仕事選びで「お金」ばかり見てるとたいてい失敗するワケ。

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「また仕事選びに失敗してしまった……」
「転職は失敗だった……」

こんなセリフを繰り返しているなら、仕事選びに失敗する理由を、有識者の言葉をもとに探ってみましょう。

なぜ仕事選びに失敗するのか?

マンパワー・グループのチーフ・タレント・サイエンティストで、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンとコロンビア大学の経営心理学教授のトマス・チャモロ・プレミュジック(Tomas Chamorro-Premuzic)氏は、『Harvard Business Review』で次のように述べています。

仕事に対し、自分が何を求めているか自覚しているにもかかわらず、「理想の仕事」に就けないのは、以下4つの理由があるからなのだとか。

理想の仕事に就けない理由
  1. お金ばかりを重視する
  2. 嫌な仕事を我慢し続ける
  3. 自己認識が不足している
  4. 仕事の内容を理解していない

ちなみに同氏が言う「理想の仕事(職場)」とは、自分の強みを発揮しながら成長できている、自分はこの組織の認められた一員である、価値あることに打ち込めていると意識させてくれる仕事(職場)のことです。

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「理想の仕事」に就けない4つの理由を、それぞれ説明していきましょう。

1. お金ばかりを重視すると「理想の仕事」に就けない

2010年に発表された米国フロリダ大学ウォリントン・カレッジ・オブ・ビジネスなどのメタ分析研究では、 「給与の多さ」と「仕事の満足度」が、ほぼ無相関の関係 にあると示されたそうです。

しかし、「お金をたくさんもらえるから、とりあえず頑張ろう」といった動機づけにはなるので、仕事に満足していなくても、理想の仕事に就ける機会があっても、給料の高いほうにとどまってしまうことがあるのだとか。

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2. 嫌な仕事を我慢し続けているから「理想の仕事」に就けない

そりゃ当たり前だ、といいたくなるような見出しですが、プレミュジック氏の説明はこうです。

グローバルワークプレイスのレポートによると、世界で最も成功している企業には、従業員エンゲージメント(※)の低さが広く見られるのだとか(※従業員が企業に持つ愛着心や貢献意欲、企業と従業員が共に必要とし合う強い結びつきのこと)。

そうしたこともありプレミュジック氏は、嫌な人間関係よりも、嫌な仕事のほうが、人々は我慢できるものだと推測しています。

つまり――

「やったー、念願の大企業に入社だ。でも、意味のない嫌な仕事ばかり」→「何年も経つが、必死に頑張っても評価されても、なぜか仕事の状況は一向に変わらない」→「でも理想の会社(仕事)だから辞めないで我慢するぞー」

――あれ? これって、本当に理想の仕事?

といった矛盾に陥っているビジネスパーソンが少なくないということです。

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3. 自己認識が不足していると「理想の仕事」に就けない

人は、自分自身の才能を評価することが苦手だと、プレミュジック氏は言います。その例として挙げているのは、「サクセス神話」に踊らされてしまう若者たち。

アップルやグーグルのような企業をつくりたい、マーク・ザッカーバーグ氏やスティーブ・ジョブズ氏になりたいといった夢や希望を持つことは大切です。でも、自己認識不足のまま、誰かのサクセスストーリーを追いかけても空回りしてしまうだけ。

なんせ現実的には、わずかな成功でさえ手に入れるのは難しいのですから。

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デジタルマーケティング会社ウィメン・オンラインの創業者であるモラ・アーロンズ・メル(Morra Aarons-Mele)氏も、孤独な努力家が万難を排して自分の夢を叶えるといった、よくできた成功談が悪影響をもたらすと言いきります。

そんな同氏のアドバイスは、こちらです。

多くの創業者とはかけ離れた「スーパーサクセスストーリー」の幻想に振り回されるのはやめること。誰もが自分自身の成功モデルになれると認識すること。

4. 仕事の内容を理解していないと「理想の仕事」に就けない

応募者自身が、応募する仕事について正しく理解していないと、期待と現実が大きくかけ離れてしまう場合があります。

もちろん、勤務してみなければわからないことも、たくさんありますよね。しかし、「話が違うじゃないか!」と文句を繰り返していてもらちが明きません。

「この仕事は〇〇だと思うが、本当にそうだろうか?」と、先んじて理解しておこうとする姿勢があれば、深い思慮や質問などの行動が必然的に促され、見当違いを小さくしたり、なくしてくれたりするはずです。

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「仕事選び」に失敗しないコツ

以上をまとめて解釈していくと、「仕事選び」に失敗しないコツは次のとおり。

  • 仕事選びの際に、報酬の優先度を一番目にしない
  • 報酬以外の価値観や動機を満たしている仕事を選ぶ
  • 自分は何が得意なのか、苦手なのかを知る
  • 就こうとしている仕事についてよく理解する
  • レアすぎる成功談に振り回されない

プレミュジック氏は古代ギリシアの医学者ヒッポクラテースの、技術の習得には時間がかかるため、時間を無駄にしてはならないと伝えた警句

「Ars longa, vita brevis.(技術は長く、人生は短し)」

を挙げ、人生は短いものだから、恐れずに、本当に望む道を選ぶよう呼びかけています。

***
仕事選びに失敗する理由と、失敗しないコツを紹介しました。

モラ・アーロンズ・メル氏は、収益を上げ、有意義な仕事を提供するスモールビジネスは誇りに思っていいと明言します。企業の大小ではなく、本質を見ようとする姿勢も大切ですね。 ぜひ、いい仕事選びをしてください!

(参考)
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|自分の理想はわかっているのに、なぜ仕事選びに失敗するのか ジョブ・クラフティングを実践する 
ScienceDirect|The relationship between pay and job satisfaction: A meta-analysis of the literature 
Analytics & Advice About Everything That Matters|With the Right Partner, You Can Create an Exceptional Workplace|Dismal Employee Engagement Is a Sign of Global Mismanagement 
STUDY HACKER|エンゲージメント 
WSJ|起業家の「サクセス神話」、もう追うのは止めよう 
Wikipedia|アルスロンガ、ウィータブレウィス 

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