インプットの精度が上がる! 勉強の深い理解に役立つ「開成流・ロジカルに読む&聞く」方法

小林尚さんインタビュー「読む&聞く_勉強におけるインプットのコツ」01

勉強の効率をアップさせるには、「『読む』『聞く』『書く』『話す』という『4技能』のポイントを押さえて、その精度を上げていくことが大切」だと語るのは、著書『開成流ロジカル勉強法』(クロスメディア・パブリッシング)が話題となっている小林尚(こばやし・しょう)さん。今回は、インプットの技能である「読む」「聞く」のふたつの技能について、そのポイントを解説してくれます。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

「メッセージ」をつかみ、「構造的に読む」

まずは「読む」について解説します。読む精度を高めるためには、構造的に読むことを意識する必要があります。そのポイントのひとつは、メッセージをつかむことです。

文章のなかにはなんとなく情報が羅列されているだけのものもありますが、その他大半の文章には、「これこれこうだから、こうだ」といった主張、つまり書き手が伝えたいメッセージがあります。それをきちんとつかめるかどうかが、理解の深度を左右します

では、どうすればそのメッセージを的確につかめるのか。そのひとつの方法が、「主観的な表現」に注目すること。たとえば、「今日の気温は20℃だ」という文はどうでしょうか? 明らかに客観的な表現で、情報をただ述べたものに過ぎません。では、「キャリアアップのために、僕は〇〇という資格を取得したい」はどうでしょう? こちらは主観的な表現ですよね。こういった表現が、文章のなかではメッセージとなっている可能性が高いのです。

小林尚さんインタビュー「読む&聞く_勉強におけるインプットのコツ」02

文章には大きくふたつの「基本構造」がある

それから、「構造的に読む」ためのふたつめのポイントが、基本構造を知ることです。文章の構造は、基本的に大きくふたつに分けられます。それは、「ストーリーロジック」と「ストラクチャーロジック」。前者は、「AだからB、BだからC、CだからD」というような、順を追ったプロセス図のような構造です。

一方のストラクチャーロジックは、ピラミッドのような構造。たとえば、Aという主張をするために、その下にB、C、Dという根拠や具体例を並べているようなものですね。もちろん、ストーリーロジックとストラクチャーロジックの両方を用いている文章もたくさんあります。

これらの基本構造を知っておくことで、文章全体の構造が見えてくる。文章のどこにメッセージがあるのか、その根拠はどこにどういうふうに配置されているのか、そういったことが見えてくるため、ただ漠然と字面を追うような読み方をするよりも格段に理解が深まるのです。

また、「接続詞」に注目することも大切なポイントです。接続詞は、その前後にある言葉が並列関係にあるのか、因果関係にあるのかといった、互いの関係性を示すものです。その接続詞を意識すれば、文章の構造を理解することに役立ちます。

「たとえば」という接続詞が出てきたとします。書き手の日本語能力がよほど低くなければ、そのあとには具体例が続くでしょう。また、「『もちろん』○○だ、『しかし』△△とも言える」のように、「もちろん」と「しかし」の組み合わせのあとには、主張が続く傾向が高いものです。こういったことが理解できていると、書き手のメッセージをつかむことにも大いに役立ちます。

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「聞く」勉強は、その使い方に要注意

続いて、「聞く」について解説します。聞く勉強については、その使い方に注意が必要。よくないのは、「聞く割合が多い」勉強です。勉強の効率や質を上げるには、4技能すべてをバランスよく使う必要がありますが、聞くという行為は比較的楽なので、そればかりしてしまうケースが起こりうるのです。

受験生に例えればわかりやすいでしょうか。学校や予備校にきちんと通って授業はしっかり聞いていても、自分でテキストを読むとか問題集を解くといった勉強をいっさいしていない受験生では、学力が上がるとは思えません。

また、読むことと比べると、聞くことには不自由さがともなう点にも要注意です。読むのであれば、「ここはもう理解できているからいいや」と読み飛ばすこともできれば、「いまのところはちょっとよくわからないぞ」と読み返すこともできます。でも、聞く場合にはそのどちらもできません。そのため、勉強効率が上がりにくいのです。

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価値ある情報を得るために、「聞く」前に予習する

もちろん、聞く勉強にもメリットがあります。一番向いているのは、「初学者」です。まったく知らないことを学ぶ際、それに関する本を読もうとしても、その内容はなかなか頭に入ってこないでしょう。それこそ、メッセージや構造をつかむことも非常にハードルが高い。そういう場合には、講義や授業を聞くといったかたちで、すでにそのことに詳しい人から情報を頭に入れてもらうことが効率的です。

それから、「聞く」という言葉が持つもうひとつの意味である質問することも大きなメリットです。そのメリットを享受するためには、事前の予習や準備がとても重要。なにも準備をしないまま、ただ講義や授業を聞いたとしても、得られるものはほとんどありません。それだと、ただ漠然と字面を追うような読み方と同じです。まずは自分なりに予習をする。そして、「ここはわかっている」「ここがわからない」ということを見定めたうえで、講義や授業を聞き、さらに質問をするのです。

これは、質問する相手からよりよい情報を得るためにも欠かせないことです。私は、YouTubeの視聴者から「○○大学ってどう思いますか?」といった質問を受けることもあります。それって、とても曖昧な質問ですよね(苦笑)。するとこちらも、「いいと思いますよ」といった曖昧な答えしか返せません。これは、聞いた側にとっても価値のある答えとはいえないでしょう。

でも、「○○大学の△△学部の定員が減るのですが、受験の難易度は上がりますか?」だったらどうでしょう? 「減るとはいっても5人だけだから、難易度は大きく変わらないと思いますよ」とか「枠が減ったぶんはAO入試に回るから、一般入試は厳しくなりそうですね」といったふうに具体的な返答ができます。

具体的で価値のある答えを得るには、具体的に質問をする必要があります。そして、そのためにも予習が大事になってくるというわけです。

小林尚さんインタビュー「読む&聞く_勉強におけるインプットのコツ」05

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【プロフィール】
小林尚(こばやし・しょう)
1989年5月8日生まれ、埼玉県出身。株式会社キャストダイス代表取締役。個別指導塾CASTDICE塾長。YouTubeチャンネルCASTDICE TV総責任者。私立開成高校を経て、現役で東京大学文科Ⅰ類に合格。大学在学中、大学受験予備校に勤務し、東京大学医学部をはじめ多数の難関大学合格者を輩出。大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、新規事業開発、組織変革を専門に従事。その後、株式会社キャストダイスを設立。現在は、「教育×コンサルティング」を軸に活動する。近年はユーチューバーとしても活動しており、受験・キャリアに関する動画を配信中。開成高校弁論部、コンサルティングで培ったロジカルな勉強法指導を得意とし、大学や教育機関での講義・講演・セミナーなども実施している。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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