「自分の人生に心から満足している」
「日々、大きな幸せで包まれている」
みなさんはいま、そう感じていますか?
もしそうでなければ、幸福感を高める7つの習慣を始めてみませんか。どれも、モルガン・スタンレーNY本社で学んだ “世界基準” の幸福感の高め方。
取り入れるだけで、あなたの人生が大きく変わるかもしれません。
1. 自分の強みを把握する
「仕事がつまらない」
そう感じているとしたら、あなたの強みで勝負していないからかもしれません。
幸福感を得るには、「自分はできる」という自己有能感が必要です。そんな自己有能感を得るには、自分の強みを生かせるキャリアを慎重に選ぶことが重要。強みを最大限発揮できる業界・業務内容ならば、最小限の労力で結果を出しやすく、幸せな職業人生を歩むことができます。
自分の強みを知る方法を3つご紹介しましょう。
【方法1】自己分析
過去に無理せず楽しく達成できた実績を洗い出して、リスト化。満足度や達成度を評価し、満足した理由と達成できた理由を書き出す。最後に全体を見渡して共通点を探し、自分の強みを抽出する。【方法2】診断ツール
あなたの強みを客観的に検証できるツールを使うのも手。おすすめは、世界2,300万人以上が利用した、アメリカ発「クリフトンストレングス」という有料サービス(トップ5の強みを診断するには2,340円。または書籍購入でも診断可能。グッドポイント診断」をリクナビNEXTで受けてもよい。
【方法3】他己分析
他己分析をお願いするとき、手っ取り早い方法は信頼できる上司や先輩に相談すること。職場で最も長く一緒にいるからこそ、自分でも気づかないあなたの強みに気づいてくれていることが多い。
あなたの強みがわかったら、それがいまの業務に求められているスキルと一致しているかどうかを確認しましょう。一致しているのに仕事で結果が出せていない場合は、やり方に問題があります。業務の目標達成方法を強みに沿って変えてみたり、上司や先輩に助言をもらって改善したりするとよいでしょう。
一致していない場合は、強みに合った仕事に変えることを検討します。異動や転職を試みる、業界や業種を変える……。このように、今日からできる小さな工夫から人生を変えるキャリア・チェンジまで、さまざまな軌道修正方法があります。まずはスモール・ステップで、あなたの強みを発揮できる比率を増やしていきましょう。
2. 高い評価と報酬が得られる場所へ移る
「やりがいのある仕事だったら、給料が少々安くてもいい」
そう感じているとしたら、もったいないことをしているかもしれません。
“やりがい” と “お金” を切り離して考えるのは大きな間違いです。なぜなら、お金がないと生活がカツカツになりイライラしたり、自分よりも稼いでいる同僚と比較して苦しくなったりするから。精神的な余裕がなくなり、つらくなってしまうでしょう。
どんなに一生懸命に仕事をして成果を出しても、最終的にお金で評価されないと、やる気は続かず、幸せも感じられません。私は外資への転職をすすめていますが、その理由は、幸福感が得られる条件のひとつ(=高水準の給与)が外資にはあるから。まわりからの評価や対価は、幸福感に直結するのです。
いま社内での評価や給料に不満を抱えている人は、より給与水準の高い場所へ移動することを検討してみてください。同じスキル・業務内容でも、「どこにいるか」で評価や給与は変わってきます。あなたのパフォーマンスが正当に評価され、実力に見合った対価を得られたとき、本当の意味で幸福を感じられるようになるでしょう。
3. 人生の目標実現につながるキャリアを選ぶ
「日々の生活費を稼ぐために仕事をしている」
そう思っているとしたら、幸福感を感じることは難しいかもしれません。
仕事の目的が日銭稼ぎであれば、仕事は “逃れられない” 義務となります。すると、キャリアを通した自己実現は叶わず、仕事において真の満足感や充実感は得にくくなるでしょう。
まずは人生の目標を明確にしましょう。どんな人生を生き、どんなことを成し遂げたいのか? どんな場所で、どんな人と、どんな時間を過ごしたいのか? ぜひ考えてみてください。人生目標がわかれば、仕事に求めるものもおのずと明らかになります。「どんな仕事を通して、何を達成したいのか」が見えてくるでしょう。
長期的な人生目標から逆算して、そこにつながるキャリアを選択すると、仕事での成長が人生のステップアップに直結します。仕事のおかげで人間として成長していると実感でき、”やらされている” という受動的な姿勢から “やりたい” という能動的な姿勢に変わるはず。いままで以上に仕事が楽しくなり、成長の実感とともに幸福感も増すでしょう。
4. 職場で信頼し合える人間関係を築く
「職場での人間関係がうまくいかない」
そんな経験のある人は、人間関係が幸福度に大きく影響することを実感しているはず。
たとえあなたが結果を出しても、上司や同僚との折り合いが悪ければ、職場にいづらくなってしまいます。時には、あなたのパフォーマンスを正当に評価してもらえず、コミュニケーションの欠如により、あなたの存在感すら薄れていくことも。モチベーションが空回りし、パフォーマンスを上げ続けることも難しくなってしまいます。
一方、信頼関係を築くことができると、自由裁量ですべてを任せてもらえるようになります。すると活躍の幅が増え、あなたへの評価や報酬もおのずと上がるもの。さらに、敬意をもってまわりから接してもらえるという好循環が起こります。
