モルガン・スタンレーの新入社員が最初の1週間で叩き込まれる5つのこと【外資で働くための「一流ワークハック術」】

モルガン・スタンレーの新入社員が最初に叩き込まれること1

世界はスキルに飢えている。だから、スキルのある人材は世界を目指す。年齢に関係なく、上限のない対価を払ってでも、世界はスキルのある人材を手に入れようとしている。そういう世界が、じつはあなたの身近にある。

STUDY HACKERの読者のみなさま、こんにちは。外資キャリアの専門家、Stephen Pong(スティーブン・ポング)です。これまで、モルガン・スタンレーやリーマン・ブラザーズをはじめとした外資金融企業でキャリアを積んできました。

この連載では、キャリアアップに興味のあるビジネスパーソンに向けて、外資で働くための「一流ワークハック術」をお伝えしていきます。

第1回は、外資でのキャリアをハックする仕事術についてです。

日本にいてもアメリカン・ドリームはつかめる

人生100年時代が到来しています。キャリアパスも、時代に合わせて見直す時期に来ています。あなたは今後、どのようなキャリアパスを歩んでいこうと考えていますか?

私は英語力を武器に、新卒でモルガン・スタンレー証券NY本社に就職しました。そこで得たのは、広い視野と高い視座、世界に通用する考え方。そして、高いパフォーマンスを叩き出すためのコアスキルでした。

英語力があれば、キャリアパスの選択肢は広がります。たとえば、外資企業を渡り歩き、スキルを高めながら年収を上げていくことができます。いち早く経済力をつければ、早期リタイア「FIRE」(Financial Independence, Retire Early の略)を目指すことも可能です。

あなたも、アメリカンドリームをつかむことができます。わざわざアメリカに行かなくても、身近な英語の世界が外資にはある――そう言っても過言ではありません。外資に通用する英語力と仕事術さえ身につければ、いまからでもそんな世界が手に入るのです。

モルガン・スタンレーの新入社員が最初に叩き込まれること2

外資のハイパフォーマーに共通する3大スキル

「外資企業は徹底した個人主義。個人プレーヤーとしての成果が求められる」
そう思っている人が多いのではないでしょうか。じつはこれは正確ではありません。外資ではむしろ、チームで成果を上げていくことが期待されます。

もちろん、外資で活躍するには、個人のスキルは不可欠です。しかし、いかにチームワークを高めるかも、重要な評価基準になっているのです。

モルガン・スタンレーでもリーマン・ブラザーズでも、活躍する「ハイパーフォーマー」には共通していることがあります。それはこの3つ。どれも、チームで成果を出すのに欠かせないことばかりです。

  1. コミュニケーションコストを抑えた「話し方
  2. 業務効率化スキル」と「マネジメント力
  3. マネタイズに直結する「数字の分析力

ひとつひとつ順番に見ていきましょう。

モルガン・スタンレーの新入社員が最初に叩き込まれること3

1. コミュニケーションコストを抑えた「話し方」

モルガン・スタンレー証券NY本社への出社初日、開口一番、私は上司にこう言われました。

「スティーブン、我が社へようこそ。すべては『コスト』だ。コミュニケーションでさえもね」

外資企業の給与水準は高いことで知られています。外資における最初の役職の平均年収は1,100万円。役職がひとつ上がると1,500万円程度にまで跳ね上がります。そのため、社員間のコミュニケーションコストもおのずと上がります。

そこで入社時の最初の仕事は、コストを極力抑えたコミュニケーション方法を習得すること。コミュニケーションコストを下げるための基本的な手順は、この5つ。入社後最初の1週間で、この5つを徹底的に叩き込まれます。

  1. 伝える
  2. 理解させる
  3. 納得させる
  4. 動かす
  5. 結果を出させる

1〜3の段階で大切なのは、最終的にどのような成果がいつまでに必要なのかを正確に指示すること。そのために、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を明確にして話すことが求められます。

すると一度で趣旨が伝わり、二度聞きの手間が省けるため、コミュニケーションの効率が上がります。さらに話に説得力が出て、聞き手の納得感も高まるため、4~5の「行動して結果を出す」という最終目的にたどり着きやすくなります。

入社間もない新卒社員の能力は、先輩の問いへの答え方でわかるもの。より成果に直結する答え方はAとBのどちらになるか、考えてみてください。

A.
先輩: “Do you follow me?” (今までの話、ついてきてる?)
私:“Yes.”(はい。)
先輩:“Explain what I said.”(なんて言ったか説明してみて)
私:“You said …”(先輩は……とおっしゃいました)

B.
先輩:“Do you follow me?” (今までの話、ついてきてる?)
私:“Yes.”(はい)
先輩:“Explain what I said.” (なんて言ったか説明してみて)
私:“Objective of this practice is to …”(これを実行する目的は……)

