「よかれと思って頑張るのに評価されない人」の3つの残念な仕事習慣。

かえって仕事の評価を下げる行動3つ01

「会社やチームのためと頑張っているのに、報われない」
「上司の指示に従い、懸命に働いているが、一向に評価が上がらない」 

仕事で、自分の頑張りが認められないと落ち込みますよね。しかし実際は、「よかれと思って」やったことが、かえってあなたの評価を下げる原因になっているかも……。そんなNG行動を3つ挙げますので、ぜひご自身に当てはめながら読んでみてください。

【1】完璧に仕上げようとする

「次のキャンペーンのためにアイデアをいくつか挙げてほしい」と上司に頼まれたので、よかれと思い綿密にアイデアを練って、期限当日に提出した。練りに練った案だったのに、上司の評価はイマイチ……。

それは、アイデア自体ではなく、提出までにかかった時間に原因があったのかもしれません。

人事・戦略コンサルタントの松本利明氏によると、評価されない人は、期限いっぱいまで作業を続け、品質を上げようと頑張ってしまう傾向があるそうです。

それとは反対に、次の2点を心がければ、評価を上げることができるとのこと。

  • 期限の少し前に提出する
  • いったん60点のクオリティで提出する

早めに提出すべき理由は、時間を無駄にしないためです。上司から依頼された仕事の「正解」は、上司本人にしかわからないと松本氏。自分のなかでは完璧に仕上げたつもりでも、上司にとって不完全であれば、いくら時間をかけても無意味になってしまう可能性があります。

だからこそ、出来具合は60点でもいいので早めに提出し、上司の意見を確認したほうがよいのです。さらに、60点の状態からブラッシュアップしていく過程を通じて、上司に信頼感や安心感をもってもらえるメリットもあると、松本氏は言います。

60点がどの程度なのかは仕事の内容によりますが、先の例なら、アイデアの叩き台をまず提出すれば充分だったかもしれません。

脳神経外科医の菅原道仁氏は、完璧を目指す傾向がある人へ向けて、「満点でなく、合格点でいい」と考えることをすすめています。そうすれば、作業スピードが飛躍的に速まるとのこと。

よかれと思い仕事を「満点の状態」に仕上げることを目指していた人は、これからは「少し早め」を意識してみください。より評価につながりやすくなるはずです。

かえって仕事の評価を下げる行動3つ02

【2】アピールせず黙々と仕事をする

「自分の仕事ぶりを自らアピールするなんて見苦しい。それより仕事に集中すべきだ」というように、よかれと思って作業を黙々とこなしていませんか?

人材育成事業を行なう株式会社ヒューマンテック代表取締役の濱田秀彦氏によると、アピールをしないのは、評価されない人の典型的特徴のひとつだそうです。

理由は、黙々と作業をこなすだけでは、「どれほどの成果を出したのか」上司に正しく伝わらないから。部下が「上司はきっと見ていてくれるはず」と思っても、上司は部下ひとりひとりの行動を逐一見ることはできない、と濱田氏。

また、『会社のオキテ』著者でクリエイティブディレクターのサカタカツミ氏は、自分からアピールをしないと過小評価されやすいと警告します。存在感の薄い人だと見なされてしまうからです。「この人、どんな仕事をしているのかよくわからないんだよな」「役に立つ仕事をしてくれてるのかな」と思われるようでは、いつまでも評価は得られないのだとか。

とはいえ、業務中にこれみよがしのアピールをする必要はありません。濱田氏によると、やるべきなのは、挙げた成果について、日々の業務報告できちんと伝えること。特に数字を用いて報告すると効果的だそうですよ。

数字の盛り込み方は、こちらの例を参考にしてみてください。研修事業を手がける株式会社インソースによると、「仕事の内容」「かかった時間」「仕事の量」を書くといいそうです。

