「なぜか仕事が速い人」がしていない意外なこと。ToDoメモに頼りすぎると仕事はかえって遅くなる。

仕事が速い人が絶対にやらないこと01

皆さんのまわりに、「なぜか仕事がとにかく速い人」はいませんか?

人によって仕事スピードが異なるのは当然。残業に頼りながらなんとか仕事を終わらせる人もいれば、定時までに余裕を持って終わらせて颯爽と家路につく人もいます。でも、「経験」や「能力」のほかに、何か絶対的な違いはあるのでしょうか?

じつは、仕事が超絶速い人には、普通の人がやりがちではあるものの “絶対にやらない” と決めていることがあるのです。仕事を速くこなせるようになるために、やってはいけないことを3つ指摘します。

1.「TODOメモにとらわれる」のはNG

やるべきことを忘れずにこなすために、「TODOメモ」をつけている人も多いのではないでしょうか。ノートに逐一記したり、付箋を使ってパソコンやデスクに貼りつけたり……。

しかし、このTODOメモにとらわれすぎて、仕事の効率がかえって悪くなるケースがとても多いのです。経営コンサルタントの福山敦士氏は、何でもTODO化しがちな人が陥る過ちについて次のように指摘しています。

たとえば、取引先との打合せのときに「議事録をあとで送っておいて」といわれたらどうするか。

帰社してから念のためミスがないか確かめたり、それ以外のことを何かやっているうちに「しまった、こんな時間だ……」となるのが、「TO DO化」してしまう人にありがちなパターン。

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|仕事の速い人は、そもそも「TO DO化」をしない

メモしたのをいいことに「後でやろう」となってしまい、結果としてすべてが後手後手にまわってしまうのです。

一方、「TO DO化」しない人は、打合せのときに、多少、誤字脱字があることに気づいてもすぐ送ってしまいます。(中略)その場で「今送っちゃいますね」といえる人は仕事をためず、やるべきことをやってどんどん成果を出していく人です。

(引用元:同上)

つまり、仕事を速くこなすうえで大切なのは、作業スピードそのものではなく、複数の作業をさばく決断スピードなのです。TODOとして溜めるのではなく、来た仕事はすぐにさばいてしまう。これが、仕事が速い人の秘訣なのです。

福山氏は、TODOを溜めないコツのひとつとして「自分ではやらずに他人に任せてしまう」ことも紹介しています。

例えば、部下に資料作成を頼むとき、載せるべき情報やページ構成について細かく説明しすぎる必要はありません。過去のサンプルをいくつか提示したり、最低限の手順だけアドバイスしたりして、「あとはやってみて。わからないところがあったら質問して」と相手にボールを投げてしまいましょう。あるいは、いったんは自分に課せられた仕事でも、ほかに適任がいれば思いきって任せてしまえばいいのです。

何でもTODO化している人は、知らず知らずのうちに仕事を遅くしてしまっています。TODOからは一度離れ、「他人に任せてみる」習慣を身につけてみてはいかがでしょうか

仕事が速い人が絶対にやらないこと02

2.「サボらず常に頑張ろうとする」のもNG

「すべての仕事を丁寧にきちんとこなさなければ……」と、強迫観念に近いものを感じながら仕事をしている人はいませんか。それもNG。仕事が速い人は、上手に手を抜く術を知っているのです。

株式会社武蔵野代表取締役社長で中小企業のコンサルタント業務を行なっている小山昇氏は、次のように話しています。

使い回せるものは徹底的に使い回します。私は社員の誕生日に直筆のハガキを送っていますが、その文面も10パターンのうちから相応しいものを選んで書いています。内容を考えなくていいからスラスラ書ける。宛先を含めて表裏書くのに1枚3分30秒です。

