「目標を達成できる人」になるための新習慣。途中で息切れしないための3つの工夫

朝日に向かってガッツポーズをする人の影

「毎日2時間勉強する」「ダイエットを成功させる」

年が改まる節目には、清々しい気持ちで新年の目標を立てたくなりますよね。

しかし蓋をあけてみれば、いつも中途半端に終わってしまい、「なぜ目標を達成できないのだろう?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

筆者も毎年、断捨離を目標に掲げているのですが、失敗続き……。いざとなると行動に移すのが大変で、先延ばししているうちに気持ちが疲れてきて、そのまま一年が過ぎてしまうのです。

そこで今回は、心身ともに疲れることなく、目標達成を目指して行動し続けられる工夫を3つご紹介します。

【ライタープロフィール】
上川万葉
法学部を卒業後、大学院でヨーロッパ近現代史を研究。ドイツ語・チェコ語の学習経験がある。司書と学芸員の資格をもち、大学図書館で10年以上勤務した。特にリサーチや書籍紹介を得意としており、勉強法や働き方にまつわる記事を多く執筆している

1.「やる気満々」から抜け出す

「よしやるぞ!」と、つい気合いが入りすぎていませんか? もしかしたら、それが仇になり、せっかく立てた目標が頓挫してしまうのかもしれません。

まずは、“やる気満々” 状態を抜け出しましょう

『科学的にラクして達成する技術』著者で行動科学専門家の永谷研一氏によれば、「最初に気合いが入りすぎると、途中で失速してしまう確率が高くなる」そう。「最初の『やる気』は、多くの場合、『気負っている状態』」なのだと言います。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|やる気満々な人ほど「目標達成」できない理由

たとえば、ダイエットしたい人が「やせるまで甘いおやつは絶対に口にしない」といった大きな目標を掲げたとしても、その意欲はしだいに減退してしまうということです。

心当たりがある方は、高揚感に駆られてハードルの高すぎる目標を設定していないか確認してみましょう。永谷氏は、「自分の気負い」を見つけるチェックポイントと修正方法を3つ提案しています。(カギカッコ内引用元:同上。以下カギカッコ内も同じ)

チェック1:「難易度」が高すぎないか

やる気満々だと、目標のハードルが高くなりがちに。自分にとって負荷が少ない「簡単な行動計画」に変えましょう。

たとえば、ダイエットなら次のような具合です。

やせるために好物の炭水化物を100%抜く!

 炭水化物を抜くのは夕食時のみ。肉・魚・野菜は多めにとってOK

チェック2:行動計画は「4つ以内」か

行動計画は「4つ」までに絞りましょう。

永谷氏によれば、「行動計画が5つ以上」の場合、「実践度が低く、続かない傾向にある」そうです。

次のようにたくさんの目標があるなら、絞り込んで取り組みましょう。

  • 毎朝勉強をする
  • 月2万円を貯金する
  • 契約数を3倍に増やす
  • プレゼンを成功させる
  • 糖質制限ダイエットでやせる
  • 週に4回ランニングをする

→ 上記から4つ以内に絞る

チェック3:目標が「数値化」されているか

曖昧な表現では、どの程度行動すればいいかわかりません。「しっかり」といった副詞は控え、具体的に「数値化」してみましょう。

しっかり勉強時間を確保する

 通勤電車で10分間英語の勉強をする

以上の3つが、気合を入れすぎない目標設定のコツです。

気合を入れて大きな目標を立てても、結局うまくいかなかったら大きな失望感を抱えることになります。自分はなんてダメなんだ……と気持ちが落ち込んでしまうかもしれません。目標達成を目指して行動し続けるには、やる気満々な状態からちょっと力を抜くことが大切ですよ。

椅子に座ったまま伸びをしている女性

2.「行動開始のタイミング」をつくる

「業績を上げるため、帰宅後に勉強をしよう!」と強く決意したのに、いざとなるとどっと疲れを感じ、「やっぱり明日にしよう」と逃げてしまうことはありませんか?

