ビジネスやプロスポーツの世界は栄枯盛衰。以前は隆盛を極めていた人物が現在は没落していることも珍しくありません。
そんな中で、成功してから年月が経ってもなお第一線で活躍し続けている成功者たちも存在します。 彼らは日々学習して時代の潮流に乗っているからこそ、現在でも第一線で活躍することができるのです。もし成功を勝ち取ることができたとしても、その状態が継続しなければ元も子もありませんよね。
今回は、長年成功し続けている人々の成功の秘訣をお伝えします。
APAホテル社長から見る「学びの心を捨てない」大切さ
アパグループが経営する「APAホテル」は、1980年の創業から40年近くが経過しているにもかかわらず拡張を続け、現在は国内外に440棟以上所在する一大ホテルチェーンです(2019年4月時)。 同ホテルの経営を担当している元谷芙美子氏は、学生時代は教員を目指し都内の女子大へ進学する予定でしたが、父親の体調が悪化したために断念したという経緯を持っています。
独立して経営者として成功した後、元谷氏は53歳の時に大学に入学。現在は東京国際大学の客員教授を担当しています。彼女が大学に入学した理由は、昔叶えられなかった夢を実現したかったから、というだけではないようです。
「教える」ということは自分のためにもなることです。教えることではじめて気づくこともありますし、自分自身をさらに成長させることができます。
(引用元:月刊私塾界|著名人に聞く|アパホテル株式会社代表取締役社長 元谷 芙美子氏 )
元谷氏は経営者として成功してもなお、新しい知識を吸収してレベルアップすることを望んでいるのです。
彼女は、大学に入学することは一つの通過点に過ぎず、そこからギアチェンジしてさらに上を目指すべきなのに、社会に出ると勉強しなくなる人が多いと語ります。 学校で得る知識と社会で役立つ知識は全く異なるものです。社会に出て仕事に不満を語る方もいるとは思いますが、それは自身が働く環境に問題があるというより、目標を実現するための努力を怠っているだけ、という場合は少なくないでしょう。
「人生そのものが学び」が元谷氏のモットーです。もし、あなたが将来大きな成功を望んでいるなら、必要な技術や資格を身につけるために専門書を購入して学習する、セミナーや交流会に足を運ぶといった努力は必須でしょう。学び続ける姿勢を崩さないことが、成功への第一歩です。
「現状を疑い、逆張りをする」高須院長の姿勢
日本の美容整形の先駆けとなった「高須クリニック」の院長である高須克弥氏は、1976年に同クリニックを開業しました。
医師の多い家系に生まれた高須氏が美容整形を専門にすると決めた際には、親族から猛反発をくらったそうです。なぜなら当時は美容整形という行為自体に良いイメージがなく、成功するとは思われていなかったから。しかし、高須クリニック開業後、美容整形は一般的なものとなり、現在の高須氏は莫大な資産を保有しています。
成功する職業は時代とともに変わると高須氏は語ります。例えば、難関大学を卒業して公務員など堅実な仕事に就いた人物よりも、学生時代は「どこに就職するの?」と言われていた農学部出身の人物がバイオ関係の職業に就いて大成功を収めていた……。なんて光景を、高須氏は学校の同窓会の場で見たことがあるそうです。
高須氏いわく、「その時代に怪しげだと思われていたものが次の覇者」とのこと。高須クリニックが日本ではじめた脂肪吸引やプチ整形は当初は批判の的でしたが、現在では一般的な治療法となっています。新しい分野に挑戦すれば競合相手が少ないため、自然と成功する確率が高くなります。成功する秘訣とは「逆張り」だそうです。
逆に、確実に儲けようと思って多数派の意見に賛同したり、深く考えずに表面だけ過去の成功者の真似をすると、大成功する可能性は低いようです。高須氏は今から美容外科を開業しても、さほど成功しないと断言しています。
現在、世界で最も注目されている企業の一つであるApple も、2000年代初頭までは業績が低迷し、倒産するという噂さえささやかれていました。同社が復調したのは「カラフルなパソコン」「MP3形式の音楽プレイヤー」「タッチパネル式のスマートフォン」といった斬新な製品を次々と生み出したから。当初は怪しげともいわれたAppleの製品は、現在ではスタンダードになっています。
前述した脂肪吸引やプチ整形は、高須氏が海外で学んだ技術をもとに開始されたものです。現状を大きく変え、成功を掴みたい方は、知らない土地に引っ越す、海外旅行に出かけるなど、これまでの常識がひっくり返るような環境に身を置けば、状況は一変するかもしれません。引越しや旅行をする余裕がない方も、普段より早く出社する、通勤ルートを変えてみる、気になった商店におとずれるといった、日常の何気ない行動が成功のヒントとなることがありますよ。
三浦知良選手は「常に挑戦し続ける」
サッカーチーム・横浜FCに所属する三浦知良選手は、2019年2月に52才を迎えた超ベテラン。同世代がコーチや解説業に転身する中、現役を続けられるのは、モチベーションの高さが要因のようです。
三浦選手は日々ストイックなトレーニングを実施しており、身体測定の結果ではなんと若い頃よりも体力が増加している面があるのだそう。現在でも三浦選手は横浜FCの若手選手たちと入り混じって練習を行っています。
個人的見解としては「苦しまない先には何もない」といつも思っている。効率も追求できるし、理論的に正しい“楽”ならいかようにもできる。ただそこに成長もない気がしてね。(中略)欲が収まるどころか、向上してより貪欲になっちゃっている。いいんじゃないでしょうか、サッカーを追求する欲張りなら
(引用元:BOA SOLTE KAZU|苦しまずして成長なし)
三浦選手は、富や名声のためではなく「サッカーをやりたい」という純粋な衝動をモチベーションにしているのです。サッカー日本代表のエースとして一時代を築いた三浦選手ですが、監督に「何の生産性もない」(ゴールやアシストを決めない)と叱責されたことを素直に反省するなど、初心の気持ちも忘れていません。
人間、本当に好きなことなら、何度でも挑戦できることがあります。例えば、あなたが絵を描いて何度もコンクールに応募すれば、いつかは賞をとれるかもしれませんし、文芸作品を投稿し続ければ、いつかは文壇デビューできるかもしれません。
また、経験を重ねるにつれて既存の考えに囚われがちになるかもしれませんが、初心を忘れず相手の意見を素直に取り入れれば、自身のスキルがアップする可能性も高まります。
好きなこと、やりたいことを追求すれば、その先には成功が待っているかもしれません。
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長年成功する人の特徴とは、常に学び自身を高めようとすることではないでしょうか。一度なんらかの形で成功しても慢心せず、常に挑戦の気持ちを忘れないことが大切なのです。
(参考)
月刊私塾界|著名人に聞く|アパホテル株式会社代表取締役社長 元谷 芙美子氏
女の転職type|逆境、失敗、誹謗中傷「それが何か?」――アパホテル元谷芙美子社長に見る“絶対不幸にならない人”のルール
exciteニュース|成功したければ「逆張り」! 高須院長に聞いた、お金持ちになるために若いうちから心掛けておくこと
新R25|「いま怪しげだと思われているものが、次の覇者」高須院長が語る“稼ぐ哲学・使う哲学”
文春オンライン|三浦知良51歳「現実は甘くない。でも去年より、きっとよくなる」
BOA SOLTE KAZU|苦しまずして成長なし
【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、 ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、 エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEB上 で活用することを目標としている。