『一流は無駄に敵をつくらない。モルガン・スタンレーで学んだ「言ってはいけない」7つの口癖』を参考に、上司やチームメンバーとの信頼関係を築いていってください。1日の大半を過ごす職場での人間関係がよくなれば、あなたの幸福度は一気に高まるでしょう。
5. 趣味やボランティア活動を楽しむ
「仕事に全力投球で、プライベートのことはおかまいなし」
そんな状況にいるのだとしたら、あなたの幸福度を一気に高めることは難しくありません。
人生全体における幸福感を引き上げるには、キャリアだけでなく私生活の充実も不可欠。なぜなら、仕事で頑張れば頑張るほど、社外で夢中になれるものが必要になるからです。
モルガン・スタンレーNYの先輩アレックスをご紹介しましょう。彼は幸せな笑顔にあふれた、元空軍パイロットの30代既婚男性。余暇の時間に趣味の家庭菜園を楽しみ、趣味が高じて月一回のファーマーズ・マーケットにも出店するほど。さらに、地域の小学校で空軍時代の話を子どもたちに伝えるというボランティア活動もしています。
このように、仕事を忘れて没頭できる趣味をもつのは、ビジネスとプライベートのバランスをとるのに大いに役立つもの。どんなに職場環境を整えても、完全にストレスフリーな仕事はありません。仕事のストレスを解消できる趣味や、社外で自由に貢献できるボランティア活動があると、精神的安定を得やすくなります。
ぜひ、昔からやってみたかったことにチャレンジしたり、興味のある活動を探したりしてみてください。最初は手探りでいろいろと試してもいいでしょう。いつしか夢中になることが見つかり、バランスのとれた幸せな人生が送れるようになります。
6. 仲間や地域コミュニティとのつながりをもつ
「職場と家の往復で、仲間や地域コミュニティとの関わりがない」
そんな日々を過ごしているのなら、あなたは惜しいことをしているかもしれません。
地域の人々や仲間とのつながりは、会社の固定化された権力構造によるストレスをリセットし、人生全体における人間関係のバランスをとるのに役立ちます。組織の上下関係から離れ、物理的・心理的な “居場所” を確保することで、より豊かに生きられるようになるのです。
続いてご紹介するのは、モルガン・スタンレーNYの先輩マイク。彼は地域コミュニティや仲間とのつながりを大切にしている、40代独身男性。週末に地元の教会でお年寄りたちと話したり、友人を呼んでバーベキューができる空間づくりを計画したりしています。余暇に十分リフレッシュできているからか、職場でもいつも生き生きとしています。
年齢や能力に関係なく、利害関係のない集団の中で、自由なコミュニケーションを楽しめるのは大きなメリット。ぜひ、地域のコミュニティに参加したり、趣味をともにできる仲間を見つけたりして、自由なつながりを味わってみてください。職場と私生活における人間関係のバランスをとることで、幸福感が増幅します。
7. 健康な体づくりをする
「仕事や家庭で忙しくて、ほとんど運動していない」
こんな人は、1日20分間の散歩や軽い運動をするだけで、幸福感を高めることができます。
「自分の健康にはかまうことなくがむしゃらに働いて、念願の年収1億円を達成。幸せな家族にも恵まれ、高級タワーマンションを購入。しかし1か月後、深刻な病気が見つかり、余命半年と宣告された」――よくある三流ドラマのシナリオですが、外資のハイ・パフォーマーはこのようなシナリオからでも学ぼうとします。どんなに忙しくても健康に留意し、体によい生活習慣を実践しているのです。
1日20分程度の散歩やジョギングを楽しむ人から、ジムや自宅での筋トレを徹底している人、片道1〜2時間かけて職場まで歩く強者まで。デキるビジネスパーソンほど、体づくりのため、さらにはストレス軽減のためにも、日々自分に合った運動をしているものです。
幸福感に満たされた人に共通しているのは、体力がみなぎっていて元気だということ。 健康面の不安を取り除き、ストレス・マネジメントが上手になると、人生の充実度が一気に高まります。仕事や勉強においても集中力が高まり、パフォーマンスを上げながら幸福感を味わうことができるでしょう。
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仕事とプライベートどちらにおいてもネガティブな要素がなく、両者の歯車がうまくかみ合って大きな力を生み出している――そんなとき、人は “幸福” を感じるもの。ご紹介した7つのなかから取り組みたいことを選び、ぜひ今日から実践してみてください。積極的に行動した先に、真の幸せが待っていますよ。
【ライタープロフィール】
Stephen Pong(スティーブン・ポング)
青山学院大学卒。モルガン・スタンレーNY本社に新卒で入社し、東京支店でも勤務。リーマン・ブラザーズに移り、東京支店およびNY本社でキャリアを重ねたのち、メリルリンチ日本証券にて初代WEBマネージャーを務める。その後、ライブドアへ転職し、WEB事業部・戦略コンサルティング事業部(電通へ出向)・ファイナンス事業部にて勤務。現在は独立し、ビジネスパーソン向けに外資系企業への転職支援を行なう。
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