【業務内容】
  • A社〇〇様来客応対、ランチもご一緒に(10:00~13:00)
    └○○様より、新商品の売り上げは前月比120%で、好調とのこと。

  • 自社ランディングページ効果検証、問題のあぶり出し(13:00~15:00)
    └ページビュー数が平均の3.5倍で、反響が大きかった。
    └コンバージョン率の平均値は4.7%で、目標を達成。

  • デザイン担当者とミーティング、効果検証の共有(15:00~15:30)

  • ランディングページ構成改善案を作成、△△さんに提出(15:30~16:30)
    └テキスト文字数を20%削減する
    └適切なボタン配置でスクロール率を10%上げる

  • SNS予約投稿・15件(16:30~17:30)

よかれと思って仕事をただ黙々とこなしていた人は、業務報告で仕事の成果を積極的にアピールしましょう。あなたの仕事ぶりをより正しく評価してもらえるようになりますよ。

かえって仕事の評価を下げる行動3つ03

【3】頼まれた仕事をすべて引き受ける

「B社の納品報告書を今日中にまとめておいてくれる?」このように上司から急な仕事を頼まれたとき、よかれと思ってすべて引き受けてしまっていませんか?

研修講師・コンサルタントの鳥原隆志氏によれば、あらゆる仕事を引き受ける人は、意外にも評価が上がらないそうです。

その理由は、端的に言えばキャパオーバーで仕事の質が下がりかねないから。時間や体力には限りがあるものです。最悪の場合、すべてをこなしきれず、途中で仕事を投げ出してしまうこともありえると鳥原氏。そうなれば、あなたの評価が落ちてしまうのは、言うまでもないことでしょう。

なかには、「評価が下がると言われても、上司の依頼を断ることには罪悪感があるし、どう断ればいいのかわからない」という人もいるかもしれません。

こうした悩みに精神科医の本田秀夫氏は、断るのではなく、「A(=いま抱えている仕事)とB(=頼まれた仕事)、どちらを先にやりましょうか?」と質問することをすすめています。いま抱えている仕事の進行状況や期日を伝えるのも効果的とのこと。

先の納品報告書の例なら、次のように上司へ質問するとよいでしょう。

「在庫データの更新作業をしていて、あと1時間くらいかかります。データ更新と納品報告書の作成、どちらを先にやりましょうか?」

「明日までに送る約束をしている見積書の作成があります。見積書と納品報告書のどちらに先に着手すべきでしょうか?」

このように上司へ尋ねれば、「忙しいようだから、ほかの人に頼むよ」というように、こちらから断らなくても別の人に仕事を振ってもらえる可能性もあります。

よかれと思って頼まれた仕事をすべて引き受けていた人は、自分の抱えている業務に集中することで、仕事の質や社内での評価を上げられるかもしれませんよ。

***
あなたの仕事ぶりや成果が正しく評価されるよう、かえって逆効果な「3つのNG行動」をやめるように心がけていきましょう。

(参考)
Precious.jp|評価が高い人は絶対にやらない!お給料が上がらない人が無意識でやっているNG習慣6選
菅原道仁 (2018), 『なぜ、脳はそれを嫌がるのか? 』, サンマーク出版.
NIKKEI STYLE|実力より評価が低くなってしまう部下の「3つの体質」
プレジデント ウーマン オンライン|上司からの過小評価を避けるために、今すぐすべきこと
株式会社インソース|上司が“唸る”日報の書き方
welog media|業務日報の書き方。記入例やテンプレを押さえて効果的な日報を作成しよう
Precious.jp|評価されない人が無意識でやっている「NG習慣」7選
ダイヤモンド・オンライン|「上司から頼まれると、断りづらい…」。仕事でキャパオーバーしないための対処法とは?

【ライタープロフィール】
かのえ かな
大学では西洋史を専攻。社会人の資格勉強に関心があり、自身も一般用医薬品に関わる登録販売者試験に合格した。教養を高めるための学び直しにも意欲があり、ビジネス書、歴史書など毎月20冊以上読む。豊富な執筆経験を通じて得た読書法の知識を原動力に、多読習慣を続けている。

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