正解はB。外資では、Aのように切り返したら即アウトです。

最初にゴールを共有してからゴールにたどり着くための方法論を議論することで、簡潔で要点をつかんだコミュニケーションが実現し、最短で成果を出すことができます。

コミュニケーションコストを抑えることで、仕事の効率を高め、利益を最大化するのが、外資のやり方なのです。

モルガン・スタンレーの新入社員が最初に叩き込まれること4

2.「業務効率化スキル」と「マネジメント力」

入社後次に与えられた仕事は、社内の大学生インターンに仕事を振ることでした。これを外資では、“Delegation(タスクの委託)” と呼びます。

外資でも日本企業でも、入社後最初に求められるのは、与えられた業務をミスなく遂行すること。しかし外資ではその過程で、自ら業務を効率化し、成熟させた業務を自分より若い社員に割り当てていくことが求められます。すると、より大きな案件に挑戦する時間的余裕が生まれ、自身の責任領域を広げやすくなるのです。

タスクを効率化するコツは、日頃のあなたの業務をシンプルにフォーマット化しておくこと。具体的には、この3つの手順で進めていきます。

  1. 業務内容をキーワードでまとめる
  2. 業務の流れをキーワードに基づいて図式化する
  3. 1〜2をテンプレート化する

例として外資金融の朝の仕事、「前夜のアメリカ市場の調査」を挙げましょう。

  1. 「Fact(事実)」「Analysis(分析)」に分けて情報を収集する。次に「Proposal(提案)」を作成する
  2. 「F」「A」→「P」
  3. テンプレート例と記入例

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この3ステップで、仕事は必然的に速くなります。さらに、他の人に仕事を依頼するときも、スムーズに進みます。10分以内に引き継ぎを完了できるようになるでしょう。

外資のハイパフォーマーは「タスクの効率化」と「タスクの委託」にこだわります。なぜなら、より高い役職、より高い年収に直結するから。生産性を高めながら責任範囲を広げることで、自身の価値を高め、見返りとして給料を上げていくのです。

外資のボスの年収が桁違いに高い裏には、そんなカラクリがあります。特にラスボスは強烈。たとえば1994年当時のリーマン・ブラザーズでは、赤字に苦しんでいたにもかかわらず、ラスボスである社長のボーナスは約10億円でした。

モルガン・スタンレーの新入社員が最初に叩き込まれること6

3. マネタイズに直結する「数字の分析力」

最後に重要なのは、数字に強くなること。外資では、すべての発言に数値の裏づけが必要になります。

数字を用いた話し方をレベル別に3つに分けてみましょう。

✕:売上が○円増加しました。

△:売上が○円増加、前期比□%の増加になります。

◎:売上が前期比□%の増加。これは、減価償却前利益を前年比△%に跳ね上げるので、買収対象になるかもしれません。対策としては~することをおすすめします。

外資で活躍する人は◎例のように、表面的に数字を追うのではなく、数字の裏に隠れた「見えない事実」に目を向けます。数ある情報から規則性を見出し、本質を読み取ることで、マネタイズに結びつけるのです。

このスキルは、課題発見や課題解決時に特に威力を発揮します。チームで成果を出すためにも、個人としてぜひもっておきたいスキルです。

「数字に強い人」になる第一歩は、事前の “マルチプル(Multiple)” 準備。これは「伸び率」を把握することで、数字に慣れるためのウォーミングアップ作業です。

たとえば、営業会議であれば、各種の成績を部署ごとに共有しますね。そのときに、単に「売上が○円増加した」ではなく、「対前月比・対前年比で□%増加した」と報告できるよう、事前に比較数値を調べて準備しておくのです。

いくら売上が増加したかも重要ですが、ビジネスにおいてもっと大切なのは伸び率を把握すること。伸び率に基づいた話ができると、あなたの発言に少しずつ迫力と説得力が加わり始めます。上司や同僚からの高評価にもつながるでしょう。

「なんだか難しそう......」。そう感じる方は、以下のような表現から始めるのでもかまいません。

  • Data implies ~.(データは~をほのめかしています)
  • Number indicates ~. (数字は~を指し示しています)
  • Figure shows that ~. (数値は~を表しています)

日々練習していけば、次第に慣れていきます。数字に強くなれば、世界に通用するビジネスパーソンに大きく近づきます。

この数字は、いったい何を意味しているのだろうか? 数値を「%」に置き換えたら、何が見えてくるだろうか? このような思考癖をつけるといいでしょう。

***
今回は、外資で活躍するハイパフォーマーの仕事術を3つに分けてご紹介しました。みなさんもぜひ日々の仕事に取り入れて、キャリアアップに生かしていってくださいね。

(参考)
en world | 転職で人気の外資系企業ランキング 就職偏差値や業界別の年収・ホワイト度ランキングも紹介

【ライタープロフィール】
Stephen Pong(スティーブン・ポング)
青山学院大学卒。モルガン・スタンレーNY本社に新卒で入社し、東京支店でも勤務。リーマン・ブラザーズに移り、東京支店およびNY本社でキャリアを重ねたのち、メリルリンチ日本証券にて初代WEBマネージャーを務める。その後、ライブドアへ転職し、WEB事業部・戦略コンサルティング事業部(電通へ出向)・ファイナンス事業部にて勤務。現在は独立し、ビジネスパーソン向けに外資系企業への転職支援を行なう。

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