「寝転んで勉強」は本当にNGなの?

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リラックスできるからといって、ベッドやソファに寝転んで勉強や読書をするのは、基本的にNG。自分の身体への負担が大きくなるだけでなく、脳の働きが鈍くなって集中力が低下しかねない、非効率的な勉強法です。

今回は、寝転んで勉強するデメリットや、正しい姿勢をとる方法を具体的に解説します。あわせて、どうしても寝転んで勉強・読書したいときに役立つ便利グッズもご紹介しましょう。

寝転んで勉強するデメリット

寝転んで勉強するデメリットとしては、以下の3つが考えられます。

身体に負担がかかる

整形外科医の中村格子氏によれば、寝転んだ姿勢でスマートフォンを見ると、首や肩、腕などに無理な力がかかって身体を痛めやすいそうです。

勉強や読書をする場合にも、同じことが言えるでしょう。うつ伏せ・仰向け・横向きのいずれでも、正しい姿勢で座るのに比べれば、身体に大きく負担をかける恐れがあります。

目に負担がかかる

中村氏は、寝転んだ姿勢だと物と目の距離が近くなり、目が疲れやすくなるとも指摘します。横向きに寝転がり、頭を腕で支えながら本を読むと、目と本の距離はせいぜい十数cm程度のはず。20~30cmが適切な距離だそうなので、これでは近すぎますね。

また、「左右の視距離のズレ」も問題です。眼科医の鈴木高佳氏によれば、特に横向きの姿勢で勉強や読書をすると、見る対象との距離(視距離)が左右で変わるため、乱視などの原因になるそうですよ。

集中力が低下する

重力に逆らって身体を起こすための「起立筋」という筋肉群があります。脳科学者・高田明和氏によれば、背筋を伸ばして正しい姿勢になると、起立筋から大脳の「前頭前野」へ刺激が伝わり、集中力が高まるのだそう。

武道や座禅において姿勢が重視されるのには、起立筋を活性化する意味もあるのでしょう。しかし、寝転んだ姿勢や猫背では起立筋が働かないため、集中力が欠けてボンヤリしてしまう恐れがあります。

このように、寝転んで勉強すると、ダラけた気分になってしまうだけでなく、肉体的にもさまざまなデメリットが生じうるのです。

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寝転んで勉強せず、正しい姿勢をとろう

寝転んで勉強するのをやめ、正しい姿勢で勉強することには、多くのメリットが期待できます。

正しい姿勢で勉強するメリット

背筋をしっかり伸ばせば、呼吸が深くなり、酸素をたっぷり取り込めます。反対に、浅い呼吸は、肩こりやむくみ、精神的なストレスなどの原因になりかねません。

呼吸器科医の大谷義夫氏によると、背中を丸めた姿勢では、肺が圧迫されて呼吸しづらいそう。姿勢を正せば、呼吸が浅くなるリスクを減らせます。

また、小児科医・小林弘幸氏によれば、姿勢が悪いと首の血管が圧迫され、血流が滞りやすくなるそう。脳に充分な血液を送り込むためにも、姿勢の正しさは重要なのです。もちろん、前章で述べた「身体への負担」や「集中力の低下」などのデメリットも低減できます。

◆正しい姿勢で勉強するメリット

  • 呼吸が深まる
  • 血管が圧迫されにくい
  • 肩や首への負担が少ない
  • 目への負担が少ない
  • 集中力が高まりやすい

正しい姿勢で座る方法

姿勢が大事だとはいえ、自分の座る姿勢が「正しい」かどうか、自信のない方も多いでしょう。そこで、カイロプラクティック(※)施術士・木津直昭氏の解説を参考に、正しい座り姿勢をつくる簡単な方法をご紹介します(骨格の修正や生活習慣の改善を通じて健康向上を図る、整体技術の一種)。

1. 思いきり脚を開く

まず、思いきり脚を広げて座ってみましょう。時代劇で見る戦国武将のように、堂々としたイメージで座るといいそうです。脚を広げて座ると、自然に骨盤が立ち、姿勢が安定します。

2. 背中を反らす

次に、背中の角度を決めます。正しい角度は「猫背」と「反り腰」のちょうど真ん中。まずは、「やりすぎだ」と感じるくらいに背中を反らし、身体の重心を後ろにもっていきましょう。

3. 少しずつ上半身を起こす

少しずつ身体を起こします。ある地点で背中の力が緩み、お腹にグッと力が入るはず。そこが、上半身の正しい位置です。これで、身体への負担が最小限になる「正しい姿勢」が完成しました。

簡単なので、誰でもすぐにコツをつかめるはず。寝転んで勉強することが多い方や、姿勢の悪さを自覚している方は、ぜひ試してみてください。

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寝転んで勉強したいときの便利グッズ

正しい姿勢で座る大切さをご説明してきましたが、どうしても寝転んで勉強したいときや、ケガ・病気で起き上がれない場合があるかもしれません。そこで、横になったまま勉強や読書をするのに便利なグッズをご紹介しましょう。

クッション

クッションには、うつ伏せの姿勢に特化したものがあります。たとえば、以下の「寝ながら快適スマホクッション枕」は、向きによって厚みが異なるもの。うつ伏せになってあごを乗せ、クッションを抱きかかえるように腕を回して本を開けば、ちょうど読みやすい高さになるでしょう。

読書スタンド・パソコンスタンド

読書スタンドがあれば、本を頭上に固定し、仰向けのままでも読書しやすくなります。ROUNDSのブックアームスタンドなら、ベッドの横に置き、付属のクリップで台に本を挟むだけ。照明つきなので、部屋の電気を消して本を読むときも使えます。

ノートパソコンを固定できるスタンドもあります。「RAINBEAN」のスタンドなら、角度を360度自由に変えられるので、ベッドに横たわったままでも使えますよ。

反射メガネ

仰向けでの読書には、「反射メガネ」も役立ちます。レンズの反射・屈折を利用し、視野の角度を変えてくれるメガネです。たとえば、仰向けに横たわり、お腹のあたりで本を立てて開くと、顔を上に向けたまま読書ができます。

指サック

読書用の指サックも使えます。片手だけで本を持つときも、ページが開きやすいからです。英国から来た「Thumb Thing」なら、親指にはめて本の真ん中を持つことで、ストッパーにより左右のページを押さえられます。

これなら、どんな姿勢でも比較的楽に本を読めるはず。寝転んで勉強や読書をする場合だけでなく、電車で移動中の読書にも便利ですね。

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寝転んで勉強・読書するときの便利グッズをご紹介しました。とはいえ、最初に述べたように、寝転ぶ姿勢にはさまざまなリスクがあります。勉強するときは、ご紹介した方法を参考に、できるだけ正しい姿勢で座るようにしてくださいね。

(参考)
BIC SIM|スマホを見るベストな姿勢って? スポーツ医監修「スマホしぐさ」研究
戸塚駅前鈴木眼科|視力低下を引き起こす3つのNG習慣
高田明和(2006),『<ハッキリ脳>の習慣術』, 角川書店.
NIKKEI STYLE|悪い姿勢が招く「隠れ酸欠」 呼吸筋ほぐして深い息に
PHPオンライン衆知|自律神経に悪影響! 「姿勢がいい人」に忍び寄る"かくれ猫背"の恐ろしさ
木津直昭(2013),『その痛み・不調は、「座り方」を変えれば消える!』, PHP研究所.

【ライタープロフィール】
佐藤舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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