ウォール街の圧倒的ハイパフォーマーがしている「朝時間」の使い方【外資で働くための「一流ワークハック術」】

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みなさんは、「朝活」に挑戦したことはありますか? 1日の始まりに、自己成長のための時間をもつのは素晴らしいことです。

早く起きて読書する、出社前に資格試験の勉強をする――さまざまな朝活がありますが、私がニューヨークで出会った一流ビジネスパーソンの朝活は、これらとは一線を画すもの。

今回は、ウォール・ストリートで活躍するハイパフォーマーの朝活をご紹介します。

ニューヨークの一流ビジネスパーソンの「朝活」事情

「最新の知識を習得するために、専門書籍を片っ端から読む」
「早朝から100kgオーバーのベンチプレスで、自分を追い込む」
「誰も出社していないオフィスで、真っ先に仕事を始める」

「ニューヨークの一流ビジネスパーソンの朝活」と聞くと、このようにハードな活動をイメージする方が多いのではないでしょうか。

もちろん、なかには朝からこのような活動をしている人もいるかもしれません。しかし、私が外資系金融機関のニューヨーク本社に勤めていたとき、ビジネスで圧倒的な成果を出す先輩が教えてくれた朝活は、これらとはまったく異なるものでした。

意外なことに、ウォール・ストリートのハイパフォーマーの朝活は、“Breakfast Meeting”(ブレックファースト・ミーティング)というものだったのです。

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「ブレックファースト・ミーティング」とは

「ブレックファースト・ミーティング」とは、文字通り朝食を食べながら行なう会議のこと。カフェやレストラン、ホテルのラウンジ、オフィスのカフェテリアやダイニングスペースなどで開かれるのが一般的です。

日本ではあまり馴染みのない習慣ですが、欧米のエグゼクティブのあいだでは盛んに行なわれています。今回は、ニューヨーク金融街の超一流ビジネスパーソンとして活躍していた、私の先輩のやり方をご紹介しましょう。

先輩は毎朝オフィスの社員用カフェテリアにて朝食を食べながら、社内で重要な役割を担う人や専門知識をもつ人と話し合いをしていました。時間は30分ほど。出社してから本格的に仕事を始める前に、短時間でさくっと話します。

経営幹部や各事業部の責任者など、日によってミーティングの相手は変わりますが、彼自身は毎日必ずブレックファースト・ミーティングを行なっていました。

ミーティング内容は、業務上の相談から情報交換まで多岐にわたります。自身の疑問や課題を解消する場としても使えますし、逆に相手の相談にのることで問題解決力を鍛える場として、または周囲に自分の知見や能力を売り込む場としても活用できます。

ときには週末の出来事などの個人的な話題がのぼることもあり、ビジネスだけでなくプライベートにおける事情も共有しながら、互いの心理的距離を縮めることもできます。

ブレックファースト・ミーティングを重ねることで、自身の知恵やスキルが高まるだけでなく、相手との信頼関係もおのずと構築されていくのです。

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「ブレックファースト・ミーティング」の3つのメリット

短時間とはいえ、朝にメリハリのある会話を繰り広げることで、さまざまな効果が得られます。特に、人との距離を縮め、信頼関係を構築するには、定期的なブレックファースト・ミーティングが一番効果的だというのが、その先輩の持論。

「なぜ毎日ブレックファースト・ミーティングをするのか?」と先輩に尋ねたところ、3つの答えが返ってきました。

1. 起床直後は、物事をシンプルに考えられるから
2. 朝食の場では、本音で話し合えるから
3. 朝はスケジュールを入れやすいうえ、経済的だから

これらが、ランチやディナーの時間帯ではダメで、「朝でなくてはいけない」理由なのだそうです。ひとつずつ説明します。

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1. 起床直後は、物事をシンプルに考えられる

朝起きたては、まだ頭がフル稼働していない状態。そのため、物事をシンプルにとらえることができます。雑念に邪魔されることなく、クリアな頭で思考しやすくなるのです。

午前と午後の勤務に挟まれたランチの時間帯は、完了済みのタスクに関する反省やこれからの仕事の予定で頭がいっぱい。仕事モードの真っ最中で、食事の場でもつい「脳内戦闘モード」で臨んでしまいがちです。勤務終了直後のディナーも同様に、1日分の仕事の記憶を抱えているため、脳内戦闘モードが続いているケースが多いもの。

