意見を言おうにも「自分の意見がわからない」という問題。◯◯に注目するとスタート地点に立てる

自信を持って発言する方法01

「意見はあるのに、会議でなかなか発言できない......」
「反対されるのが怖くて、ほかの人に合わせることしかできない......」
このように、自分の意見をうまく言えず悩んでいる方はいませんか?

自分の意見を言うのは、人によっては勇気が必要かもしれません。この記事では、自信をもって意見を伝えられるようになるためのコツを3つご紹介します。

自分の意見をうまく言えない “2つの理由”

そもそも、自分の意見を言えずに悩んでしまうのはどうしてでしょうか。キャリアコンサルタントで日本ディベート協会の理事を務める後藤久里子氏によれば、理由は主に2つあると言います。

1つめは、「自分の意見がわからない」という理由です。意見を言わないでいると、もし自分が何か考えていたとしても、それに気づかなくなってしまいます。すると、「自分の意見は何もない」と錯覚してしまい、発言しようと思わなくなるのです。

2つめは、「自分の意見を批判されるのが怖い」という理由です。他人から否定されるのを過度に怖がってしまうことから、自分の意見に自信をもてなくなってしまいます。誰かに否定されるくらいなら流れに身を任せておこうという考えになり、結果として発言しないようになってしまうのです。

こうした理由から発言しないことが習慣になってしまうと、意見を急に言おうとしてもなかなかうまくいきません。「今回も自分の意見を言えなかった」という積み重ねにより、ますます発言しづらくなるでしょう。

自信を持って発言する方法02

自信をもって発言するための3つのコツ

では、私たちはどうすれば自分の意見をうまく伝えられるようになるのでしょうか。3つのコツをご紹介します。

【コツ1】意見がわからないときは「感情の起伏に着目する」

前述の後藤氏によれば、自分の意見がわからないときには、自分の感情の起伏に着目することから始めるべきなのだそう。

たとえば、「紙媒体の資料を、今後すべてオンラインにしてはどうか」という提案が会議でされたとしましょう。それに対し、もしマイナスな感情を感じたり納得できなかったりしたら、「従来のやり方から変えることに、なんらかの抵抗を感じている」と言えますよね。つまり、賛成よりも反対に近い意見をもっているということです。逆に、提案に対して素直に共感できれば、意見は賛成側に近くなります

このように、自分の感情に注目すれば、意見の方向性を明らかにできるのです。その方向性を手がかりとして、「自分は提案のどこに納得できていないのか」「自分は提案のどこに共感しているのか」を考えると、明確な意見として発言できるようになるでしょう。

【コツ2】意見が衝突したときは「全体像を見る」

誰でも、自分の意見は批判されたくありませんよね。「HBR Guide to Dealing with Conflict」の著者であるエイミー・ギャロ氏は、意見の衝突について、次のように述べています。

実のところ、「私の意見は違います」とか「私は反対だ」といった発言を、私たちは怒りや無作法、冷たさと同じだととらえるようになっている。そのため、意見の不一致に対して、多くの人がとても不安を覚えるのである。

(引用元:Havard Business Review|仕事における意見の不一致は、なぜそこまで重要なのか

たしかに、多くの人は、自分の意見が批判されることを消極的にとらえているでしょう。しかし、「意見の衝突」は、仕事のパフォーマンス向上のために必要なプロセスです。

ギャロ氏によれば、意見が否定されることを恐れない自分になるためには、「全体像」を見るとよいのだそう。つまり、自分と異なる意見について、目的やプロセスの違いを考慮しつつ議論すべき重要性を見いだしていくのです。

たとえば、自分は「紙媒体の資料を、今後すべてオンラインにしてはどうか」と提案したいのに、「いや、紙媒体の資料のままがよい」と否定されそうで発言をためらっているとしましょう。

しかし、「意見になぜ批判的か」をさまざまな角度から理解することで、その批判が実際には検討すべき必要なものであることを認識できます。たとえば「紙媒体のほうが目にやさしい」「すべてオンラインにするのではなく、一部重要な資料は紙媒体でも残しておくべき」など、建設的な批判を単なる人格否定と受け取ってしまうのはよくありません。全体像を見れば、自分の意見は批判されてもいいと思えるようになり、きっと恐れずに発言できるはずです。

自信を持って発言する方法03

【コツ3】意見を言い出せないときは「インスタントモデリング」をする

前述のエイミー氏は、意見の否定を恐れないために必要なものとして、「全体像」を見ることのほか、「ロールモデルを見つけ、そのまねをすること」も挙げています。

これを実践するにあたり、著書『話ベタを7日間で克服する本』で松本幸夫氏が紹介している「インスタントモデリング」という方法がおすすめです。これは、発言の勇気を養うため、心のなかで自分の手本にすべき人物を想像する方法。具体的なステップについて説明しましょう。

ステップ1:尊敬する人をひとり想像する

まず、自分のなかで尊敬する人をひとり思い浮かべ、ロールモデルとしてください。松本氏は、「歴史上の人物」を思い浮かべることをすすめています。

ステップ2:「その人ならどうするか」を自問する

次に、「会議で発言するか悩む」など自分では思いきりがつかない場面で、ロールモデルに決めた人物ならどうするかを想像します。たとえば、尊敬する人がスティーブ・ジョブス氏であれば、会議で自分の思ったことを迷いなく発言することが想像できますよね。ここでは、自分のロールモデルがするであろう「理想の行動」を、明確にしておくことが重要です。

ステップ3:その人に負けないよう行動する

そして最後は、ロールモデルの人物に負けないような自分の行動を決定します。先ほどの例でスティーブ・ジョブスに負けないよう行動するとなれば、会議でも積極的に発言できるようになるでしょう。

この方法は、自分の決断の基準を「ロールモデルの基準」に当てはめることができるため、決断力や実行力を養うことができます。どうしても発言をためらってしまうような場面では、「インスタントモデリング」を活用することで、ポジティブに対応していくことが可能になるのです。

***
会議やほかの人が多くいる状況で意見を言う際は、ご紹介した方法を実践して、これまでの発言できなかった習慣を変えてみてください。

(参考)
日経xwoman Terrace|なぜ「自分の意見」を言えないのか 「自分らしい」生き方に必須の「自分の意見を言う」スキル
Havard Business Review|仕事における意見の不一致は、なぜそこまで重要なのか
松本幸夫(2016), 『話ベタを7日間で克服する本』, パンローリング株式会社.

【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。

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