パフォーマンス低下の原因は「猛暑」による脳のオーバーヒートかも?

夏の屋外で暑そうにする男性

「最近、頭がぼんやりして仕事も勉強もはかどらない……」

こんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。パフォーマンスが低下する原因のひとつに、連日の猛暑があります。

暑さによる体力の消耗はもちろんですが、脳がオーバーヒートしてしまい、それがパフォーマンスの低下につながっているのかも。

では、この猛暑の中でも高いパフォーマンスを維持するには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。本記事では、脳のオーバーヒートを防ぎ、暑さに負けない効率的な仕事や学習を実現するための3つのコツをご紹介します

【ライタープロフィール】
柴田香織
大学では心理学を専攻。常に独学で新しいことの学習にチャレンジしており、現在はIllustratorや中国語を勉強中。効率的な勉強法やノート術を日々実践しており、実際に高校3年分の日本史・世界史・地理の学び直しを1年間で完了した。自分で試して検証する実践報告記事が得意。

脳のオーバーヒートはこうして起こる

そもそも、なぜ脳はオーバーヒートを起こすのでしょうか?

東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身氏によると、「実は体の中で最も活発に動き、最も発熱しやすい部位は『脳』」なのだそう。(カギカッコ内引用元:サワイ健康推進課|暑さ、ストレス、働きすぎ……自律神経の酷使による「脳のオーバーヒート」にご用心!※太字は編集部が施した)

その理由はふたつあります。ひとつめは、「頭蓋骨の中で大切に守られている脳は、外気にさらして熱を放散させることができ」ないから。ふたつめは、脳は「自律神経の働き」を維持するため、「休息することなく24時間365日働き続け」ているから。(カギカッコ内引用元:同上)

脳は、もともと構造的に熱が逃げにくいうえ、常にフル稼働で発熱しているため、熱をもちやすいのです。

それでは、そんな脳がさらに熱くなる——つまり、オーバーヒートしてしまうのはどのようなときなのでしょうか。

同氏によれば、「自律神経に負荷がかかれば、それだけ脳の発熱量も増え」るとのこと。その自律神経に負荷をかける原因が「環境の要因」と「自律神経中枢の消耗」なのです。(カギカッコ内引用元:同上※太字は編集部が施した)

連日の猛暑は、まさに環境の要因にあたります。特に「暑くなると、体温調節のために自律神経が酷使されるため、脳の温度が上がりやすくな」るのだそう。(カギカッコ内引用元:同上)

猛暑は脳のオーバーヒートに深く関係していることが、科学的にわかっているのですね。

脳のオーバーヒートを防ぐコツ

それでは、どのように対策すればいいのでしょうか。

脳のオーバーヒートは「環境の要因」と「自律神経中枢の消耗」によって、自律神経に負荷がかかり、引き起こされるのでしたね。であれば、環境と自律神経を整えることで脳のオーバーヒートを予防できるはず。

環境を整える具体策として、エアコンや便利グッズを賢く利用することが挙げられます。また、自律神経を整える具体策としては、生活のなかで自律神経に負担をかけている習慣を見直すことが挙げられます。

つまり、外側と内側、両方から熱を取り除くようにするのです。それぞれについて、具体的な方法を見ていきましょう。

1. 室内では、 エアコンや冷却グッズで脳を冷やす

職場でも自宅でも、脳をクールダウンすることを意識してみましょう。

たとえば、エアコンの設定温度は28度が推奨されていますが、実は脳にとっては暑い温度であると知っていましたか?

前述の梶本修身氏によると、「脳にとっての最適温度、つまり脳の負荷にならずに機能を発揮しやすい室内環境は22~24度といわれています。『少し涼しい』くらいの温度が理想的」なのだそうです。(カギカッコ内引用元:同上※太字は編集部が施した)

かなり低めの温度設定ですね。ずっとこの室温で過ごすのは、人によっては寒すぎると感じるかもしれません。その場合は、仕事や勉強に集中したいときだけ、この温度に下げるといいかもしれません。上着をはおって調整するのもいいですね。

エアコンをつけて仕事をする男性

「エアコンは苦手」「家族やほかの社員もいるので、自分の都合だけで設定温度は変えられない」という場合は、首などを冷やすグッズを使用してみましょう。

「首やわきの太い血管を冷やして冷たい血液を循環させる」のは、脳のオーバーヒートを抑えるのに効果的です。(カギカッコ内引用元:同上)

室温や体温を下げるように心がけることが大切です。

2. 外出時は、日傘を賢く利用する

特に暑さを感じるのは、なんといっても外出時。通勤時や外回りなど、定期的に移動する必要がある読者の方も多いのではないでしょうか。せっかく室内ではクールダウンできても、対策せずに外出すれば、自律神経はあっという間に消耗してしまいます。

そこで、外出時は日傘を使うことをおすすめします。近年、猛暑の影響により、日傘を使用する人が増えているそうです。

民間気象会社ウェザーニュースの調査によると、日傘の使用率は「全国平均で33%で、5年前と比較して10ポイントも増加してい」るのだそう。(カギカッコ内引用元:ウェザーニュース|日傘の使用率は3割超、5年前より10ポイント増 男性も1割にのぼる

「荷物が増えるのが嫌」と感じる方も、脳のオーバーヒートを予防して、やりたいことに集中して取り組めるようになるなら、試してみたいと思いませんか?

事実、「真夏の昼下がりに日射しが当たる頭髪の温度は55℃前後に上昇しますが、日傘を使うと40℃前後と15℃も低くな」ることがわかっているそうです。(カギカッコ内引用元:同上)

日傘をさすだけで、こんなに温度が変わるのですね。直射日光に当たって体力や自律神経を消耗するのを予防できるので、ぜひ日傘を活用してみてください。

日傘

3. デジタルデトックスで、自律神経の負担を軽減する

脳のオーバーヒートを防ぐために外部からの熱を防いだとしても、自律神経を酷使して、脳の発熱量が多いままならオーバーヒートを起こしやすいのに変わりはありません。何も気にせずに過ごしていると、自律神経が知らず知らずのうちに消耗している……ということも。

猛暑の期間は、いつも以上に「自律神経に負担をかける行動をとっていないか」を振り返る必要があります。たとえば、スマホやパソコンなどのデバイスを使用する時間を、少し減らしてみるのはどうでしょうか。

順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、デバイスが自律神経に与える悪影響について、以下のように述べています。

スマホやパソコンのディスプレイから発生するブルーライトは、私たちが想像している以上に、脳に刺激を与えます。
本人は楽しく見ているつもりでも、脳の中では自律神経をかき乱す悪い作用が起きているのです。

(引用元:プレジデントオンライン|寝る前の3時間は「スマホ断ち」をするべき…ぐっすり眠れる自律神経を整えるための生活習慣※太字は編集部が施した)

スマートフォンを触る人

また、SNSはメンタルの不調につながりやすいですよね。「実際に、体調を崩して医療機関を訪れる患者さんには、SNSの書き込みが原因で自律神経を乱しているケースが多い」のだそう。(引用元:同上)

スマホやパソコンとの距離感は、普段から気をつけたいもの。しかし、猛暑で脳がオーバーヒートしがちな時期は、よりいっそうデジタルデトックスを心がけたほうがよさそうですね。

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暑い日が続きますが、脳のオーバーヒート対策をして、仕事と勉強に集中できる環境を整えていきましょう。

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