そのような昼食や夕食に比べると朝食のタイミングは、フラットな状態で、自由に思考しやすい貴重な時間帯。難しく考えすぎることなく、シンプルに全体像を眺めることができます。複雑な事象でも、シンプルにとらえ直したら答えが見つかることも。ふとした瞬間に解決策が見つかったり、ユニークなアイデアが生まれたりすることもあるのです。

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2. 朝食の場では、本音で話し合える

心を着飾っていない素の状態になれるのが、朝食の場。さらに起床直後は、前夜のプライベートな出来事が直前の記憶として残っているため、私的なトピックにも触れやすい時間帯。だからこそ、建前ではなく本音で話しやすい、互いに理解を深めやすいタイミングだと言えます。

先輩にすすめられて、私も一度上司を朝食に誘ったことがあります。そのときは朝という時間帯のおかげで、過度に緊張することなく、すっきりとした気持ちで話すことができました。まだ「仕事モード」に入っていないため、日頃聞けないようなプライベートな質問もでき、打ち解けられたことが大きな収穫でした。

さらに、朝にミーティングを行なう人は少ないため、オフィスやカフェなどの朝食会場は落ち着いていて、会話に集中しやすいというメリットも。誰も知らない情報や重大な話題なども、周囲の目を気にせずに堂々と話し合うことができます。

混んでいてまわりの目が気になるランチや、かしこまってしまいがちなディナーの場と比べると、朝のほうがカジュアルに話す雰囲気をつくりやすいのです。

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3. 朝はスケジュールを入れやすいうえ、経済的

朝の時間帯は、ミーティングのスケジュールを組みやすいというメリットも。朝に動かすことのできない予定を入れている人はあまりいないため、ミーティング相手との都合をつけやすいのです。

一方、ランチ・ミーティングを行なうには、日中の業務を調整する必要があります。お昼休憩中に設定しても、「午前の業務が長引いたらどうするか」など、見えないところで気を遣うもの。さらにディナー・ミーティングだと、プライベートの時間に被ってしまうため、スケジュール調整に手間取ることも多々あります。

また、昼食や夕食に比べると朝食は安あがりです。ニューヨークでも日本でも、ランチはディナーよりお手頃な価格ですが、ブレックファーストはより安くすむことが多いもの。特に日本のカフェの「モーニング」や定食屋の「朝定食」は非常にお得。ドリンクに数百円プラスするだけでトーストやパン、卵料理やサラダが提供されるなど、とても経済的です。

スケジュールだけでなく費用の面からしても、ブレックファースト・ミーティングは便利だと言えるでしょう。

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「ブレックファースト・ミーティング」に挑戦してみよう

あなたがオープンな組織にいるのなら、会社の経営者や上司とのブレックファースト・ミーティングも、提案次第で実現可能かもしれません。しかし、上下関係が確立された閉塞的な組織では、難しい場合もあるでしょう。そんな人も心配はいりません。

ブレックファースト・ミーティングは、必ずしもいわゆる “偉い人” と行なう必要はありません。他部署のメンバーや活躍している先輩・同僚、社外で研鑽を積んでいる友人、自己成長のための学びを共有している仲間など、さまざまな人に打診していいのです。

参加人数も、自由に決めてOK。ひとりの人と深く話したいときは個別で、または複数人と情報交換やディスカッションをしたいときはグループやチーム単位で企画するといいでしょう。

形式も、リアルでもオンラインでもかまいません。オンライン会議ツールであるZOOMを使った「ZOOM飲み会」などが行なわれている昨今。オンラインでのブレックファースト・ミーティングに挑戦するのもありです。

誰とどのようなかたちで行なうにしても、いままで聞けなかったことを質問するなど、ざっくばらんに話をしてみてください。きっと新しい気づきや発見につながります。続けることで視野が広がり、おのずとパフォーマンスも上がっていくでしょう。

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みなさんもぜひ一度、ブレックファースト・ミーティングに挑戦してみてくださいね。

【ライタープロフィール】
Stephen Pong(スティーブン・ポング)
青山学院大学卒。モルガン・スタンレーNY本社に新卒で入社し、東京支店でも勤務。リーマン・ブラザーズに移り、東京支店およびNY本社でキャリアを重ねたのち、メリルリンチ日本証券にて初代WEBマネージャーを務める。その後、ライブドアへ転職し、WEB事業部・戦略コンサルティング事業部(電通へ出向)・ファイナンス事業部にて勤務。現在は独立し、ビジネスパーソン向けに外資系企業への転職支援を行なう。

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連載『外資で働くための「一流ワークハック術」』

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