(引用元:プレジデント・オンライン|一流社長はハガキ1枚を3分30秒で書く

私たちが1日の中で仕事をするのは約8時間。人によってはもっと多いかもしれません。そのすべてで、脳をフル回転させて働くのも困難な話です。

仕事が速い人は、「ここは少し楽をしよう」というふうに、力を抜けるときに抜いて時間を生み出しています。このようにして、フルスロットルで取り組むべき仕事に多くの時間を割けるように、工夫を施しているのです。

例えば、上のハガキの例は、実際の仕事のシーンでもそのまま使えます。メールなどで、同じような文面を毎回手打ちしてはいませんか。会議の議事録を書く際に、いつもゼロから書き始めてはいないでしょうか。こういうときも、何かしらのテンプレートを用意して楽をしてしまえば、無駄な時間を削減することができますよね。

仕事だからといって、すべてを丁寧にこなす必要はないのです。

仕事が速い人が絶対にやらないこと03

3. ゴールを設定しない「ボトムアップ思考」はNG

では、肝心の “仕事そのものを速くこなすコツ” は何なのでしょうか。日本IBMエグゼクティブ・プロジェクト・マネジャーで、著書に『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』などがある木部智之氏は、仕事が遅い人の仕事に対する思考を次のように指摘しています。

怠けているわけではないのに思ったような成果を出せない人の共通点として、「ボトムアップ思考」があります。

(中略)

「即・行動」は「無計画」とも言い換えられます。今、自分が歩き出している道が間違った道であったり、ひどく遠回りの道である可能性もあるからです。

(引用元:東洋経済オンライン|仕事が遅い人は「着手する順番」が誤っている-誤った「ボトムアップ思考」が問題だ

木部氏が取り上げているのは、「ボトムアップ思考」と「トップダウン思考」というタスクの管理方式です。企業経営など組織において使われることが多い言葉ですが、木部氏は個人の思考の仕方として解説しています。

【ボトムアップ思考】
行動する → 状況に応じて方法を模索して進む → ゴールに到達する

【トップダウン思考】
ゴールを明確にする → 最速でゴールするための方法を考える → 行動する

仕事を持久走に置き換えてみましょう。ボトムアップ方式は「時間がないから、とりあえず走り始めなければ」となるパターンです。しかし本人は、ゴールがいったいあと何キロ先にあるのかは知りません。一方のトップダウン方式では、距離やペース配分、道のりなどを事前に把握したうえで、最適なペース配分で走ります。いったいどちらが完走できる確率が高いか、どちらが良い記録が出るかは明白ですよね。

やみくもに仕事に着手するのが必ずしも正解とは言えません。仕事が速い人は、じつは仕事を始める前にいったん立ち止まって完成形を見据え、そこから逆算して作業方針や計画を定めたうえで、実際の作業に着手しているのです。

例えば、プレゼン資料を作るとき、やみくもに情報収集から始めるなんて進め方をしている人はいませんか。そうではなく、手書きでもいいのでラフを書き、それぞれの場所にどんな情報を載せるべきかをまずは考えてみてください。そうすれば、どんな情報をリサーチするべきなのかが見えてきますし、各スライドの構成も事前に把握できます。それがかえって、完成までの時間の短縮につながるのです。

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仕事が速い人が絶対にやらないこと、わかりましたか? この3点を参考にすれば、皆さんの仕事の生産性も大きく向上することでしょう。

(※記事中の人物の肩書は記事公開当時のものです)

(参考)
ダイヤモンド・オンライン|仕事の速い人は、そもそも「TO DO化」をしない
プレジデント・オンライン|一流社長はハガキ1枚を3分30秒で書く
東洋経済オンライン|仕事が遅い人は「着手する順番」が誤っている-誤った「ボトムアップ思考」が問題だ
StudyHacker|「とりあえず情報収集」はもう卒業! マッキンゼー流『ブランク資料』の作り方。

【ライタープロフィール】
武山和正
Webライター。大学ではメディアについて幅広く学び、その後フリーのWebライターとして活動を開始。現在は個人でもブログを執筆・運営するなど日々多くの記事を執筆している。BUMP OF CHICKENとすみっコぐらしが大好き。

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