つに分け、3週間実践してもらいました。その結果、最初の「ポジティブな出来事を書き出す」グループが、ほかの2グループに比べて体調が良好になり、運動量が増え、人生全体の満足度が上がり、ポジティブな気持ちが強くなったことが判明。目標に向かって行動を起こした人も多かったそうです。

「ランチがおいしかった」「友だちと電話で話せた」など、小さなことでかまいません。1日の終わりに、よかった出来事を3つ書き出してみましょう。

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【2】いま最も気になっていることを2分間書き出す

1日のなかで最も心に残った出来事、もしくは一番気になっていることや引っかかっていることを紙に書き出しましょう。自分の感情にフタをせず、素直に表現することがポイントです。

自分の思っていることや感じていることを、日記のように1日の終わりにノートに書き出すことを「ジャーナリング」と言います。紙に書くことで、嫌な物事や考えを頭のなかに留まらせず客観視させてくれる作用があるほか、そこから気づきや発見を得て問題解決につなげられるケースも

マインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)代表理事の荻野淳也氏は、ジャーナリングのコツを5つ挙げています。

  • あるテーマについて、決められた時間ずっと書き続ける
  • 頭で考えずに手を動かす
  • 気をそらせるものがないプライベートな空間で行なう
  • 脚色しないで事実や気持ちをあるがままに書く
  • 誤字や脱字を気にしない

たったの2分でも効果が得られるので、ぜひ試してみてください。

幸福と成功の関係04

【3】10分間だけ運動する

デューク大学の研究者の研究によると、運動にはうつ病の治療効果があるそうです。

実験では、うつ病患者を「運動と薬物治療を組み合わせたグループ」と「薬物治療のみのグループ」に分け、前者のグループには1日30分のトレッドミルによる運動を週3日×16週間行なってもらいました。その結果、薬物療法のみのグループではうつ病の症状の発現率は38%だったのに対し、運動を行なったグループはわずか8%だったそう。研究者は「メンタルヘルスには運動を取り入れるべき」と提言しています。

メンタルが弱っていてマイナス思考になりがちな人は、ただ休憩するよりも積極的に体を動かすことが回復への近道と言えるでしょう。1日たった10分の軽い運動でも、脳にいい影響がもたらされるのです。仕事の合間にジョギングをしたり、帰り道に一駅ぶんだけ歩いたり、日常生活に運動を取り入れてみてください。

幸福と成功の関係05

【4】デスクで2分間だけ瞑想する

ロチェスター大学の臨床医学教授のマイケル・クラスナー氏は、「マインドフルネスによって感情的疲労の症状が25%改善する」という研究結果を発表しています。また、精神科医の久賀谷亮氏いわく「瞑想が脳にいい変化をもたらすことが実証的に確認されている」とのこと。

マインドフルネスにはさまざまなスタイルがありますが、ここでは久賀谷氏がすすめる「マインドフルネス呼吸法」を紹介しましょう。方法は以下のとおりです。

  1. イスに座り、背筋を軽く伸ばして背もたれから離し、お腹はゆったりさせる姿勢をとる
  2. 足の裏や手、お尻の感触、身体が重力に引っ張られる感覚に意識を向ける
  3. 空気が鼻を通る感覚、肺が膨らむ感覚、呼吸の深さなど、呼吸を感じる
  4. 雑念を消し、他の考えが浮かんだらすぐに呼吸へ注意を戻す

これなら仕事の合間にデスクでもできそうですね。日常のなかに組み込んで、少しずつその効果を得ていきましょう。

***
「幸福」は生産性や成功の可能性を押し上げてくれます。ぜひポジティブ思考を手に入れて幸せを感じてください。

(参考)
Harvard Business Publishing|Positive Intelligence
TED|ショーン・エイカー 「幸福と成功の意外な関係」
Wikipedia|Hedonic treadmill
ショーン・エイカー 著, 高橋由紀子訳(2011),『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』,徳間書店.
Robert A. Emmons,Michael E. McCullough(2004),『The Psychology of Gratitude (Series in Affective Science)』,Oxford University Press.
American Psychological Association|A key to happiness
President Online|デキる人は「瞑想」で自己肯定力を上げる
Women’s Health|5 Things Anyone Starting Meditation Needs To Know
日経電子版|書く瞑想、ジャーナリング 集中力高め仕事効率を改善
The Atlantic|For Depression, Prescribing Exercise Before Medication
GLOBE|ほんの10分の軽い運動でも、脳は活性化する

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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