イギリスのダラム大学心理学教授フューシャ・シロア氏は、人々がタスクの先延ばしを繰り返してしまう理由を次のように説明しています。

“People engage in this irrational cycle of chronic procrastination because of an inability to manage negative moods around a task.”
(「人々はタスクにまつわるネガティブな気分を管理できないことから、この非合理な慢性的な先延ばしのサイクルに陥るのです」)

(引用元:The New York Times|Why You Procrastinate (It Has Nothing to Do With Self-Control) ※日本語訳は筆者による)

つまり、高すぎる目標のせいで生じるストレスを和らげるために、“楽に満足を得られる行動” を優先することが、先延ばしの原因になっているというのです。

それならば、まずは行動をスタートさせることが必要。

明星大学心理学部教授の竹内康二氏は、「最後まで作業を完了できないとしても、行動を始発させるのが先延ばしを防ぐテクニック」だと話します。(カギカッコ内引用元:プレジデントオンライン|重要な仕事をなかなか始められない…そんな「先延ばし人間」にお勧めする"科学的なトイレの活用法"

でも、気乗りしないのに行動をスタートさせるのは難しいもの……。そこで、行動をスタートできるタイミング探しをしてみましょう。自分の生活のなかで勉強に取りかかれそうなタイミングや、本を読み始められそうなタイミングを探すのです。

竹内氏によると、その際は「日常生活のスキマ時間を活用」するほか、自ら「スキマ時間をつくる」とよいそう。たとえば、「待ち合わせ場所に約束の時間より30分以上早く行くようにして相手が来るまでの時間に」やりたい行動に取り組むのもいい方法なのだとか。(カギカッコ内引用元:同上)

以下のような例を考えてみました。

  • 待ち合わせ場所に早めに到着したタイミングで
    → ビジネス書を読み始める
  • 電車に乗ったタイミングで
    → 最新ニュースをチェックし始める

目標とする行動を日常生活のなかに組み込んでしまえば、疲れてしまって帰宅後や休日ではなかなか実行できない場合でも、ムリなく実行することができそうですね。

目標を実現するコツは、行動を始めるタイミングをつくること。ぜひ取り入れてみてください。

オフィスの机に寄りかかって資料を見ているスーツの男性

3.「目標を実現している人」のそばに行く

「朱に交われば赤くなる」ということわざがあるように、勉強に打ち込んでいる人に囲まれていると、つられて自分も勉強に集中していた……なんてことはありませんか? 

仕事であれば、憧れの上司の下で働いているうち、自然と仕事ぶりをまねるようになり、理想の働き方に近づけた……という経験がある人もいるかもしれません。

目標達成のための行動をいつの間にかしなくなってしまうことを防ぐために、そうした経験を活かしてみてください。つまり、あなたの掲げる目標をすでに実現している人のそばに行くのです。

これは、脳の機能を利用したメソッドです。

脳科学者の篠原菊紀氏によれば「脳には、他者の行動を反映するミラーニューロンという神経」があるそう。「仕事を意欲的に手早くこなす人を見ているとミラーニューロンが活性化」するため「同様のパフォーマンスを発揮できる可能性」があるのだとか。(カギカッコ内引用元:Web eclat|イメージする、口に出す、デキる人の近くに行く。やる気スイッチが入る3つの行動

ですから、目標達成を目指して行動し続けたいなら、たとえば以下のようにしてみてはいかがでしょうか。

  • 「1週間に1冊本を読む」という目標を達成したいなら
    → 本を読んで過ごしている人が多いカフェに定期的に行く
  • 「半年で2kg痩せる」という目標を達成したいなら
    → ウォーキングしている人が多い公園で毎週末歩く

これなら、途中で心折れることなく、目標達成に向けて行動を続けられそうですね。

あなたの目標を実現している人は近くにいますか? もしいるなら、すぐにこのミラーニューロンのメソッドを利用してみてくださいね。

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新年の目標を立てたみなさん。この記事でご紹介したコツを活用し、今度こそ目標を達成しましょう。

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